3Dプリンタと解析ソフト3Dプリンタを取り入れたツールの使い分け
3Dプリンタの場合
3Dプリンタの最大のメリットは、試したいタイミングで実物モデルが製作できることです。従来の切削加工では製作期間がかかるため、試作品製作の頻度を上げるには限度がありました。また、外部に依頼をする必要がある場合には、発注手続きの手間を省くため、実物モデルは無しで評価をする方向になりがちでした。
しかし、3Dプリンタなら社内に導入して手軽に使えて、モデルを製作した上で評価ができます。他の開発関係者との意思疎通もスムーズにできます。それにより「手戻り」の削減ができます。図面や3D CADの図面のみでは分かりづらい大きさや操作性、組み付け性などを直感的に理解できるのも特長です。
開発関係者同士のコミュニケーションが円滑になり、より質の高いアイディアを数多く生み出すことにつながります。
ポイント
- 社内に導入して手軽に使える
- モデル製作した上でやり取り可能
- 「手戻り」が削減できる
- 大きさ/操作性/組み付け性が直感的に理解できる
用途事例
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デザイン確認
手に取って使用する製品なら、造形して手で感触を確かめてデザインできます。後の工程でのやり直しを最小にします。
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組み付け確認
筐体に基盤やコネクタを組み付けして、ハーネスや部品の干渉を確認できます。小型化がもとめられる検証で役立ちます。
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金型試作
金型を製作する際に図面や画面では伝わらない形状をきっちり伝えられるので、「型」の修正を最小限に抑えます。
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機能確認
理論通りの性能を持つかを、コイルを巻いて簡易評価できます。当たりを付けて最終試作できると試作コストが下げられます。
3Dプリンタでの評価が有効な事例
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CASE 01パソコン筐体設計の放熱性検証
検証内容- (1)ファンの選定と冷却効率の高い筐体設計
- (2)埃の吸引による冷却効率の変化
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CASE 02タンク構造設計のオイル挙動検証
検証内容- (1)オイル粘度の変化によるセパレータの構造設計
- (2)気泡の混入時の挙動確認
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CASE 03ミニチュアモデルを利用した風洞実験
検証内容- (1)ミニチュアによる簡易評価
- (2)複数モデルによる最適化
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CASE 04電化製品のハーネス取り回し検証
検証内容- (1)筐体と部品の干渉確認
- (2)ハーネスの長さと取り回しの最適化