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マイクロスコープ

深い被写界深度、長い観察距離、凹凸面や立体物もクリアな画像で観察できるマイクロスコープ。SEMに迫る精細観察をフルコントロールシステムで実現したモデルをはじめ、利用頻度の高い機能を搭載したエントリーモデルをラインナップ。マイクロスコープの性能を極限まで引き出す専用レンズもご用意しています。

マイクロスコープ

商品ラインナップ

生産終了品

デジタルマイクロスコープ

  • クラス最高解像度4K CMOSと4K対応レンズに加え、いままで見えていなかった細かい凹凸も鮮明に観察できるディープコントラスト機能を搭載しました。フルコントロールシステムで誰でも直感操作が可能。瞬時に違いを自動判別する外観チェッカーや、従来比9倍の解析範囲を誇る300mm大型ステージ、金属顕微鏡対応の高解像度レボルバーレンズなど、多様なカスタマイズであらゆる解析業務に対応する全く新しい顕微鏡システムです。

    VHX-X1 シリーズ - デジタルマイクロスコープ
  • VHXシリーズのコア機能である「観る・録る・測る」を1台に集約。利用頻度の高い機能をシンプルな操作で実現したエントリーモデルです。光学顕微鏡に比べて20倍以上の深い被写界深度を実現。自由なアングルで見逃しのない正確な観察が可能です。また、エントリーモデルながらも凹凸のある対象物もピントが合った観察を実現する深度合成&3D表示機能、照明切換え機構など、デジタルマイクロスコープならではの拡大観察に便利な機能も搭載しています。ステージや追加ソフトの組み合わせによって、ご用途に合わせた仕様を選択いただけます。

    VHX-XF シリーズ - デジタルマイクロスコープ
  • SEMに迫る史上最高の精細さと、誰でも高精細画像が撮影できるフルコントロールシステムを搭載。専用設計の高解像度HRレンズと4K CMOS、高機能照明で構成されるOpt-SEMは、カラーでの観察や多方向照明変位解析が可能。電動レボルバによる20~6000倍までシームレスな倍率操作は、ストレスフリーな観察環境を提供します。シリーズ最高の画質を手軽な操作で実現する、超高精細4Kマイクロスコープです。

    VHX-7000 シリーズ - デジタルマイクロスコープ
  • 「観る・録る・測る」を1台に集約。利用頻度の高い機能をシンプルな操作で実現したエントリーモデルです。光学顕微鏡に比べて20倍以上の深い被写界深度、自由なアングルで観察できるフリーアングル観察など、マイクロスコープの基本性能を余すことなく搭載。また、エントリーモデルながらも凹凸のある対象物もピントが合った観察を実現する深度合成&3D表示機能、照明切換え機構など、デジタルマイクロスコープならではの拡大観察に便利な機能を搭載しています。

    VHX-F シリーズ - デジタルマイクロスコープ

生産終了品

レンズ(デジタルマイクロスコープ用)

生産終了品

一般的に「光学顕微鏡」と呼ばれる顕微鏡は接眼レンズを覗いて肉眼で観察する光学式顕微鏡を指します。
一方、マイクロスコープ(デジタル顕微鏡)には接眼レンズが無く、代わりにカメラを搭載してモニタに拡大像を写し出します。
肉眼で観察する顕微鏡とは異なり、モニタ上で観察できるので、「複数の人が同時に観察でき、情報共有がはかりやすい」という点がマイクロスコープの利点の一つでもあります。

マイクロスコープは本体だけでなく、さまざまなレンズ・照明・スタンドがあり、その選定を誤ると最適な観察画像や解析結果を得ることができません。 マイクロスコープを選ぶ際は、観察したい対象物に合わせた最適な機能・仕様をチェックしておくことが重要です。

マイクロスコープのメリット1:被写界深度の深さ

一般的な光学顕微鏡に比べ、マイクロスコープは被写界深度が深いという利点があります。
被写界深度とは、レンズで立体物を写したときのピントの合う幅をいいます。
被写界深度(ピントの合う幅)が深いと、凹凸のある対象物を観察してもピントの合う範囲が広いので観察しやすく、正確に素早く全体を観察できるというメリットがあります。

マイクロスコープのメリット2:観察距離の長さ

マイクロスコープの利点として「観察距離が長い」という特長があります。
観察距離とは、ワーキングディスタンス(WD)ともいい、レンズ部の先端(照明アダプタなどを含む)から対象物までの距離のことをいいます。
観察距離が長ければ、その分、対象物の奥まった箇所を観察でき、レンズを傾けて観察する場合でも、レンズが対象物やステージ面にぶつかることなく観察することができます。

マイクロスコープのメリット3:ピント調整の手軽さ

光学式顕微鏡の多くはレンズの交換・倍率の変更にレボルバ方式を採用しています。レボルバ方式…固定レンズを何本か取り付け、回転によってレンズを切り替える方式
一方、マイクロスコープはズームレンズを採用したものが一般的です。ズームレンズはズームリングを回転するだけでレンズ倍率を変更できます。レボルバ方式はレンズごとに観察距離が違うと倍率を変更する度に、視野合わせやピント調整が必要となります。

マイクロスコープの業界別導入事例

自動車・航空関連業界

自動車部品のコンタミ測定・解析や工具の摩耗・寿命の管理と評価の定量化など事例をご紹介

電子デバイス業界

実装基板・電子部品の故障解析、めっき不良の種類・原因と観察・評価の課題解決など事例をご紹介

医療・医薬・化粧品業界

医療機器の測定・検査による品質管理・保証や皮膚や毛髪の観察・測定・評価など事例をご紹介

化学・材料・素材業界

溶接部の溶け込みの組織観察や高機能な多層フィルム、プリンターの印刷品質や構成部品の観察・解析など事例をご紹介

Q.
マイクロスコープと実体顕微鏡の違いとは?
A.
マイクロスコープは、高精度なデジタルカメラを搭載し、観察対象をモニターに映し出して観察します。一方、実体顕微鏡は、左右の目に対応する2つの接眼レンズを搭載し、接眼レンズに映る画像を観察します。倍率は、マイクロスコープは数十倍~数千倍、実体顕微鏡は十倍~数十倍です。また、実体顕微鏡は観察者の目幅や視度など個人ごとの調整が必要です。
一般に、マイクロスコープは長時間の観察や、位置決めや寸法測定に向いていています。また、HDDへの画像の保存やツールによる画像処理、画像解析などが可能です。一方、実体顕微鏡は広視野・長作動距離であるため、精密部品の組み立てや検査、解剖・細胞操作などに用いられます。
Q.
キーエンスのデジタルマイクロスコープの特長とは?
A.
キーエンスは、20年以上にわたってデジタルマイクスコープを製作し続けています。お客様からのフィードバックを都度生かして次世代の製品を生み出し、常にユーザーの問題解決を促進する製品を提供しています。VHXシリーズのデジタルマイクロスコープは、従来の光学顕微鏡の短所である被写界深度の浅さ、観察距離の短さ、可搬性と汎用性の問題、サンプルの制限などを補うように設計されました。
Q.
デジタルマイクロスコープは何のために使うのですか?
A.
デジタルマイクロスコープは、ほぼすべての大きさの試料を観察、検査、解析するために使用されています。光学顕微鏡やSEMではニーズに対応できない場合のソリューションとして、デジタルマイクロスコープが使用されることもよくあります。電子機器や医療機器、材質研究、自動車など、幅広い産業で3Dデジタルマイクロスコープが使用されています。各産業の用途について、詳しくは「用途例」のページでご覧いただけます。
Q.
最高のデジタルマイクロスコープとは何ですか?
A.
キーエンスのデジタルマイクロスコープは市場のベストソリューションであり続けています。20年以上前にデジタルマイクロスコープを初めて開発したキーエンスは、お客様から直接いただくご意見を、その後の世代の科学分野向けデジタルマイクロスコープに反映してきました。そのような取り組みを続けてきたからこそ、キーエンスは常に最前線でお客様が実際に直面する問題を解決する製品を提供できるのです。
Q.
顕微鏡にはどのような種類がありますか?
A.
一般的に使用されている顕微鏡として、デジタルマイクロスコープや複合マイクロスコープ、ステレオスコープ、金属顕微鏡、偏光顕微鏡などがあります。デジタルマイクロスコープ以外の顕微鏡には、それぞれ特殊な用途があるのに対し、デジタルマイクロスコープは、それらの機能を1台の顕微鏡に集約することで、処理能力の高速化とワークフローの効率化を実現しています。

金属破断面の解析

破断面など、3次元物体の特徴を一つひとつ観察する場合、何度もピントを合わせる必要があるため、解析に時間がかかることがあります。

4KデジタルマイクロスコープVHXシリーズにはライブ深度合成機能があり、金属破断面全体にピントを合わせることが可能。これにより、ピント調整の時間を節約できるだけでなく、破断面に存在する多数の複合的な形状を観察・評価できるようになります。

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皮膚や毛髪の観察・測定・評価

表面形状の深さや細かさを評価する場合、形状の高低差が小さいほどコントラストが低くなり、観察や評価が難しくなります。従来の顕微鏡では、照明や角度によって画像の見た目が異なり、反射によるハレーションやコントラストの低下が起こりやすいという欠点があります。その結果、浅い溝は観察しにくく、見逃されてしまうこともあります。

4KデジタルマイクロスコープVHXシリーズにはマルチライティング機能があり、全方位の照明データを自動で取り込むことができます。このデータから観察に最適な画像を選択することで、照明設定に必要な時間を大幅に短縮できます。

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金属構造の観察

撮像視野の一部にしかピントが合わない金属構造の観察には時間がかかります。またこのような被写体の観察や解析にはある程度の経験も必要で正確な結果を得るための障害になっています。

4KデジタルマイクロスコープVHXシリーズに搭載されているライブ合成インターフェースを使えば、ピントの合った画像を素早く簡単に観察できる、深度合成を行えます。さらに、自動結晶粒度解析も行えるので、操作する人の主観を排除できます。

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微生物の観察・分析

微生物は透明度の高いものが多く、観察画像にコントラストがつきにくいという特徴があります。そのため、3次元で成長する糸状菌や、小さなバクテリアなどは、高倍率での観察や定量解析が非常に困難です。デジタルマイクロスコープVHXシリーズには、透過型偏光照明やHDRなど、さまざまな照明機能や撮像機能が搭載されており、色階調の高い画像を得ることができます。さらにVHXシリーズでは、コロニーの数を自動でカウントし、個々のコロニーの大きさを統計的に表示することもできます。

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鉱物の高分解能撮像のための偏光観察

鉱物の偏光観察では、観察方法や角度による変化を正確に把握する必要があります。しかし、照明条件を適切に設定することはとても難しく、評価に個人差が生じます。VHXシリーズは、平行ニコルまたは交差ニコルによる偏光観察に対応しており、透過型偏光照明も行えます。さらにVHXシリーズには、過去の画像から照明条件を呼び出す機能もあり、一貫性のある結果が得られます。

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半導体ウェハやIC設計の観察・測定

全く新しい顕微鏡検査法である「Opt-SEM(Optical Shadow Effect Mode)」を採用したデジタルマイクロスコープVHXシリーズでは、SEMに匹敵する鮮明な画像で高倍率観察を行えます。Opt-SEMを使えば、ウェハの表面状態や欠陥膜、異物などの観察が可能。さらに、フォトマスク領域や3次元形状の自動測定も行えます。VHXシリーズの高度な機能が、ウェハや集積回路の検査・解析能力を大幅に向上させます。

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デジタルマイクロスコープは、他のタイプの顕微鏡と比較して観察機能が高く、操作する人の技量に左右されない使いやすさが特徴です。しかし、個人的な観察に使うのか、製造業の品質管理に使うのか、あるいは研究のための観察に使うのかによって、求められる性能や顕微鏡の価格がかなり違ってきます。ここでは、用途に応じたデジタルマイクロスコープを選ぶ際の重要なポイントをご紹介します。

倍率と視野(観察範囲)

実体顕微鏡の光学倍率は、対物レンズの倍率と接眼レンズの倍率を掛け合わせることで計算できます。一方、デジタルマイクロスコープの場合は画面で画像を観察するので、レンズの光学倍率とモニターの表示サイズを掛け合わせた値が倍率になります。この倍率は総合倍率と呼ばれるもので、次の式で計算できます。

総合倍率 = モニター倍率 x 光学倍率

光学倍率はレンズの目盛りで示されます。モニター倍率はイメージセンサーやモニターサイズによって異なり、次の式で計算できます。

モニター倍率 = (インチ単位のモニターサイズ x 16*)/イメージセンサーのサイズ*

* 光学式インチサイズ

これとは逆に、視野の広さ(観察範囲)は総合倍率に反比例します。例えば、倍率50倍で10 x 6 mmの領域をモニターに表示している場合を考えてみましょう。倍率を100倍または200倍に上げると、モニターに表示される視野はそれぞれ5 x 3 mm、2.5 x 1.5 mmに縮小されます。このように、倍率を上げると、画像を拡大して細部まで観察できるようになる反面、視野は狭くなります。

デジタルマイクロスコープには対物倍率と総合倍率、モニター倍率がありますが、倍率を選ぶ際には、カタログに記載されている製品がどの倍率を指しているのか、また観察対象のどの部分を拡大して観察したいのかということに注意する必要があります。その点を踏まえたうえで、ニーズに合った倍率と視野を持つデジタルマイクロスコープを選択しましょう。

照明方法

デジタルマイクロスコープを使用する場合、照明が適切でないと、高性能なレンズを使用しているにもかかわらず、対象物がぼやけて見えることがあります。この問題を解決するためには、観察する被写体に合った照明タイプを選ぶことが重要です。

照明には大きく分けて4つのタイプがあります。ここでは、それぞれの特徴やメリットについてご紹介します。

同軸落射照明

同軸照明の光はレンズの光学経路と同じ方向に進みます。同軸落射照明では、被写体に照射される光の光軸とレンズの光軸がハーフミラーによって平行になります。この照明方法は、鏡面仕上げの金属面や滑らかなプラスチック面、半導体ウェハのような鏡面反射する被写体を観察する場合や、形状ではなく構造や表面の光沢の違いを観察する場合に使用されます。

A:レンズ B:光源 C:ハーフミラー D:被写体

リング照明

リング照明の光はレンズの両側から斜めに照射されます。この照明方法では、表面形状が生み出すコントラストによって、輪郭をはっきりととらえることができます。主に50~300倍の倍率で、表面が粗い被写体、また艶や光沢のない被写体を観察するのに使用される照明方法です。

A:レンズ B:被写体

透過照明

透過照明では、透明な被写体の下からの光がレンズを通過してイメージセンサーに入ります。そのため、被写体の厚さを考慮すると、被写界深度の大きなレンズが適しています。透明な被写体内部の形状や液体内部の乳濁物、微生物の観察に使用される照明方法です。

A:レンズ B:ガラス板 C:被写体 D:光源

可変照明

光の方向をリアルタイムに変化させて、形状の状態を強調できる照明方法です。光を被写体に照射し、リアルタイムに調整することで、微細な形状も観察できます。

モニター表示

デジタルマイクロスコープの最大の特長の一つに、複数の人で同時に顕微鏡画像を確認できるということがあげられます。気になる部分を動画として撮影したり、細かい部分をモニターに表示して複数人で目視確認したりできるので、問題を簡単に共有するのに役立ちます。

モニターの解像度は200万画素前後から1000万画素以上までとさまざまです。倍率や視野(観察範囲)の選択とともに、解像度も目的に応じて選択することが重要です。

記録・測定機能

デジタルマイクロスコープで取得した観察データを部門間で共有し、解析や評価をするためには、大容量ストレージとネットワーキングに対応した機能が必要です。考慮に入れるべき点としては、観察用の画像を保存できるか、測定倍率や照明の設定を保存できるか、観察データから輪郭度や領域、個数を測定できる解析ソフトがあるかなどがあります。

例:コンタミ計測

キーエンス製顕微鏡の特徴

キーエンスの一体型デジタルマイクロスコープにはテレセントリックHRレンズや4K CMOSイメージセンサー、27インチの4Kモニターが使用されています。高分解能で被写界深度の大きなレンズや、高精細で低ノイズのイメージセンサー、大型の4Kモニターを組み合わせることにより、高倍率で広視野の観察を行えます。

照明機能としては、最適な照明パターンを自動的に適用するマルチライティング機能を搭載。ボタンを一回クリックするだけで、全方位の照明データを自動取得し、観察に最適な画像を選択できます。

画面上の画像や測定結果、観察設定なども、ボタンを一回クリックするだけで保存できます。保存されたデータは、ネットワーク接続を介して社内ですぐに共有できます。表計算ソフトやワープロソフトをインストールしておけば、レポートの作成も可能です。

キーエンスのデジタルマイクロスコープは、高分解能観察や高画質表示を実現しながら、手間のかかる照明の設定が不要なだけでなく、データ共有やレポート提出のための解析・報告機能を備えたワンストップソリューションです。

高NA・高分解能のテレセントリックHRレンズ
マルチライティング観察(1000倍に拡大した研磨金属表面)

1974年の創業以来、キーエンスは産業用自動化装置や検査装置をリードしてきました。マーケットリーダーとして当社の地位を高めてきたのは、先進的な技術を追求し、お客様のニーズに応え続けることへのコミットメントです。この分野で誰もが認めるリーダー、キーエンスのデジタルマイクロスコープのご購入をご検討の場合は、当社カタログをご覧のうえ、お問い合わせください。

顕微鏡、デジタル顕微鏡を使った拡大観察における基本的な用語や実例を解説します。微鏡の基本的な構造と原理から主な種類と性能、顕微鏡の歴史や照明法/観察法/光学系など入門ガイドはこちら