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キーエンスの3Dプリンター導入事例
ニッパツ・メック株式会社様

技術部主任 大下祥生氏(左)/技術部主任 尾﨑大志氏(右)

ニッパツ・メック株式会社

技術部主任 大下祥生氏(左)/技術部主任 尾﨑大志氏(右)

プレジャーボートの制御装置のデザイン性、手へのフィット感、組付などを、
キーエンスの3Dプリンターを使って確認しています

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小型船舶・水上バイク・建設機械等の制御装置を開発・生産

― ニッパツ・メック株式会社の事業をご紹介ください。

当社では、マリンレジャー用および業務用の小型船舶や水上バイクの、制御装置を開発・生産・販売しています。制御装置とは、たとえば次のような装置です。

小型船舶の制御装置の例

当社が開発・生産した制御装置は、国内外の大手メーカーの小型船舶や水上バイクに搭載され、世界中のユーザーに使用されています。

電子リモコン
電子リモコン
カニカルリモコン
カニカルリモコン
ハンディ電子リモコン
ハンディ電子リモコン
油圧ステアリングシステム
油圧ステアリングシステム
プッシュプルケーブル
プッシュプルケーブル
大型車両・建設機械用バルブレバー
大型車両・建設機械用
バルブレバー
フットペダル
フットペダル

自社ブランドだけでなく、OEMでボートメーカーに供給している製品も数多くあります。また、小型船舶向け制御装置で培った技術を活かし、大型車両や建設機械のバルブレバー、フットペダル、ケーブル等の開発・生産・販売も行っています。

製品開発にあたっては、グループ親会社であるNHKニッパツ(日本発条株式会社)の各種試験設備も活用しています。

キーエンスの3Dプリンターを製品開発に活用

― キーエンスの3Dプリンターをどのような用途に活用していますか。

当社では、主に1.「新製品の開発」にキーエンスの3Dプリンターを活用しています。また、2.「イベントへの出展」や3.「治具の制作」にも活用しています。

― まず用途1.「新製品の開発」についてお聞かせください。
キーエンスの3Dプリンターを製品開発のどの段階で活用していますか。

新製品の開発でキーエンスの3Dプリンターを主に活用するのは、3次元CADで形状をある程度作り込み、応力解析を済ませた段階です。

キーエンスの3Dプリンターで出力したサンプルを社内でチェックした後は、必要があれば設計を修正して再度キーエンスの3Dプリンターでサンプルを出力し、納入先に渡して評価してもらいます。

キーエンスの3Dプリンターで出力したサンプルの例

液晶パネルの枠
液晶パネルの枠
水上バイクの前後進切り替えグリップ
水上バイクの前後進
切り替えグリップ

― キーエンスの3Dプリンターで出力したサンプルで、どのような点をチェックしていますか。

主に次の3つの点をチェックしています。

1. 部品の組み付け

たとえば、次のポイントを確認します。

  • ● 可動部品が干渉なく動作するか
  • ● レバーの動きに対してワイヤーハーネスがどう動くか
  • ● 組み立てや分解がしやすいか
  • ● ワイヤーハーネスの通し方に無理はないか

キーエンスの3Dプリンターのモデリング材は半透明なので、筐体の内部で部品がどのように動作するかも確認できます。

2.デザイン性

マリンレジャー用の小型船舶や水上バイクに使われる装置には、高いデザイン性が求められます。3次元CAD上で作り込んだデザインを3Dプリンターで出力して確認することで、デザイン性にさらに磨きをかけられます。

3.手へのフィット感

趣味でプレジャーボートを所有される方々にとって、レバー類の“握り心地”も、大切な価値の一部です。

“握り心地”には「形状」と「素材」の両面がありますが「形状」面での“握り心地”に関してはキーエンスの3Dプリンターを活用し、様々なパターンを出力して入念に比較検討しています。

特に、当社の制御装置が搭載されたプレジャーボートは、アメリカを中心に海外で多く販売されています。平均的な日本人よりも手が大きい方がユーザーになる製品なので、納入先を通じ、手の大きい外国人の方々にもキーエンスの3Dプリンターで出力したサンプルを握ってもらい、手へのフィット感を評価していただいています。

― 用途2.「イベント出展」へのキーエンスの3Dプリンターの活用についてお聞かせください。

展示会や技術発表会などのイベントに出展する試作品にも、キーエンスの3Dプリンターで出力した部品を使用しています。

一般的な模型用塗料で塗装すると、3Dプリンターで出力したとはわからない仕上がりになります。目の細かいサンドペーパーで磨くと無色透明に近くなり、筐体内の組み付けも見てもらえます。

― 用途3.「治具の制作」へのキーエンスの3Dプリンターの活用についてお聞かせください。

治具をキーエンスの3Dプリンターで造形することもあります。

たとえば、ノズル先端付近にゴム製のOリングをはめるための、ノズルにかぶせるコーンキャップ状の治具などを、キーエンスの3Dプリンターで造形しています。

※右は、技術発表会に出展したコントローラ。筐体およびハンドル部をキーエンスの3Dプリンターで出力し、模型用塗料で塗装した。底面は目の細かいサンドペーパーで磨いて透明度を高め、筐体内部の組み付けも見えるようにした。

3Dプリンター導入前は社内のNC工作機械と外注を併用

― キーエンスの3Dプリンターを導入する前は、こうしたサンプルをどのような手段で製作していましたか。

キーエンスの3Dプリンターを導入する前は、社内のNC加工機でケミカルウッドや樹脂を切削して、こうしたサンプルを製作していました。

社内のNC加工機は2.5軸で、アンダーカット形状などの加工は難しかったので、形状の複雑な物については外注していました。外注先は、光造形・注型・切削などを、数量・素材・用途・予算などに応じて適宜使い分けていました。

― 3Dプリンターの導入を検討し始めた背景を教えてください。

納入先のメーカーから、製品開発の納期短縮を強く要請されるようになったことが大きかったです。

製品開発の所要時間の中で、サンプル製作に費やされる時間は、従来かなりの割合を占めていました。当社のシステムですと、3次元CADで設計した形状をNC加工機で造形するには、CAD→モデラー→CAMと、3次元データを2段階にわたって変換する必要があります。

「面はがれ」などの変換エラーが発生した時は、前の工程に戻ってデータを修正する必要があります。NC加工機(2.5軸)への工具・材料のセット(片面ずつ2回)や、加工後の切削クズの清掃にも、時間と手間がかかります。

サンプル製作を外注する場合は、加工指示用の2次元図面を製作する必要がありますし、社内の承認を得るための手続きも必要です。発注してから納品されるまでに、最速でも1週間、通常は2週間程度必要です。

そこで、サンプル製作の所要時間を大幅に短縮する手段として、3Dプリンターの導入を検討し始めました。

3Dプリンターを選定した基準

― 3Dプリンターをどのように選定しましたか。

技術部主任 尾﨑氏

サンプル製作に時間や手間を取られなくなり、本来の開発業務に集中できるようになりました。(技術部主任 尾﨑氏)

主に次の3つの基準で選定しました。

選定基準1.価格

数十万円から数億円まで、さまざまな価格の3Dプリンターを検討しましたが、費用対効果で考えて1千万円以上の3Dプリンターは除外しました。

選定基準2.積層ピッチ

“手へのフィット感”のような微妙な部分のチェックにも使いたかったので、積層ピッチが荒い3Dプリンターも除外しました。

選定基準3.サポート材の除去のしやすさ

サンプル製作にかかる時間の短縮を目的とした導入でしたので、サポート材の除去に手間がかかる3Dプリンターも除外しました。

以上の3点の基準を中心に比較検討した結果、キーエンスの3Dプリンターが基準を最もよく満たしていましたので、採用しました。

サンプル製作にかかっていた時間と手間を大幅削減

― キーエンスの3Dプリンターの導入で、「サンプル製作の所要時間を大幅に短縮する」という目的を
達成できましたか。

はい。サンプル製作の所要時間は、大幅に短縮されました。

キーエンスの3Dプリンターを導入したことで、複雑な形状の部品を含め、開発初期に使うサンプルのほとんどを、キーエンスの3Dプリンターで内製できるようになりました。

NC加工機のように、データ変換や工具・材料のセットや切削クズの清掃に手間を取られることもありません。外注する場合のように、2次元図面の製作や社内承認の申請に手間を取られることもありませんし、納品まで何日も待たされることもありません。

当初は、複雑な形状のサンプルだけをキーエンスの3Dプリンターで出力し、単純な形状のサンプルは従来どおりNC加工機で切削するつもりでいました。しかし実際に使ってみると、出力に取られる作業時間がキーエンスの3DプリンターとNC加工機であまりにも違うため、今ではNC加工機を使う機会がほとんどなくなりました。

頻繁に活用されているぶんコストもかかっていますが、コストに見合うだけのメリットはあると感じています。

キーエンスの3Dプリンター導入によるサンプル製作工程の変化

― サンプル製作にかかる時間と手間が大幅に削減されて、どのようなメリットが得られましたか。

たとえば、次のようなメリットが得られました。

メリット1.開発納期の短縮が可能になった

サンプル製作時間の大幅短縮によって、納品先から要望の強かった「開発納期の短縮」が可能になりました。

メリット2.サンプルを叩き台に、より納得のいく改良ができるようになった

サンプルを見て「ここを変えたい」という箇所が出てきた時に、修正する時間を従来より長く取れるようになったので、より納得のいく改良ができるようになりました。

メリット3.同じ製品についてより多くのバリエーションを比較検討できるようになった

従来よりも微妙なデザイン上の違いを作り分けて検討できるようになり、デザイン性やレバーの握り心地などを、より洗練させられるようになりました。

メリット4.同じ人数で、より多くのプロジェクトを同時進行できるようになった

NC工作機械への工具・材料のセットや清掃、外注する際の2次元図面製作や社内承認手続きなどにあまり時間を取られなくなった結果、本来の開発業務に集中できるようになり、1人で複数の製品開発を進めやすくなりました。

メリット5.納品先との急な打ち合わせにも対応できるようになった

納品先との打ち合わせが急に決まっても、翌日にはサンプルを用意できるようになりました。

便利機能の数々やユーザーインターフェースのわかりやすさも評価

― 実際に使ってみて便利だった機能があれば教えてください。

造形物の姿勢や配置を自動で調整してくれる機能は便利です。

3次元CADソフトで変換したSTLデータに「面はがれ」などのエラーがあっても自動で補正してくれるのも助かります。

出力状況やモデリング材・サポート材の残量をリモートのパソコンのブラウザで確認できる機能や、出力完了やモデリング材・サポート材の残量切れをメールで通知してくれる機能も、よく活用しています。

― 他に、使い勝手について評価されている点があれば教えてください。

ユーザーインターフェースが日本語なのも、わかりやすくていいですね。これは私たちが検討した他の3Dプリンターにはない特長でした。

技術部主任 大下氏

より納得のいくデザインを追求できるようになりました。
(技術部主任 大下氏)

― 最後に、キーエンスのサポート体制への評価を
お聞かせください。

3Dプリンターの購入を検討していた時、デモ機などでの説明が一番ていねいでわかりやすかったのがキーエンスでした。

購入後も、モデリング材の塗装の仕方や透明度の高め方など様々な情報を提供してくれて、いつも助かっています。今後もよろしくお願いします。

便利機能の数々やユーザーインターフェースのわかりやすさも評価

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