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キーエンスを知る:開発最前線 LS-7000
LS-7000 シリーズ バックストーリー:技術者が明かす開発秘話
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外形測定器市場を牽引する、キーエンスのプライド。

それは、未だ誰も試みたことがない商品

FAにおけるキーエンスのレーザー商品は、シェアナンバーワンを誇る。中でも寸法測定器の市場は、1986年にキーエンスが開拓したものだ。しかし、モーターを必要とするレーザー寸法測定器にも課題はあった。もっと高速に、もっと長寿命に。LEDには、その課題をクリアする可能性がある。「どこもかしこも寸法測定器はレーザー。それじゃあ、面白くないじゃないですか」。とLS-7000のプロジェクトマネージャーであった秋柴は笑う。
5年前、LEDを使った寸法測定器への挑戦が始まった。しかしそれは、秋柴の笑顔とは対照的に、絶望的な試練の連続でもあった。

LEDによる外形測定器は、開発可能なのか?

初めて採用するLED。つまり、ノウハウがない。しかも、LEDとCCDによる「シンプルな光学系」という開発コンセプトは、目的に相反することを秋柴に見せつけた。
従来のレーザーに較べると、LEDは暗く、高速化は実現しない。しかも、高精度を求めてメガピクセルのCCDを採用すると、ただでさえ暗いLEDの1画素当たりの光量をさらに減少させてしまう。たくさんの方法を試みたが、うまくいかない。失敗につぐ失敗。希望だと思った緑の光は、ことごとく秋柴の挑戦をしりぞけた。
「もうやめましょう」何度か言われた。秋柴自身がそう言ったこともある。キーエンスの最終的な目標は「売れる商品をつくること」。技術的に困難だったりニーズに対するコストバランスが取れない場合は、開発を中止する。企業として、それは当然の決断だ。
しかし、開発中止が決定することはなかった。

Light the Right、LEDこそ、外形測定器の真の光源

一筋の光が見えた。LEDのパワーアップは既に限界にきていたが、明るさを増幅させる光学デバイスの開発に成功したのだ。これで、投光システムの光量が一気に上がる。最大の難点だった高精度の実現のためには、思い切って分解能の荒いCCDを使い、後は電気処理で対応する方法が検討された。「でも、世の中には、もう高精度のCCDしか生産されていないんです」。そこで登場したのが、「高精度のCCDを荒く使う」という大胆な発想だった。これで、すべての課題に解決の道が与えられた。LEDは、外形測定器の「Light the Right」として歩み出すことができる。

個性派が集まった。一人ひとりにポリシーがあった

商品化に向け、秋柴を含めて6名のチームが組まれた。それは、秋柴が「面白い」と表現するほど、個性派の集まりだった。
秋柴が「光学系のプロ」と信頼を寄せる入社3年目社員。システム設計担当で経験豊富な入社6年目社員。持ち前のセンスの良さで活躍したハード担当者とソフト担当者は、いずれも入社2~3年目。そして、新入社員が1名。「非常なこだわりを持っている人でね。例えば、モニターの文字。“わかりやすく”というテーマに“それは文字がでかいってことですか?”と、業界ナンバーワンの“文字高20mm”っていうのを探し出してきてね。驚きました(笑)」。

チームのこだわりに、市場が応えた

誰もが、「何もそこまで…」というほどのこだわりを持って、仕事に取り組んだ。商品が完成した時、秋柴は言った。それぞれの徹底したこだわりが付加価値を生んだのだから、それを顧客にPRしよう、と。「付加価値を生み出すために自分自身がこだわった部分を挙げてもらいました。商品カタログに載せてもらうためにね。それから、顧客のところに行って生の声を聞きました。自分たちが創り出した商品がどう受け止められているかを、自分自身で確かめられる機会ですから」。 市場の評価は高かった。今、外形測定器にはいろいろな競合商品があるが、「この商品なら絶対勝てる」と営業現場では認識されている。

夢中になって欲しい。だから、いい仕事環境に心を砕く

もう一つ、このチームには特徴があった。集められた全員が、若いだけではなく「外形測定器を創るのは、初めて」だったのだ。プロジェクトマネージャーという立場の秋柴には、あらゆる意味での後輩指導が託されていた。
「我々の頃は、先輩の背中を見ながら仕事をしていました。あの人はすごいな、これは自分にもできそうだ、そんなことを思いながら。だから、若いメンバーにも、私を見て何か感じて欲しいと思った」。
発売から5年たった今も、同じコンセプトの外形測定器は市場に存在しない。秋柴が心血を注ぎ、メンバーが夢中になったLS-7000シリーズは、市場における孤高の商品として、今なお他の追随を許してはいないのだ。
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