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ずっと画像処理システムを担ってきた、ただ一人 |
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| 学生時代の研究テーマは画像処理だった。キーエンスが初めて画像処理システムをリリースした年に入社した。最初の仕事は、その商品の上位機種。以来、一貫して画像処理システムを手がけてきた。いつしかキーエンスの画像処理を最も深く知る者の一人になっていた。そして、XV-1000の開発が始まった。次世代の画像処理システムとなる大きなプロジェクトだ。生嶋にとってさえ初めての技術が、当然のように要求される仕事だった。 |
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新しいスタイル、新しいユーザー、新しいソフトウエア |
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これまでの機種は、汎用品、つまり、特に専門的な知識がないユーザーでも、ある程度のレベルの画像処理が行えるように配慮した商品だった。これからは、より複雑な画像処理を必要とするハイエンドの顧客へもアピールしていきたい。そのためには、過去の実績に捉われるのではなく、全く新しいスタイルの商品を創り出す必要がある。
物件担当者が、海外に飛んだ。キーテクノロジーの芽をつかんだ。新しいプラットホームを創ろう。従来の産業用OSではなく、ウィンドウズベースの画像処理システムを構築するのだ。成功の要は、ソフトだ。
生嶋は、ウィンドウズベースの画像処理ソフトを手がけることになった。 |
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目標をクリアするために、どんな手段も積極的に試す |
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課題は、多かった。キーエンスとして全く新しいシステムに挑戦するのだ。生嶋でさえ、右も左もわからない。過去の文献をかたっぱしからあたった。外部からスペシャリストを招いてセミナーを開いた。開発について意見交換するレビューも頻繁に行った。また、新しいアルゴリズムの研究には専任の担当者を置き、大学との共同研究にも積極的に取り組んだ。
市場調査も必要だった。ハイエンドのユーザーが、本当に求めているものを見極める必要がある。プロトタイプを創って数十件もの顧客をまわり、その中から得た情報を総括し、一つひとつ仕様を決定していった。
画像処理は歴史が古く、先発する競合商品も多い。その中で勝ち抜いていける商品を開発する。そのために打てる手は、すべて打った。 |
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キーエンス、タフなパソコンを開発する |
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ハードウエアにも、苦労があった。ウィンドウズベース、つまり、パソコンと同じものを創らなければならなかった。それも、キーエンスとして初の試みだった。しかも、環境の整ったオフィスではなく、工場等タフな環境でも誤操作しないものを。電気の変動、ノイズ、水や高温にも耐えなければならない。商品にわざとスパークを飛ばしたり、摂氏40度の恒温槽に入れたり、さまざまな検査を繰り返した。「もう、こいつはノイズに弱くて。パシッと音がした途端にリセットされる」。大手メーカーの技術者にも協力を願い、さまざまな対策を試みた。商品化へのハードルは、生嶋はもちろん、どの分野を担当した者にとっても、高かった。
「商品ができた時、思いました。よく完成できたな」と生嶋は笑った。 |
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達成感が確信に変わる。新しい市場が拓けていく |
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| リリースに先立って、社内の営業マンにデモンストレーションを行った。高速性、柔軟性、ユーザビリティ…中でも、処理速度の飛躍的な向上は、全員を唸らせた。新アルゴリズムの成果を確信し、発売後生嶋は、営業マンと一緒に顧客へと足を運んだ。従来機種を受け容れてもらえなかった、ハイエンドのユーザーだった。「これはいいね」。認めてもらえた。自分たちが企画し、模索してきたことは、間違いではなかったと実感し、さらに新しいシステムへと、思いが膨らんだ。 |
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人の目に近づく。「画像処理」の未来を目指す |
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画像処理の理想形は、人間が判断すること全てを機械で判断することだと思う。そう考えると、私たちがクリアしなければいけない課題はまだまだ多い。でも、それをうまくまとめ上げ、解決案を提案できれば、非常に良いもの、顧客に喜んでいただけるものが、できるのではないか。そのための開発を、もっともっとやっていきたい」。
画像処理は、20数年前から研究され、今も発展を続けている分野である。XV-1000の経験は、生嶋を、そしてキーエンスを、その画像処理の最前線へと牽引する大きな力となった。
もっと、人間の判断力に近く。生嶋の挑戦は続く。 |
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