研究・開発現場レポート - ハイスループットを実践されている研究室のインタビュー

第14回 - 難治免疫関連疾患の克服に向けて

中山 俊憲 氏

千葉大学大学院医学研究院
免疫発生学教授
医学系グローバルCOE
プログラム拠点リーダー
中山 俊憲 氏

免疫システム統御治療学への若い研究者の参画に期待

 中山氏が編み出した免疫システム統御という視点に立った難治疾患の治療法は、今や世界をリードする存在になろうとしている。もっとも「免疫システムのメカニズムはまだ不明の点が少なくない」と指摘するように、今後の研究成果が待たれるところだ。それだけに「若手の優秀な人材を一人でも多く育成していきたい」と、グローバルCOEプロジェクトへの熱意を示している。

「ある分野を世界トップクラスで究めようとすれば、何より大切なのは、最先端のグループの中で研究を行なうべきです。そうした環境の中で、極端に言えば、24時間考え続けてほしいですね。そして、夢の中にも研究テーマが出てくるぐらい研究に没頭することで道が拓けてくるはずです」

 中山氏自身、医学研究の道に入ったのは、学生時代に難治性疾患が少なくないことを痛感したからだ。「臨床医として直せる病気に取り組むことはもちろん大切ですが、直せない病気があるのも事実。これを何とかしたいというのが私の研究者としての出発点です」

 昨今は研究助成金が削減されるなど、若手研究者にとって研究を続ける上で厳しい状勢となっているが、中山氏は安易な道を選ぶことなく、研究テーマを追究することの大切さを説いている。

「だれにでもいつかは飛躍のチャンスが訪れるものです。その時に向けて今からしっかりと準備をしてほしいですね。たとえば、これからは海外の研究者との交流が重要ですから、海外留学に向けて語学をマスターしておくこと。日頃の準備が研究者としての飛躍につながるでしょう」

 免疫システム統御治療学の国際教育研究拠点として着実に成果を挙げている千葉大学。ここから次代の疾患治療を担う人材が大勢巣立っていくことなるだろう。「免疫システムの分野は大きな可能性を秘めているだけに、若い人が一人でも多く研究に参画してくれることを望んでいます」と、中山氏は語っている。

免疫システムの研究の将来性について熱く説く中山氏

免疫システムの研究の将来性について熱く説く中山氏



(2010年02月現在)

プロフィール

中山 俊憲 氏
千葉大学大学院医学研究院 免疫発生学 教授
医学系グローバルCOEプログラム拠点リーダー
1959年、岡山県生まれ。1988年、東京大学大学院医学系研究科修了。米国国立癌研究所客員研究員をはじめ、東京大学医学部助手、東京理科大学生命科学研究所助教授、千葉大学大学院医学研究科助教授を経て、2001年に千葉大学大学院医学研究院免疫細胞医学教授に就任。2004年より現職。2008年より医学系グローバルCOEプログラム拠点リーダーを兼任。第3回日本免疫学会賞(2000年)、第14回アボットジャパン・アレルギー学術奨励賞(2004年)など受賞多数。

<豆知識> 「免疫に関係する細胞」

 免疫に関係する細胞はいずれも骨髄で生まれ、幹細胞から分化して、マクロファージやT細胞、B細胞、そしてNK(ナチュラルキラー)細胞などその他の白血球となっていく。B細胞はさらに抗体産生細胞となり、これが抗原に対抗する抗体を生み出していく。

 また、T細胞はヘルパーT細胞とキラーT細胞に分かれ、前者はB細胞に抗体をつくるように指示を出したり、キラーT細胞に抗原を攻撃するように指示を出したりする。

 ちなみに、健常者の血液中、約3分の1がリンパ球で占められている。リンパ球の大半はT細胞とB細胞、NK細胞であるが、0.1パーセント以下というごくわずかの割合でNKT細胞が存在する。これが免疫システムにおける重要な役割を担っているといわれる。

>> 千葉大学大学院医学研究院免疫発生学のページへ

>> 本インタビューの内容に関するお問い合わせはこちら

>> 本インタビューで紹介されている顕微鏡の情報はこちら

<< 1 2 3 4

HSオールインワン蛍光顕微鏡 BZ-9000


研究予算公募情報


オススメ技術資料

WEB窓口

  • 技術相談
  • テスト機貸出
  • 国内直販
  • 海外サポート
  • コンシェルジュ

お問い合わせ

企業、研究開発のお客様

機器の選定、ご相談、テスト依頼、お見積りなど、お気軽にお問い合わせください。

大学、公的機関のお客様

ご予算査定のお手伝いや訪問実機テストなど、お気軽にお問い合わせください。

フリーダイヤル

0120-122-134

専用メールお問い合わせ先

info@keyence.co.jp


注目の技術情報サイト