外観検査の基本
お客様から「どれくらい小さな異物や黒点が検査できるの?」という質問がよくあります。
以下に、画像センサにおける最小検出サイズの考え方の一例をご紹介します。
最小検出サイズは、以下の要素から概算値を算出できます。


対象物を撮像する視野は、使用するレンズによって変更することができます。
つまり、撮像する範囲を10mmにしたり、100mmにすることは、自由に変更できます。
次に、使用するカメラによってCCDの画素数が異なります。標準サイズの31万画素タイプのCCDは縦の画素数が480画素ですが、メガピクセルタイプの200万画素タイプは1200画素あります。
また、500万画素タイプでは2050画素となります。
CCDの最小サイズは1 画素ですが、検出可能な最小画素数は、2画素角は見ておく必要があります。
条件によっては、4画素角くらいで考えるべき場合もあります。ここで、例えば、視野60mmで、200万画素カメラを使った場合で考えてみます。
最小検出画素数は、最も理想的な2画素角とします。
この場合の最小検出サイズは、前項の式にA=1200画素、B=60mm、C=2 画素を代入すると
最小検出サイズ=60×2÷1200=0.1mm
となります。

下表は、カメラの種類と視野サイズの違いによる最小検出サイズの例を一覧にしたものです。
画像センサの最小検出画素サイズを理想値の2画素とします。
| カメラ | CCD画素数(Y方向) | 視野[mm] | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10 | 30 | 50 | 100 | 200 | 500 | ||
| 24万画素 | 480画素 | 0.04 | 0.13 | 0.21 | 0.42 | 0.83 | 2.08 |
| 200万画素 | 1200画素 | 0.02 | 0.05 | 0.08 | 0.17 | 0.33 | 0.83 |
| 500万画素 | 2050画素 | 0.01 | 0.03 | 0.05 | 0.10 | 0.20 | 0.49 |
最小検出画素サイズを4画素角で考えた場合は、上表の2倍になります。
上表の値は、理論値です。検出条件などによって変わります。
次に「どれくらいのスピードで検査できるのか?」について解説します。
検査対象が継続的に流れてきて、カメラの前で一定時間停止して、次の対象物が流れてくる場合について解説します。

例えば、1分間に何個の対象を検査できるか?については、画像センサの処理スピードから算出できます。
1分間の最大検査回数=60(秒)÷画像センサの処理時間(秒)
例)画像センサの処理速度が20msとすると、1分間に最大何回検査できるかについては60秒÷0.02秒=3000回/分と考えらます。(=50回/秒)
画像センサの処理速度は、画像センサ自体の能力や設定内容に依存しますので、実際の対象物で設定を作って確認します。簡単な検査なら20msくらいから100msで処理できます。
逆に、検査スピードの希望値が予め分かっている場合は、以下の式より
画像センサに求められる処理速度
(ms)=1(秒)÷希望検査回数(回/秒)×1000
となります。
シャッター速度について
検査対象がカメラの前で一旦停止せずに流れていく場合は、シャッター速度についても考慮する必要があります。


シャッター速度=希望最小検出異物サイズ÷5÷ライン速度
例えば、連続シートの上の異物を検査する場合、シートは連続的に流れていきます。これをカメラで撮像した場合、シャッター速度(露光時間)がライン速度に対して十分速くないと撮像した映像にブレが生じてしまいます。
そこで、このブレを十分に抑えるためには、検出異物の最小サイズの1/5程度の距離を移動する時間をシャッター速度の目安と考えます。
最大ライン速度について
次に、希望最小検出サイズから検出可能なライン速度を求める方法を解説します。
検出したい最小の異物サイズが決まれば、前頁の考え方より必要な視野が決まります。
視野が決まれば、その視野を画像処理時間内に移動するライン速度が、漏れなく検出できるライン速度となります。
最大ライン速度=撮像視野÷画像処理時間
ここで、画像処理時間は、画像センサの能力と設定内容によって変わりますので、テストにより実測します。
たとえば、希望検出最小サイズ=0.2mm、前頁の表より、200万画素カメラを使用した場合、
撮像視野は、最大100mmまで可能になります。
画像処理時間=50msとすると
最大ライン速度 =100mm÷0.05秒=2000mm/秒
より、2m/秒までなら、検出漏れがないことになります。