静電気破壊のメカニズム

静電気破壊とは、IC(集積回路)などの電子部品が静電気によって破壊する現象をいいます。

ICの静電気破壊の場合は、静電気放電によって一時的に高い電圧の電気が流れると、絶縁性の高い酸化シリコンなどの薄い膜(絶縁層)が破られ、中の回路が破壊されてしまいます。特に近年の電子部品は軽量・小型化が進み、静電気障害に対する敏感性も非常に大きくなってきました。特に、MOS半導体では、約80~100Vの電圧がかかるだけで、半導体としての機能を失ってしまいます。人がチクリと痛みを感じる程度でおよそ3kVの電圧なので、いかに微量か想像できます。

実際には、酸化膜が不完全な状態の場合などは、もっと低い電圧で破壊されるケースもあります。このように、半導体デバイスがより微細で複雑な回路になるほど、配線間隔がつまり、さらに素子そのものも小型化されるために静電気耐性は低くなり、より高度な静電気管理対策が必要となっています。

半導体関係

図は、半導体関係の具体的な静電気障害例です。

ウェハラックでの剥離時

1)ウェハラックでの剥離時:ウェハ搬送時やウェハラックから取り出し時に発生する剥離帯電により静電気放電による静電気破壊。

基板から保護フィルムの剥離時

2)基板から保護フィルムの剥離時:液晶ガラス基板から保護フィルム等を剥離する際に発生する、剥離帯電による静電気破壊。

チップマウント時のシート剥離

3)チップマウント時のシート剥離:チップをウェハシートからピックする際に発生する剥離帯電によって起こる静電気破壊。

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静電気放電モデル

分類

静電気破壊原因となる帯電体には、作業者、装置類、半導体素子自身が考えられますが、これらの原因は「人体帯電モデル(HBM)」と「マシンモデル(MM)」と「デバイス帯電モデル(CDM)」の3つに分けられます。

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静電気破壊の原因となる帯電体

静電気を帯びた人がデバイスのリードに触れた際の放電等により、デバイスが帯電し、デバイスが接地されることで回路に放電電流が流れて静電気破壊が起こります。このように、外部の静電気的帯電物から半導体デバイスへの放電モデルを「人体帯電モデル」と呼びます。

外部の静電気的帯電物が人体である場合、帯電した人体から放出電荷量は多く、絶縁体の場合に比べ放電エネルギーは極めて大きくなります。静電気的帯電物が装置などの場合は、「マシンモデル」と呼びます。製造プロセスで使用される装置類が接地されていないと導体でも帯電します。そして、帯電体が半導体デバイスの外部端子に触れた時、電流がデバイス内を貫通し、静電破壊が起こります。

人体モデル、マシンモデルが十分に静電気対策されていても、半導体デバイスの生産工程や組立て時に静電気放電(ESD)起因の破壊が発生する可能性があります。

これはデバイス自身が帯電した場合の静電気放電破壊によるもので、「デバイス帯電モデル」と呼びます。この放電モデルでは、半導体デバイス表面の摩擦などによりデバイス自身が帯電し、その結果、回路やリードなどの導電体が外部電界により静電誘導を起こします。この状態で、リードが接地されると内部電界の急激な変化をもたらし、放電電流が流れることで静電気破壊が起こります。

人体帯電モデル(HBM)

人体帯電モデル(HBM)

帯電した作業者が指などを不用意に半導体素子に接近させると、素子の端子と指との間で、静電気放電が起こる。(人間は動き回り、種々の作業をする関係上、極めて帯電しやすい)

マシンモデル(MM)

マシンモデル(MM)

帯電した導電体にデバイスが触れた際にデバイスが帯電し、デバイスの接地によって静電気破壊が起こる。

デバイス帯電モデル(CDM)

デバイス帯電モデル(CDM)

半導体素子の回路が帯電し、素子の端子が近くの導電体に接近するときに放電し、内部回路に静電気破壊が起こる。

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