設置編

レーザーマーカーを設置する際の注意事項や安全に関する素朴な疑問も解決。使用前に気になる項目を"設置編"で完全網羅。

設置編vol.1

Q25. 安全対策はどんなものが必要ですか?

安全対策としては「製造上の要件」「使用者側の指針」に大別されます。
ここでは「使用者側の指針」の代表例を記載します。

1リモートインターロックの使用
非常時等にレーザー放射を停止させるためのインターロック機構を設置してください。
2ビーム光路の終端
レーザー光路を適切な反射率と熱特性をもつ拡散反射体、または吸収体によって終端してください。(例:保護カバーの設置など)
3目の保護
レーザー製品を設置している管理区域内では、万一目がレーザーの誤照射を受ける場合を想定して保護眼鏡の着用を習慣としてください。またメンテナンス時は必ず着用してください。
4レーザー安全管理者の任命
レーザー製品の取り扱いおよびレーザー放射による障害防止の知識と経験を有する管理者を任命し、安全管理を徹底してください。

Q26. レーザーマーカーの保護カバーはどんなものが必要ですか?

基本的な考えかたとしては、「対象のレーザー光を透過させない材質を使用する」ことが前提です。ここでいう透過させないというのは「レーザー光がClass1レベルまで減衰する」ことを指します。一般的にCO2レーザー(30Wクラス)の場合はアクリルやポリカーボネイトが使用され、YAG・YVO4レーザーの場合には金属板が使用されます。また、金属板ですべて囲ってしまうと内部が確認できないため一部に専用の保護フィルムを使用して内部状態確認用のウィンドウとして使用するケースがあります。

レーザーウィンドウ
レーザーウィンドウ

以下にCO2レーザーマーカーの代表例を記載します。

アクリル板のCO2レーザー透過について

レーザー機器を覆うカバーの材質選定の基準について

対象ワークで拡散および反射したレーザーの透過光がクラス1で規定されるAEL※以下であれば本質的に安全と判断できます。CO2レーザー(波長10.6μm)の場合クラス1のAELは、「103W・m-2」になります。

AEL:許される最大被ばく放出レベル、すなわち被ばく放出限界(Accessible Emission Limit)のこと

クラス1に基づく、アクリル板の厚みの理論値(代表例)
レーザー媒体 CO2レーザー
波長 10.6μm
最大出力 80W
スポット径 約φ60μm(ML-Zシリーズの場合)
スポット面積 2.82×10-9m2…約φ60μm(ML-Zシリーズの場合)
アクリル板のCO2透過率 60%(厚さ15μm場合)
IECによるクラス分けと要求事項の要約

理論上、アクリル板の厚みが508μmでクラス1まで減衰します。また、耐久性や加工性を考慮し厚さ5mm以上を推奨します。

Q27. 保護カバーが無い場合はどれくらい離れたら安全ですか?

このテーマについては、まず「MPE」と「NOHD」について知っていただく必要があります。

MPEとNOHDについて
レーザー光が眼に入ったり、皮膚に当たった時に許容可能な安全レベルを「最大許容露光量」(「MPE」と呼ばれる)といいます。また放射されたレーザー光がMPEを下回るレベル(安全とされるレベル)に拡散するまでの距離を「公称眼障害距離」(NOHD)と呼びます。

つまり、今回の質問は「NOHD」を教えてくださいという質問とイコールです。

注意事項
公称眼障害距離はあくまでも管理用の指標として用いてください。JIS規格では、「いかなる場合においてもレーザー放射に対する被爆はできるだけ低くしなければならない」と記載されています。この距離以上離れたら保護カバー無しでも良いということではありません。

公称眼障害距離(NOHD)

CO2レーザーマーカー
ML-Zシリーズ
標準 ワイドエリア 細線
ML-Z9610 ML-Z9620 ML-Z9650
約4.9m 約6.8m 約2.0m
YAG(YVO4)レーザーマーカー
MD-Xシリーズ
標準 ワイドエリア 細線
MD-X1000 MD-X1020 MD-X1050
約40.4m 約63.9m 約18.8m

Q28. レーザー保護フィルムはアクリル板の内側と外側どちらに貼った方が良いのでしょうか?

これは、YAG/YVO4レーザー等を使用する際に、金属カバーの一部にアクリル板を入れて保護フィルムを貼りたいというユーザ様から頂いた質問です。

アクリル板に遮光フィルムを貼る場合に1と2のどちらから貼ったほうが良いのでしょうか?

レーザーマーカーの原理(図示)
レーザーマーカーの原理(図示)

答えは、「どちらでもOK」ですが、推奨は2(内側から)です。保護カバーの外にレーザー光が放射されないことが目的なので、1と2のどちらでも目的は達成できます。但し外側から貼ると、透明板に入射した光が錯乱することがあるので問題なければ内側から貼っていただくことを推奨しております。

Q29. レーザーのパワーを測定したいのですが・・・。

レーザーのパワーを測定する場合は、市販されている「パワーメータ」を使用します。設備を停止して、ヘッド部分にレーザー光を照射することで現在の出力値を知ることができます。尚、当社のYVO4レーザマーカ「MD-V9900」シリーズについては、標準で内部にパワーモニタを内蔵しているため、外部機器を購入することなく簡単且つ正確にレーザー出力を測定することが可能です。定期的に測定してパワーの補正をすることで、より一層安定して均一なマーキングが可能です。

当社ではパワーメータの販売はしておりません。予めご了承ください。

一般的なレーザーパワー測定法

一般的なレーザーパワー測定法

パワーメータ(市販品)を使用してレーザーの出力測定を行います。

MD-X1000(パワーモニタ内蔵)の場合

MD-X1000(パワーモニタ内蔵)の場合

ヘッドにパワーモニタを内蔵しているため、外部へレーザーを照射することなく簡単に測定可能です。
またソフト上から操作できるため、設備のカバーを開ける必要がありません。

Q30. 日常のメンテナンスは何が必要ですか?

「メンテナンスフリー」がレーザーマーカーの大きな特徴です。なので特にメンテナンスは必要ありません。但し、レンズ面が汚れてくると印字出力の低下や印字欠けを引き起こす原因となりますのでレンズのクリーニングをしてください。

メンテナンスフリー

Q31. レンズのクリーニングはどのように行なえば良いですか?

アセトン若しくは無水エタノールを使用して柔らかく拭く

アセトン若しくは無水エタノールを使用して、柔らかく拭いてください。その際には中心から円を描くように拭き上げると効果的です。また、乾いた布で直接拭くとレンズに傷がついたり保護コーティングが剥がれる恐れがあります。

設置編vol.2

Q32. 設置例を教えてください。

以下に代表的な設置例を紹介します。

あくまでも一例です。

設置上の注意点

印字したときに発生する、塵や煙を吸い取る集塵機を必ず設置してください。また、効率のよい集塵とレーザーの反射光などをふせぐために、レーザーを透過しない材質でレーザーの光路を可能な限り囲ってください。
また、ワークがない場合にレーザー光が漏れないように、レーザー光路を終端するようにしてください。

レーザーマーカー設置例

レーザーマーカー設置例

保護囲い

レーザーマーカー運転時にレーザーマーカーの周りやレーザー管理区域への入場者へ不用意な反射光が照射しないように、その反射光を遮る適切な反射率と熱特性を持つ材質でレーザーマーカーのヘッド部に保護囲いを設置してください。

Q33. 集塵装置は必要ですか?

必ず設置してください。レーザーマーキングすると、煙や塵が発生します。レンズに煙や塵が付着すると印字欠けやカスレなどの悪影響を及ぼします。また樹脂をマーキングするとガスが発生するケースもあるため、必ず集塵装置を設置して頂いております。設置例については、Q32をご参照ください。

Q34. 設備に警告標識を貼りたいのですが・・・。

レーザー警告ラベルは、下記より購入可能です。サイズなどにより、型式が変わります。適切なサイズのものをご指定ください。

警告ラベル
警告ラベル
レーザー管理区域ラベル
レーザー管理区域ラベル
【問い合わせ先】
アズワン株式会社
連絡先:フリーダイヤル 0120-700-875
品名 :レーザー関係標識板 89-237-01
サイズにより型式が変わります。適切なサイズをご確認ください。

また、レーザー製品が設置された場所の入口に警告標識を掲示して、関係者および部外者に対して注意を払ってください。

尚、レーザーマーカーヘッドには警告ラベルが貼られた状態で出荷しています。CO2レーザマーカML-Zシリーズの例を記載します。

CO2レーザマーカML-Zシリーズの例
CO2レーザマーカML-Zシリーズの例

2種のラベルがヘッドに貼付してあります。

Q35. 外部機器から印字内容を制御することができますか?

可能です。PC またはPLCよりシリアル通信にてコマンド送信することで、レーザーマーカーを制御することが出来ます。「文字列変更コマンド」・「設定切り替えコマンド」などを含め、編集ソフト上で出来るすべての作業を通信で指示することが可能です。

これにより、

  • 検査機からの測定データを切り換えながら2次元コード印字
  • パレット上の特定の製品だけ座標を指定してNG マーク印字
  • バーコードを読んで品種の切り替え

などが行なえます。

(例)バーコード照合

本体登録データとバーコードで読み取ったデータを照合し、設定番号の切替がプログラムなしで可能です。印字ミスを防止します。

レーザハンディ バーコードリーダ BLシリーズ
レーザハンディ バーコードリーダ BLシリーズ

Q36. 通信のインターフェースを教えてください。

外部機器とのケーブル配線を変えることで、RS-232CとRS-422Aの何れかを選択して通信させることが可能です。配線にはシールドケーブルを使用してください。

Q37. 通信制御が上手くいかないのですが、どこが悪いのかわかりません。

これは非常によくある質問です。
機器側の設定の問題なのか、通信プログラムの問題なのかを特定した上で対処していかなくてはなりません。そんな時、当社のレーザーマーカーには非常に便利な機能が搭載されています。その名も「通信履歴モニタ」機能です。通信コマンドのやり取りを記録として残すことが出来る機能で、テキストファイル形式で保存が可能なため、当社へメールで送信いただくことで原因追及がスピーディ且つ正確に行なえます。

通信履歴モニタ(参考画面)

外部(PCやプログラマブルコントローラ)からRS-232Cインターフェースで通信を行ったときの通信履歴を表示できます。

  • 通信が正常に行えないときのトラブルシューティングとして使えます。
  • 実際に送信したデータと受信したデータをモニタで確認することによって、正しいデータが送られているか検証できます。
通信履歴モニタ(参考画面)

Q38. 通信制御を使用しないで、I/Oだけで制御できますか?

十分可能です。コンローラ背面にセンサやPLC、制御機器と接続する端子台とMILコネクタがあります。あらかじめ印字内容の設定を登録しておけば、I/O端子から品種の切り替えが行なえます。ランクに応じて値を切り換える「ランク印字」なども備えているため、I/O端子だけでも幅広い制御が可能です。また、端子台は上下のロックを外して取り外すことができます。

コンローラ背面にセンサやPLC、制御機器と接続する端子台とMILコネクタがあります。

Q39. I/O端子はどのようなものが使えますか?

以下に代表例を記載します。

記載している以外にも多数ございます。詳しくはご相談・お問い合わせフォームよりお問い合せください。

印字開始入力

印字を開始します。
センサなどから印字開始信号をONします。(最小パルス幅1ms以上)

緊急停止入力

緊急時にレーザー放射を停止します。
この端子を開放すると、印字に関するすべての動作が停止状態(レーザー電源OFF)になり、内部シャッタを閉じます。

印字確認入力

印字が正常に行なわれているか検出します。
外部センサなどでレーザー放射を検出させ、その出力を入力することで、印字中に外部センサからの入力がないときエラーを出力します。

印字完了出力

印字動作が正常に終了した時点でパルス出力されます。(最大100ms)
出力中に次のトリガが入力されるとその時点でOFFします。

カウンタUP入力

選択したカウンタを1ステップ分カウントアップします。

設定番号確定入力

別途、設定番号入力にて指定した番号を確定させて品種の切り替えを行います。設定番号の入力には11個の端子を使用して最大2000品種を切り換えます。

設置編vol.3

Q40. 外部機器の接続はどのようにすれば良いでしょうか?

以下に代表的な設置例およびシステム構成例を紹介します。

システム構成例

システム構成例

外部機器との接続

外部機器との接続

Q41. タイミング用センサの接続方法について教えてください。

入出力は、NPNとPNPの両方に対応しており、混在して使用することができます。

NPN 出力センサ接続例
NPN 出力センサ接続例
PNP 出力センサ接続例
PNP 出力センサ接続例

最適なセンサの選定についてはご相談・お問い合わせフォームよりお問い合せください。

Q42. 設備に振動があると、レーザーマーカーの印字に影響しますか?

レーザーマーカーは精密な光学制御をしています。

そのため印字中に振動がのると、

  • 印字座標がズレる
  • 文字が乱れる

などの現象を引き起こします。

周辺の振動がレーザーマーカーにも影響を及ぼしている場合には、防振台などを使用して振動対策をしてください。

振動がのると、印字座標ズレが発生
振動がのると、印字座標ズレが発生

Q43. 下から上向きにマーキングしても問題ないですか?

問題ありません。当社のレーザーマーカーは、全方向ヘッド取りつけ可能です。

レーザー光の終端は必ず保護カバーなどで終端させるようにしてください。

問題ありません。当社のレーザーマーカーは、全方向ヘッド取りつけ可能です。

Q44. レーザーマーカーは200V電源電圧でも使用可能ですか?

もちろん可能です。AC100-120V /200-240Vに対応していますので、海外でもそのまま使えます。

もちろん可能です。AC100-120V /200-240Vに対応していますので、海外でもそのまま使えます。

機器の電源仕様にあった定格ケーブルで配線してください。

Q45. 保護カバーを開けた時はレーザーが発振しないようにしたいのですが・・・。

リモートインターロックを使用してください。シャッタ制御の端子を使用することで、カバーを開けた時はシャッタが閉まりレーザー光の走査を停止させることができます。以下に詳細な使用方法を記載します。

リモートインターロック(シャッタ制御入力端子を搭載)

レーザーの外部で、レーザー放射の放出を停止する機能で、コネクタのピン間を解放すればレーザーを停止します。シャッタ制御入力は、A端子とB端子の2回路で制御されます。どちらか一方を開放すると、シャッタが閉まり、レーザー光の走査が停止します。

両端が共に短絡すると、シャッタが開き、レーザー光の走査が可能な状態になります。

出荷時はショートバーで短縮されています。

リモートインターロック(シャッタ制御入力端子を搭載)
ML-Zシリーズ
ML-Zシリーズ
MD-Xシリーズ
MD-Xシリーズ

ML-Zシリーズ/MD-Fシリーズ/MD-Xシリーズでは、レーザー制御入力端子(10番端子)の2回路で制御されます。

Q46. レーザーマーカーを他工場に移設したいのですが、梱包の注意点はありますか?

レーザーマーカーは超精密機器です。
輸送時には必ずメーカ指定の専用梱包箱をご使用ください。

キーエンス

Q47. 空冷用のフィルタが汚れてきましたが、交換した方が良いですか?

エアフィルタが汚れてきたら、清掃もしくは交換してください。
放置すると空冷の効率が悪くなりレーザー出力の低下や破損の原因になります。

エアフィルタが汚れてきたら、清掃もしくは交換してください。

エアフィルタの清掃については、中性洗剤を使用して日陰で自然乾燥してください。

保守部品一覧

エアフィルタ (OP-80107)
[役割]
空冷ユニットへの防塵
[交換目安]
フィルタにチリやホコリが付いたり汚れたとき、その都度交換または清掃してください。
破れなどがあるときは交換してください。
タイムラグヒューズ※1 (定格250V15A)
[役割]
国内・FDA仕様コントローラ用ヒューズ
[交換目安]
溶断時に交換
  • CEマーキング適合機種(ML-Zシリーズ)の場合は、以下の定格を満たし、かつ欧州規格適合品であるヒューズをご使用ください。

定格:250V 10A EN60127-2適合品

メーカ例:TLC10AN4(定格250V10A)エス・オー・シー(株)

コイン型リチウム電池 CR2032
[役割]
内部時計用電池
[交換目安]
電池寿命警告発生時に交換してください。

基礎知識編vol.4

Q48. レーザーがキチンと照射されたかどうかを確認したいのですが・・・。

以下にそれぞれの機種についての回答を記載します。

MD-Xシリーズ

ヘッド内部に標準で「パワーモニタ」を内蔵しているため、一回の印字ごとに印字エネルギーを測定可能です。あらかじめ印字エネルギーの閾値を設定しておけば、万が一閾値を下回ったエネルギーで印字がされた時に、アラームを外部出力させることができます。これにより外部機器が不要で簡単且つ確実な確認を実現します。

MD-Xシリーズ

CO2レーザ ML-Zシリーズ

一番簡単にレーザー照射を確認する方法は、デジタル放射温度センサ「FTシリーズ」をご使用いただくことをお奨めします。このセンサの「IRモード」を使用することで、CO2レーザーの波長である10.6μmの赤外線を検出することができます。サーモパイルで受光した赤外線の受光量をデジタル表示可能なため、レーザー照射部分を検知させることでレーザーが照射されているかどうかをセンサ感覚で簡単に判別することができます。

デジタル放射温度センサ FTシリーズ
デジタル放射温度センサ FTシリーズ

Q49. 文字がキチンと書けたかどうか確認したいのですが・・・。

当社のMD-Xシリーズでは印字確認機能を搭載しています。
レーザーマーカーのヘッド内に搭載された内蔵カメラで印字前後の状態を撮影。
ソフト上で設定されている文字の形と、実際に印字された文字の形を比較することで、印字欠けや乱れをレーザーマーカー単体で検出することが可能です。

NG

Q50. 海外工場でレーザーマーカーを使用したいのですが、可能ですか?

十分可能です。当社のレーザーマーカーは各種海外規格に対応したランナップを充実させていますので国内ラインを海外工場へ展開する際にもスムーズに行なえます。また世界各地に営業拠点があるため、サポートもスムーズで安心してご使用いただくことができます。

FDA・CE マーキングに対応

海外対応機種の型式・詳細につきましてはご相談・お問い合わせフォームよりお問い合せください。

海外のレーザー規格「IEC60825-1」について

IEC60825-1は、レーザー製品の安全性を規定するIEC規格です。IECでの規格制定委員会により、2001年にクラス基準およびクラス判定基準が改正されています。この改正により、クラス1M、クラス2Mおよびクラス3Rというクラスが新設されています。なお、レーザーの安全基準に関するJIS規格(JIS C6802)も、この改正に伴い2005年1月に改正されています。従って、レーザークラス基準もIEC規格と整合されています。

IECレーザークラス分類
レーザークラス
クラスの位置付け
Class 1
通常の操作条件(合理的に予見可能な操作条件)の下で、安全なレーザーとみなされています。
Class 1M
波長範囲302.5~4000nmのレーザー光で、光学機器を用いて直接レーザー光を観察することは潜在的に危険であるとみなされています。レーザーの放射レベルはClass 1と同基準です。
Class 2
波長範囲400~700nmのレーザー光で、通常の目の嫌悪反応(瞬き)により十分目の保護がなされる可視レーザー光が分類されるクラスです。
Class 2M
波長範囲400~700nmのレーザー光で、Class2と同様、通常の目の嫌悪反応(瞬き)により十分目の保護がなされる可視レーザー光が分類されるクラスです。ただし、光学機器を用いて直接レーザー光を観察することは潜在的に危険であるとみなされています。
Class 3R
302.5nm~10nmの波長範囲のレーザー光で、直接ビームを見ることが潜在的に危険であるとみなされています。
Class 3B
直接レーザー光を見ること自体が常に危険であるとみなされています。ただし、拡散反射光に関しては通常安全であるとみなされています。
Class 4
一時的であっても、直接ビーム光を皮膚や目にさらすことが危険とみなされているだけではなく、拡散反射光であっても、皮膚や目に障害をもたらすとみなされている。火災を引き起こす原因になると考えられています。
IEC構造要求事項
1.保護筐体
保護筐体とは、一般に製品の筐体を意味します。内部のレーザー光が外部に漏れないようにするための筐体(開口部を除く)であり、機械的強度を十分に維持できるものでなければなりません。
2.アクセスパネルおよびセーフティインターロック
アクセスパネルとは、カバーやドアなどの保護筐体の一部のことで、取り除いたり移動したりすると作業者がレーザー光にさらされることになります。セーフティインターロックとは、アクセスパネルに設置されなければならない安全保護装置のことで、作業者が操作中又はメンテナンス中にアクセスパネルを開放する構造になっている場合に、作業者が内部のレーザー光にさらされることを防止することを目的としています。
3.リモートインターロックコネクタ
リモートインターロックコネクタの機能は、コネクタのターミナルが開放された場合に放射されるレーザー光が、クラス1M又はクラス2Mを越えないように制御する機能です。
4.キーコントロール
キーコントロールの機能は、キーが「ON」の位置にあるときのみレーザーが放射される機能です。従って、キーが「ON」以外の位置にあるときには、レーザーは放射されません。キーが取り外しできるのは、キーが「OFF」の位置にあるときだけです。
5.レーザー放射警告灯
レーザー放射警告灯の機能とは、レーザー製品からレーザーが放射される可能性が有る、或いは既にレーザー放射がなされていることを視覚的又は聴覚的手段で作業者に知らせる機能です。視覚的手段の場合、保護めがねを通しても認識可能でなければなりません。
6.ビームしゃ断器
ビームしゃ断器の機能とは、レーザー製品から放射されるレーザー光をしゃ断する機能です。この機能は、レーザー製品の主電源スイッチやキーコントロールとは別に、単独で設置されなければなりません。
7.制御部
レーザー製品の調整および操作のための制御部が、レーザー製品を操作する作業者がレーザー放射に直接さらされることがない位置に存在していることを意味しています。作業者がレーザー製品を操作する際に、レーザー放射にさらされなければ操作できないということを避けることを目的としています。
8.スキャニングセーフガード
スキャニングセーフガードの機能とは、走査系を有するレーザー製品のレーザー走査が故障した場合に、例えばレーザー走査を停止するなど、当該クラスのAELを越えないように制御する機能です。
9.警告ラベル/説明ラベル/開口ラベル

スキャニングセーフガードの機能とは、走査系を有するレーザー製品のレーザー走査が故障した場合に、例えばレーザー走査を停止するなど、当該クラスのAELを越えないように制御する機能です。

警告ラベル/説明ラベル/開口ラベル

IECクラス別構造要件[レーザー製品の製造者に対する要求事項]

 
保護筐体
アクセスパネル及びセーフティインターロック※1
リモートインターロックコネクタ
キーコントロール
レーザー放射警告灯
ビーム遮断機
制御部
スキャニングセーフガード※2
警告ラベル
証明ラベル
開口ラベル
アクセスパネルラベル※3
  Class 1 Class 1M Class 2 Class 3M Class 3R Class 3B Class 4
保護筐体
アクセスパネル及びセーフティインターロック※1
リモートインターロックコネクタ - - - - -
キーコントロール - - - - -
レーザー放射警告灯 - - - -
ビーム遮断機 - - - - -
制御部
スキャニングセーフガード※2
警告ラベル - -
証明ラベル - -
開口ラベル - - - -
アクセスパネルラベル※3
  • 保護筐体が取外し又は移動できない構造であれば、セーフティインターロックを設けなくても問題ありません。
  • 走査系を有するレーザー製品であれば、レーザークラスに関係なく要求される構造要件です。
  • アクセスパネルを設けている(つまり保護筐体を開放することができる)製品で、開放された時に内部から放射されるレーザー光がClass 1を越える場合に要求されるラベルです。

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