メンテナンス方法と重要ポイント

レベルセンサの性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。長年レベルセンサを使用していると、スケール(水アカ=カルシウムやマグネシウムの堆積物)がたまり、レベルセンサの動作不良をもたらします。どんな高性能なレベルセンサでも最低限のメンテナンスは必要です。
ここではレベルセンサのメンテナンス方法と重要なポイントを紹介します。

これから各タイプで必要なメンテナンス方法を紹介します。それぞれ抑えるべきポイントを表にまとめました。

電極式

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
測定液が検出レベルに達しているにも関わらず警報出力しない。 端子ビスの緩み 端子ビスの締め直し
電極棒の接続不良 電極棒の組み直し
電極棒の絶縁被膜 電極棒の清掃
電極棒の腐食 電極棒の交換
測定液が検出レベルに達しているにも関わらず警報出力する。 電極棒同士が接触 セパレータを取り付ける
電極棒が金属タンク壁に接触
電極棒に付着物がブリッジ 電極棒の清掃
警報出力がON/OFFを繰り返す。(チャタリング) 波立ち 防波管を取り付ける
その他 リレーユニットの破損 新規交換
検出感度があっていない 検出感度の変更

フロートガイドパイプ式

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
スイッチが働かない フロートの穴あき フロート交換
ゴミ等によるフロートのつまり フロートの清掃
液体の固着によるつまり フロートの清掃
接点の溶着 リードスイッチの交換

傾斜フロート式

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
スイッチが働かない フロートの穴あき フロート交換
ゴミ等によるフロートひっかかり 障害物除去
接点の溶着 リードスイッチの交換

ボールフロート式

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
スイッチが働かない フロートの破損、腐食 フロート交換
フロートへの固着、堆積 清掃
ノズル、チャンバ内のスラッジ堆積 スラッジ除去
端子部の緩み、接触不良 端子の緩みチェック、再締めこみ
端子までのケーブル断線 ケーブルのチェック、断線の場合にはケーブルの交換、補修
スイッチの故障 スイッチの交換

静電容量式レベル計

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
測定誤差が大きい 検出電極の汚れ 清掃
測定液の変質 スパン調整
その他 検出電極の破損 検出電極の交換
ケーブルの断線 ケーブルの交換
端子ビスの緩み 端子ビスの増し締め

静電容量式レベルスイッチ

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
出力が動作しない 電極に付着物 清掃
測定液の変質 スパン調整
その他 電極の破損 電極の交換
ケーブルの断線 ケーブルの交換
端子ビスの緩み 端子ビスの増し締め

静電容量式近接スイッチ

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
出力が動作しない 電源ノイズ 絶縁トランスの設置
検出部に付着物 清掃
測定液の変質 スパン調整
その他 ケーブルの断線 ケーブルの交換
端子ビスの緩み 端子ビスの増し締め

超音波反射式

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
測定値が異常な値を示している。 タンク内の障害物を検出している。 障害物の影響を受けないところに取り付ける。
タンク壁からの反射エコーの影響を受けている。 壁の影響を受けないところまで距離を離す。
センサがタンク中央など集音しやすい位置に取り付いている。 集音しない位置に設置する。
ノズル内で共鳴している。 ノズル径を大きくする。
センサ全面をノズルより下方へ出す。
測定値に誤差がある。 温度補正が正常に行われていない。 直射日光などにあたらない場所に取り付ける。
ベーパの影響で音速が変化している。 ペーパの対策を防止する。
音速補正を行う
測定できない。 対象物からの反射効率が悪い。 センサの最大計測長に対して余裕のある計測範囲で使用する。

超音波透過式

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
ON/OFF 動作しない。 検出部への付着 付着物を取り除く。
検出部がタンク内に露出していない。 ノズルを短くする。
ロングタイプを使用する。

音叉振動式

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
ON しっぱなし 正しく結線されていない。 正しく結線する。
付着物の影響 付着物を取り除く。
低感度に設定する。
OFF しっぱなし 液体の見かけ比重が小さすぎる。 高感度設定にする。
周辺機器からのタンク振動でセンサが激しく揺れている。 振動の受けない場所に設置する。

差圧式

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
誤差がある。 導圧管内の液体中にガスが溜まる。 ガスを抜く。
導圧管内の気体中にドレンが溜まる。 ドレンを排水する。

レーザー式

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
測定値に誤差がある。 フィルターガラスに結露 清掃
直射日光による受光素子の飽和 直射日光が当たらないように遮蔽板を付ける。
空なのに、測定値がでる。 タンク底からの反射光を受光している。 設置場所を変える。
突然異常な値がでる。 振動などの取り付け角度のずれによるスポットの移動 取り付け角度調整後、増し締め
泡や波立ちによる、乱反射 防波管の設置
電源ノイズ 絶縁トランスを電源につける。

光式

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
出力信号がでない。 ガイドパイプの変形・破損 ガイドパイプの交換
出力信号が変化しない。 ガイドパイプの汚れ・付着 ガイドパイプの洗浄
その他 ケーブルの断線 ケーブルの交換
端子ビスのゆるみ 端子ビスの締め増し

ガイドプローブ式

トラブルの状態 主な原因 メンテナンス方法
アラームがでる。 プローブが外れる。 増し締め
腐食によるプローブ破損 プローブ交換
プローブ根元の直線性が悪い。 不感領域を使っている。 キャリブレーションを実施
ノズル出口を検出している。 ノズルの反射を検出している。 キャリブレーションを実施

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