セパレータの寸法管理がスタック性能を左右する3つの理由
何百枚も積層するため、1枚あたりのわずかな差が積み上がって性能差になります。
流路の溝深さがガス拡散と排水を決める
セパレータの表面には、水素と空気を電極全面へ行き渡らせるためのガス流路が刻まれています。溝が浅ければ流量が確保できず、発電が不均一になります。深すぎればリブの断面が減り、板としての強度と導電経路が細ります。生成水の排水性も溝形状に依存するため、深さと幅の両方を管理する必要があります。プレス金型の摩耗で少しずつ変化するため、抜き取りではなく傾向として追うことが重要です。
平坦度が確保できないと面圧が不均一になる
スタックはセパレータとMEAを交互に重ねて締結します。板が反っていると、締結したときの面圧が場所ごとに変わり、接触抵抗のばらつきやシールの効きの差につながります。薄板のプレス成形ではスプリングバックによる反りが避けられず、材料ロットや金型の状態でも変動します。面としての高さ分布を取得しなければ、反りの向きと量を評価できません。
薄板・鏡面は従来の検査が困難
金属セパレータはステンレスやチタンの薄板で、表面は光沢のある鏡面に近い状態です。平面の画像検査では反射の仕方で見え方が変わり、溝の深さを判定することはできません。接触式の測定では、薄板がたわんで正しい値になりません。非接触で、かつ反射条件の変化に強い方式でなければ、流路と平坦度を同じ設備で管理することができません。
セパレータをインラインで検査する4ステップ
成形前の母材からプレス直後まで、流路と平坦度を同じ構成で押さえます。
母材の板厚確認
成形前の薄板の板厚を確認します。材料ロットによる板厚の差は、成形後の溝深さと反りの両方に効いてくるため、CL-3000シリーズで上流を押さえておきます。
流路の深さ・幅・角度
プレス直後の溝断面を取得し、深さ・幅・角度をインラインで測定します。金型摩耗による形状変化を傾向として追えます。
板全体の平坦度・反り
面で高さを取得し、基準平面に対する反りと平坦度を評価します。スプリングバックの向きと量を数値で把握できます。
判定と記録
規格外を判定出力で排出し、測定値をFTPサーバ機能で保存します。金型の交換時期の判断材料としても使えます。
セパレータ検査の方式比較
溝の深さと板の反りを、薄板・鏡面の対象で同時に見るという条件で差が出ます。母材の板厚については別の方式が適します。
| 管理項目/導入要件 | LJ-X8000シリーズ (3D断面プロファイル) |
2D画像センサ (濃淡・平面検査) |
接触式の測定(ゲージ・三次元測定機) | 抜き取り+断面観察 |
|---|---|---|---|---|
| ①流路の溝深さ | ◎ 断面形状から直接測定 | × 深さが分からない | △ ゲージの測定子が溝に入らない場合がある | ○ 測れるが破壊が前提 |
| ②流路の幅・角度 | ◎ 断面から同時に算出 | ○ 幅は測れる | △ 測定点が限られる | ○ 測れるが破壊が前提 |
| ③板全体の平坦度・反り | ◎ 面で捉え基準平面から算出 | × 反りは判定できない | ○ 三次元測定機で測れるがオフライン | × 評価できない |
| ④成形不良(欠け・割れ) | ◎ 断面形状の乱れとして検出 | ○ 濃淡が出れば検出できる | × 検出できない | △ 見つけた断面のみ |
| 薄板のたわみへの影響 | ◎ 非接触で板に触れない | ◯ 非接触 | × ゲージの接触でたわむ | ○ 切断するため影響しない |
| 鏡面・光沢面への対応 | ◎ 迷光抑制機能で乱反射を抑える | △ 照明条件の作り込みが必要 | ○ 反射の影響は受けない | ○ 影響されない |
| インライン全数検査 | ◎ 搬送しながら全数対応 | ○ 全数は可能 | × 三次元測定機はオフラインが前提 | × 抜き取りが前提 |
| 金型摩耗の傾向管理 | ◎ 測定値を継続保存し傾向を追える | △ 定量値になりにくい | △ 頻度を上げられない | × 頻度を上げられない |
セパレータ検査にLJ-X8000シリーズを選ぶ理由
LJ-X8000シリーズは断面形状をそのまま数値化するため、流路の深さ・幅・角度を直接測れます。同じ高さデータから面としての基準平面を作れるので、板全体の反りと平坦度も同じ測定で評価できます。非接触のため薄板をたわませず、鏡面に近い金属面では迷光抑制機能が多重反射を抑えます。位置決め不要でインライン全数検査を構成できます。
燃料電池セパレータの検査に対応する商品
溝の断面形状と板全体の高さ分布を、同じ測定から取り出せるインラインプロファイル測定器です。
超高精細インラインプロファイル測定器
LJ-X8000シリーズ
3200 point/profileの超高精細測定で断面形状を細部まで表現し、溝の深さ・幅・角度・断面積といった指標で流路を数値化します。同じ高さデータを面として扱い、最小二乗法で平面に当てはめて基準平面を設定すれば、反りと平坦度も評価できるため、流路と板全体の管理を1台でまとめられます。高さデータから生成する高さ画像は表面の色や光沢に影響されないため、ステンレスやチタンのような光沢のある薄板でも安定して検査できます。鏡面に近い金属面で発生する多重反射・乱反射には迷光抑制機能が働き、正確な形状を表現します。全方向位置補正機能により対象物の位置ズレや傾きを自動で補正するため位置決めが不要で、自動ワーク検知機能と組み合わせればインラインでの全数測定・検査を実現します。段差・幅・断面積・角度など多彩なプロファイル計測ツールから選ぶだけで検査を設定でき、判定出力によるNG品の排出、FTPサーバ機能を使った測定値・画像の保存にも対応します。
LJ-X8000シリーズの詳細資料を入手する
センサヘッドの仕様・計測ツール・システム構成をまとめたカタログを無料でダウンロードできます。
溝形状・平坦度・板厚の測定活用例
加工後の溝形状測定から平坦度検査、薄板の厚み管理まで活用されています。
セパレータの流路形状測定
セパレータ表面に施された微細な流路形状を測定します。帯状のレーザ光による3200 point/profileの超高精細測定で、幅や高さなどをすばやく非接触で検査できます。
セパレータの反り測定
対象物かセンサヘッドを移動して帯状のレーザ光でスキャンすることで、反り量を非接触で測定します。LJ-X8000シリーズは必要な測定幅に対応できるよう、多種のセンサヘッドをラインナップしています。
セパレータの厚み測定
センサヘッドを挟み込むように設置することで、厚みを測定します。厚み測定時専用のセンサヘッド固定治具および光軸合わせ機能の搭載により、対象物の傾きによる誤差を軽減し、高精度な厚み測定が可能です(CL-3000シリーズ)。
燃料電池セパレータ検査に関するよくあるご質問
- 流路の溝深さはどうやって測りますか?
- 帯状のレーザ光で溝の断面形状を取得し、リブ上面と溝底の高さの差として深さを算出します。幅や角度も同じ断面から同時に測れるため、流路形状をまとめて管理できます。
- 板の反りと流路を同じ設備で見られますか?
- 見られます。断面プロファイルを面として集約すれば基準平面を作れるため、流路の局所形状と板全体の反り・平坦度を同じ測定データから取り出せます。
- ステンレスやチタンの光沢面でも安定しますか?
- 安定します。鏡面に近い金属面で起きる多重反射・乱反射には迷光抑制機能が働き、正確な形状を表現します。高さデータで判定するため表面の色味にもほとんど左右されません。
- 薄板がたわんで測定値が変わりませんか?
- 非接触方式のため、測定によって板をたわませることはありません。搬送時のうねりについては、プロファイルアライメント機能で影響を取り除いて形状だけを評価できます。
- 金型の摩耗管理に使えますか?
- 使えます。溝深さや幅の測定値を継続して保存し、傾向として追うことで金型の摩耗の進行を把握でき、交換時期の判断材料になります。
- カーボンセパレータにも対応できますか?
- 高さデータで判定するため、金属・カーボンいずれでも形状の取得は可能です。表面状態や色によって適したヘッドが変わるため、対象をお伺いしたうえでご提案します。
セパレータの流路と反り、まとめて管理しませんか
測定構成やヘッドの選び方は、カタログまたはお問い合わせフォームからご確認いただけます。