Oリング・ガスケットの検査が難しい3つの理由
測りにくい素材であることと、組み付けたあとに見えなくなることの両方が課題です。
挟めば変形するため接触測定では値が定まらない
Oリングは弾性体で、ノギスやマイクロメータで挟むと断面がつぶれます。測る力の入れ方で値が変わるため、担当者が替われば結果も変わります。線径や内外径は製品の密封性を直接決める寸法であるにもかかわらず、確実に測る手段がないまま抜き取りに頼っている現場は少なくありません。触れずに形状を取得できることが、全数管理の前提になります。
色味が近いため2Dカメラでは判定が安定しない
Oリングやガスケットは、本体も溝も黒や濃色であることが多く、明暗の差が出にくい対象です。従来のカメラによる平面の画像検査では、ねじれているのか正しく座っているのかを濃淡だけで切り分けられず、照明条件を作り込んでも判定が揺れます。高さの情報を持つ3Dデータであれば、色味に頼らず断面の形そのもので判定できるため、不良の流出を抑えられます。
組み付けたあとの不具合は漏れとして出る
溝への装着では、はみ出し・ねじれ・かじり・入れ忘れが起きます。これらは組み付けた時点では気づきにくく、気密試験や市場での漏れとして顕在化します。装着部も色や光沢が周囲と近いことが多く、平面の画像では見分けにくくなります。高さ方向の情報があれば、はみ出しや浮き、ねじれを形状の異常として捉えやすくなります。
単体検査と装着確認を同じ3Dデータで実現
部品単体の形状管理と、組み付けた状態の確認を、同じ3Dデータでおこないます。
単体の3D形状取得
スキャンした高さ画像から、線径・内外径・断面の形を取得します。対象に触れないため断面がつぶれず、弾性体でも形状を確定できます。
ねじれ・断面の変形判定
円周に沿って断面の高さを並べ、局所的な落ち込みやねじれを検出します。色や光沢が均一な対象でも、高さの変化として捉えられます。
はみ出し・ねじれの検出
組付け後の装着部を3D形状で捉え、はみ出しや浮き、ねじれを高さの変化として検出します。色や光沢が周囲と近くても判定が揺れにくくなります。
欠品の判定と記録
Oリングの高さが出ない箇所を入れ忘れとして検出します。良否と有無を同じ測定でまかなえ、測定値は記録として残せます。
Oリング・ガスケットの検査方式の比較
変形させずに寸法を測れるか、色味の差が出にくい対象を判定できるか、組付け後まで同じ手段で見られるかで差が出ます。
| 検査項目/導入要件 | LJ-S8000シリーズ (オートスキャン3Dセンサ) |
2Dカメラ (平面の画像検査) |
ノギス・マイクロメータ | 目視・抜き取り検査 |
|---|---|---|---|---|
| 単体の内外径 | ◎ 非接触で変形させずに測定 | ○ 輪郭から算出できる | × 挟むと変形する | × 定量化できない |
| 線径・断面の形 | ◎ 高さ画像から断面を取得 | × 高さが分からない | × 挟むと変形する | × 定量化できない |
| 色味が近い対象の判定 | ◎ 色ではなく高さで判定 | × 濃淡の差が出ず不安定 | - | × 人の目では判断が難しい |
| ねじれ | ◎ 断面形状の変化で判定 | × 判定できない | × 判定できない | △ 判断が人に依存する |
| 組付け後のはみ出し・浮き | ◎ 高さの変化として検出 | △ 照明条件に左右される | × 測定できない | △ 見逃しが起きやすい |
| 入れ忘れ(欠品) | ◎ 同じ測定で有無も判定 | ○ 有無は分かる | × 現実的でない | △ 見逃しが起きやすい |
| 位置ずれ・姿勢のばらつき | ◎ 全方向位置補正機能で自動補正 | △ ピント調整が要る | × 当て方で値が変わる | - |
| インライン全数検査 | ◎ 取り付けるだけで全数対応 | ○ 全数は可能 | × 抜き取りが前提 | × 全数は現実的でない |
| 測定値の記録 | ◎ 保存・出力が可能 | ○ 保存・出力が可能 | × 手記録に依存 | × 記録が残りにくい |
Oリング・ガスケットの検査にLJ-S8000シリーズを選ぶ理由
LJ-S8000シリーズはスキャン機構を内蔵しており、装置に取り付けるだけで3D形状を取得できます。対象物表面の色や模様の影響を受けないため、黒いOリングと黒い溝のように明暗の差が出にくい組み合わせでも、高さの違いでねじれや浮きを判定できます。幅・高さ・面積・体積を1台で測れるので、単体の寸法管理と組付け後の装着確認を同じ手段でまかなえます。
Oリング・ガスケットの3D検査に対応する商品
取り付けるだけで3D形状を取得し、色に左右されずに形で判定するオートスキャン3Dセンサです。
オートスキャン3Dセンサ
LJ-S8000シリーズ
スキャン機構を内蔵したオートスキャン3Dセンサです。装置に取り付けるだけで対象物の3D形状を取得できるため、外部の走査機構を組み込む必要がなく、設備をシンプルに構成できます。幅・高さ・面積・体積といった指標を1台で測定できるので、単体の寸法管理から組付け後の装着確認まで同じ手段でまかなえます。高さの情報で判定するため対象物表面の色や模様の影響を受けず、黒いOリングを黒い溝に組み付けた状態のように、明暗の差が出にくい組み合わせでも安定して検査できます。被写界深度が深くピント調整の手間がかからないため、ワークの高さがばらついても測定値が揺れにくくなります。検査範囲に合わせて7種類のセンサヘッドから選択でき、最大で640×640 mmのワイドエリアに対応します。Z軸(高さ)の繰り返し精度は最小0.3 µm(LJ-S015)で、微細な形状の変化も捉えられます。キーエンス画像処理システムのフラッグシップであるXG-Xシリーズに対応しており、取得した高精細な高さ画像に対して検査設定を作り込むこともできます。
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センサヘッドの測定範囲・繰り返し精度・システム構成をまとめたカタログを無料でダウンロードできます。
Oリング・ガスケットの検査活用例
Oリングのねじれ検出から、スマートフォンの防水パッキンの寸法検査、セパレータのガスケット浮きと位置検査まで活用されています。
Oリングのねじれ検査
色味の違いが出づらいOリングの検査は、従来のカメラでは検出が安定しませんでした。3Dデータによる検査であれば、色味ではなく高さの違いで判定できるため、不良流出を抑えられます(LJ-S8000シリーズ)。
スマートフォンの防水パッキン寸法検査
スマートフォン筐体に沿って配置した防水パッキンの高さや幅を3D形状で捉え、インラインで全数測定します。筐体と色味の近い細いパッキンでも高さの違いで見分けられ、防水不良の流出を抑えます(LJ-X8000シリーズ)。
セパレータのガスケット浮きと位置検査
カメラなどでは困難だったガスケットの浮きやへこみの有無を、レーザプロファイル測定による高さ画像で検査します。幅や位置と高さの同時測定・検査を実現します(LJ-X8000シリーズ)。
Oリング・ガスケット寸法検査に関するよくあるご質問
- 弾性体を変形させずに測れますか?
- 測れます。レーザで3D形状をスキャンする非接触方式のため、対象に触れません。挟んで断面をつぶすことがないので、線径や内外径を本来の状態で確定できます。
- 位置決め治具は必要ですか?
- 厳密な治具は不要です。全方向位置補正機能がワークの位置ずれや傾きを自動で補正し、被写界深度が深いため高さのばらつきにもピント調整なしで対応できます。弾性体は治具で押さえると変形するため、この特性が効いてきます。
- 組み付けたあとの検査もできますか?
- できます。組付け後のはみ出し・ねじれ・欠品はいずれも高さ方向の情報で判定できるため、単体の形状管理と装着確認を同じ3Dデータでまかなえます。
- ラボでの観察・断面測定との違いは何ですか?
- 本ページは製造ラインでの全数管理を対象にしています。断面組織の観察や不良解析はデジタルマイクロスコープなどの領域で、目的が異なります。
- 黒いOリングを黒い溝に組み付けた状態でも判定できますか?
- できます。高さの情報で判定するため、対象物表面の色や模様の影響を受けません。明暗の差が出にくい組み合わせでも、断面の形そのもので正常と異常を切り分けられます。
- ライン上で測定できますか?
- できます。スキャン機構を内蔵しているため、ピッチ送りやインデックステーブルでワークが止まるわずかな時間に3D形状を取得できます(撮像は最速約0.2秒)。外部の走査機構を組み込む必要はありません。
Oリングのねじれ、色に頼らず判定しませんか
対象の形状と溝の条件をお伺いしたうえで、検査できるかをご回答します。