電子デバイス業界における静電気トラブル事例

電子デバイス業界

除電器の原理と種類

静電気によるトラブルは右記の6つに分類できます。電子部品業界では、網掛け部分の3つのトラブルが多い傾向です。

ここでは8つの電子部品業界における静電気トラブルと除電器による改善事例をご紹介します。

事例1 リチウムイオン電池のセパレータにピンホールが発生する

リチウムイオン電池のセパレータにピンホールが発生する

リチウムイオン電池用のセパレータフィルムの巻き出しでの剥離や、ロール搬送での摩擦によって帯電します。
帯電したフィルムがローラーに近づくと放電し、フィルムにピンホール(小さな穴)が発生します。

従来の問題点

古い除電器

  • 効果が不明確
  • メンテナンスが大変
徐電器対策の
メリット

効果の見える化をしながら静電気を除去し、異物付着が防止できます。
製造不良を起こさない大きなメリットが発生します。

徐電器対策のメリット

異物不良によるクレームの削減

リチウムイオン電池は携帯電話・ノートPC・ゲーム機など個人が使うモバイル機器などに搭載されるため、なんらかの不具合可能性は会社にとって非常に大きなリスクとなります。
それらのリスクはなんとしても排除したい項目でした。

事例2 燃料電池シートの巻き出しで保護フィルムが巻き込む

燃料電池シートの巻き出しで保護フィルムが巻き込む

燃料電池用のシートを巻き出ししながら保護フィルムを剥離します。巻き出しでの剥離帯電と保護フィルムの剥離帯電で非常に大きな帯電量になります。
帯電したフィルムは、フィルム同士が貼り付いたり、ローラーに貼り付いたりしようとする力が作用して巻き込んでしまいます。

従来の問題点

除電ブラシ

  • 除電能力が不足
  • 異物混入の原因になる
徐電器対策の
メリット

高速除電でラインスピードを落とすことなく必要な除電ができ、シート不良の流出を防ぐことができます。

徐電器対策のメリット

不良対応費の削減

不良ロットの廃棄コスト 300万円/年
回収費用(運搬費+出張費+社内工数費等) 100万円/年

事例3 LEDのテーピング包装で部品が飛び出す

LEDのテーピング包装で部品が飛び出す

チップLEDのテーピング包装マシンにおいて、プラスチックテープはロール搬送で帯電し、さらにLEDはパーツフィーダ搬送で帯電しています。
帯電したLEDをテーピングのエンボス部に入れると反発してLEDが飛び出したり反転したりします。

従来の問題点

作業者による対応

  • 異常時対応になるため、稼働率低下が発生
  • 人手による作業コストが多い
徐電器対策の
メリット

稼働率向上と作業者の工数削減ができました。

徐電器対策のメリット

ライン停止時間の削減

停止損失額 10万円/月×12ヶ月=120万円/年

事例4 セラミックグリーンシートの保護フィルム剥離でシートが破れる

セラミックグリーンシートの保護フィルム剥離でシートが破れる

厚さ数μmのセラミックグリーンシートからPETフィルムを剥離します。静電気が帯電しているためにセラミックグリーンシートとPETフィルムが強く貼り付いて、フィルムを剥がす時にセラミックグリーンシートが破れたり、フィルムがセラミックグリーンシートに残ったりします。

※セラミックグリーンシート:焼成前のセラミックシートで紙のように柔らかい

従来の問題点

古い除電器

  • 効果が不明確
  • メンテナンスが大変で、日々の能力管理が困難
徐電器対策の
メリット

効果の見える化がされ、かつシースエアガイドによる長期安定除電が、歩留まりを向上させました。

徐電器対策のメリット

ライン停止対策時間の削減

(停止損失額 30万円+原因解析工数 20万円)/月×12ヶ月=600万円/年

事例5 電子回路基板のスクリーン印刷でインクがにじむ

電子回路基板のスクリーン印刷でインクがにじむ

スクリーン印刷では、スキージとスクリーンが摩擦するときや、スクリーンを剥離するときに帯電します。
スクリーンが基板から離れるときにインクの一部がスクリーンに引っ張られてインクが飛んだり はねたりします。そのためにインクがにじんだ印刷になります。

※スキージ:ゴム製のワイパーのようなもの。インクをならすことでスクリーンの穴からインクが押し出されて印刷されます。

従来の問題点

古い除電器

  • エアーを入れる必要があり、インクを乾燥させる
  • 取り付けや向きの変更が面倒
徐電器対策の
メリット

ブロア型除電器で静電気対策の効果が向上し、印刷不良が削減されました。

徐電器対策のメリット

印刷不良による廃棄コストの削減

印刷不良による廃棄コスト 5万円/月×12ヶ月=60万円/年

また、バータイプに比べ設置工数が格段に短くなりました。

事例6 電子回路基板のコーティングでムラになる

電子回路基板の最終検査でICなど電子部品が破損する

基板の防湿や電気絶縁のためにコーティング材を塗布する工程において、基板は搬送工程で帯電しやすく、またコーティング材はノズルから吹き出す時に噴出帯電が発生するため、コーティングがムラになります。

従来の問題点

加湿対策

  • 結露の恐れがある
  • 異物が吹き飛ばない
徐電器対策の
メリット

イオン化エアーで除電しながらコーティングすることで、歩留まり向上ができました。

徐電器対策のメリット

不良対応費の削減

不良ロットの廃棄コスト 50万円/年
回収費用(運搬費+出張費+社内工数費等) 50万円/年

上記に加えて、信頼性の向上という目に見えない効果もありました。

事例7 パーツフィーダの搬送で電子部品が動かなくなる

電子回路基板の搬送で電子部品が破損する

部品がパーツフィーダの振動によって摩擦と剥離を繰り返して帯電します。
帯電した部品にはパーツフィーダのボウルやシュートに貼り付こうとするクーロン力が作用するため搬送ができなくなります。

従来の問題点

作業者による対応

  • 人手による作業コストが多い
  • 常時対応は難しく、稼働率低下が発生
徐電器対策の
メリット

部品の詰まりがなくなり、詰まりを無くすための作業者の工数が削減できました。

徐電器対策のメリット

詰まり対応費用の削減

対応用人件費 10万円/月×12ヶ月=120万円/年
停止損失額 10万円/月×12ヶ月=120万円/年

事例8 ICチップのピックアップで静電破壊する

ICチップのピックアップで静電破壊する

ダイシングの後に詰め替え機にてICチップをピックアップします。ダイシングテープとICチップが剥離帯電し、ピックアップするときに電位が大きく上昇します。そして周囲の治具や他のチップに対して静電気放電が発生して静電破壊してしまう。

※ダイシング:ウェーハからICチップを切り出す工程

※ピックアップ:切り出したチップを吸着ピンセットで持ち上げる操作

従来の問題点

古い除電器

  • ピックアップ時の急激な帯電除去には能力不足
  • 時間が経つとすぐ効果が減少
徐電器対策の
メリット

確実な不良品生産の防止と廃棄コストが削減できました。

徐電器対策のメリット

不良品廃棄コストの削減

静電破壊による廃棄コスト 10万円/月×12ヶ月=120万円/年

上記に加えて、除電器のメンテナンス工数の削減と、安心感の向上もできました。

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