非接触 厚み測定 完全ガイド

厚み測定のすべて
原理・方式・選び方を
徹底解説

フィルム、ガラス、ウエハ、塗膜、電極シート、樹脂成形品。あらゆる対象物の厚み測定に対応する測定原理・方式の違い、対象物ごとの最適な選定方法、そしてインラインでの高速・高精度な非接触厚み測定を実現する具体的な手法を、この1ページに集約しました。

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  • フィルム
  • ガラス
  • 多層膜
  • 共焦点
  • 分光干渉
  • レーザ変位計
非接触厚み測定のイメージ

What is Thickness Measurement厚み測定とは

厚み測定の定義と重要性

厚み測定とは、対象物の表面と裏面の間の距離(厚さ)を定量的に計測することです。製造業においては、フィルム・シート・ガラス・ウエハ・塗膜・電極シート・樹脂成形品・金属板など、ほぼすべての製品で厚みが品質を左右する重要な管理項目となっています。

厚みのばらつきは、製品の機能不良・強度不足・外観不良に直結します。リチウムイオン電池の電極厚み、半導体ウエハの厚み、光学フィルムの膜厚。これらは数μm、ときにはサブμmの精度で管理する必要があり、測定方式の選定が品質管理の成否を握ります。

近年は、非接触・インライン・全数検査への要求が急速に高まっています。対象物を傷つけず、製造ラインを止めず、すべてのワークの厚みをリアルタイムで測定する。この要求に応えるのが、レーザ変位計・共焦点方式・分光干渉方式をはじめとする非接触厚み測定技術です。

厚み測定が求められる代表的な対象物

厚み測定が特に重要な産業・対象物は以下のとおりです。対象物の材質(金属・透明体・多層膜など)と厚みレンジ(サブμm〜数mm)によって、最適な測定方式が異なります。

電池関連
電極シート(正極・負極)、セパレータ、塗工膜、集電体箔
半導体・電子部品
ウエハ、レジスト膜、FPC、MLCC誘電体層、モールド樹脂
光学・ディスプレイ
偏光フィルム、位相差フィルム、反射防止膜、保護ガラス、カバーレンズ
フィルム・シート
PETフィルム、PEフィルム、不織布、紙、ゴムシート
コーティング・塗装
塗布膜、ハードコート、蒸着膜、めっき
金属加工
圧延板、プレス品、鋳造品、合板

Measurement Methods厚み測定の方式と原理

厚み測定は大きく「接触式」と「非接触式」に分類されます。それぞれの原理・精度・適用範囲を理解し、対象物と要求に合った方式を選ぶことが重要です。

接触式(マイクロメータ等)

測定子を対象物に接触させ、機械的に厚みを計測。マイクロメータ、シックネスゲージ、定圧厚さ計(ライトマチック等)が代表的。高い絶対精度を持ちますが、軟らかいワークの変形や表面への傷のリスクがあり、インライン化は困難です。

メリット:
高い絶対精度、材質を問わず測定可能
注意点:
ワーク変形リスク、インライン困難、測定速度が遅い

レーザ三角測距方式

レーザ光を対象物に照射し、反射光の位置変化から距離を算出。2台を対向設置し挟み込むことで厚みを測定します。高速・高精度で、金属・樹脂・紙など不透明な対象の厚み測定に広く使われます。LKシリーズが対応。

メリット:
高速、汎用性が高い、長距離測定に対応
注意点:
透明体は2台挟み込みが必要、多層膜の個別測定は不可

共焦点方式(白色共焦点)

白色光を対象物に照射し、合焦する波長から距離を特定。透明体は表面・裏面の反射を個別に検出し、1台で厚みを測定可能。金属光沢面や黒色面にも安定。挟み込み測定にも対応し、あらゆる対象に対応できる万能型です。CLシリーズが対応。

メリット:
透明体1台で厚み測定、表面状態に左右されにくい、超小スポット
注意点:
測定距離が短い(近接型)

分光干渉方式

広帯域光を透明体に照射し、表面・裏面(および各層界面)からの反射光の干渉スペクトルを解析して厚みを算出。多層膜の各層厚みを同時に測定可能な唯一の方式です。薄膜・多層膜に最適。SI-Tシリーズが対応。

メリット:
多層膜の各層個別測定、超高分解能、非接触
注意点:
透明・半透明の対象に限定、厚膜は測定範囲外

超音波方式

超音波パルスを対象物に入射し、反射波の往復時間と音速から厚みを算出。金属・樹脂の肉厚測定に使用されます。接触媒質(カプラント)の塗布が必要。

メリット:
片面からの測定が可能、金属・樹脂に対応
注意点:
カプラント必要、薄膜不可、インライン化が難しい

放射線(β線)方式

β線やX線の透過量・吸収量から厚みを算出。フィルムや金属箔のインライン厚み測定で実績がありますが、放射線源の管理コスト・法規制対応が大きな負担です。

メリット:
インライン実績豊富、面密度測定も可能
注意点:
放射線管理が必要、高コスト、法規制対応

Application Guide対象物別
厚み測定の最適解

「何を測るか」で最適な厚み測定方式は決まります。代表的な対象物ごとに、推奨される測定方式と対応製品をご案内します。

CLシリーズ推奨 電極シート(極板)の厚み測定

リチウムイオン電池の正極・負極の塗工膜厚を非接触でインライン測定。CL-3000を上下2台設置し、走行中の電極シートの総厚をリアルタイムに計測します。

CL-3000 シリーズ(挟み込み方式)

SI-Tシリーズ推奨 多層フィルムの各層膜厚測定

偏光フィルム、位相差フィルム、ハードコート付き光学フィルムなど、多層構造の各層厚みを1台のセンサで同時に非接触測定。最大5層まで対応。

SI-T シリーズ(分光干渉方式)

CLシリーズ推奨 ガラス・透明樹脂の厚み測定

ガラス、レンズ、透明樹脂シートの厚みを1台のセンサで非接触測定。共焦点方式は透明体の表裏面を個別に検出し、ワークを傷つけません。

CL-3000 シリーズ(透過体測定モード)

SI-Tシリーズ推奨 ウエハ上のレジスト・薄膜の膜厚測定

半導体ウエハ上に塗布されたレジスト、酸化膜、窒化膜などの膜厚を非接触測定。極小スポットでパターン間の膜厚も計測可能。

SI-T シリーズ(分光干渉方式)

LKシリーズ推奨 金属板・プレス品の厚み測定

鋼板、アルミ板、プレス加工品などの不透明な対象の厚みを、LKシリーズ2台の挟み込みで非接触・高速測定。圧延ライン・プレスラインでのインライン全数検査に対応。

LK-G シリーズ(2台挟み込み方式)

複数方式対応 塗布膜・コーティングの膜厚測定

塗工直後のウェット膜厚、乾燥後のドライ膜厚、ハードコートの膜厚など。透明膜は直接測定。不透明膜は塗布前後の差分から算出。

SI-T / CL / LK(対象により選定)

CLシリーズ推奨 セパレータの厚み測定

LiBセパレータ(PP/PE多孔質膜)の厚みを非接触で高精度測定。接触式では変形してしまう軟らかい薄膜も、共焦点方式なら測定力ゼロで正確に厚みを取得。

CL-3000 シリーズ(挟み込み方式)

LKシリーズ推奨 ゴムシート・紙の厚み測定

搬送中のゴムシートや紙の厚みを非接触で連続測定。LKシリーズの高速サンプリングにより、走行中の厚みムラもリアルタイムで検出します。

LK-G シリーズ(2台挟み込み方式)

CLシリーズ推奨 モールド樹脂の厚み測定

半導体パッケージやコネクタのモールド部の厚みをインラインで非接触測定。共焦点方式は黒色・鏡面を問わず安定測定でき、サブμmの厚み管理を実現。

CL-3000 シリーズ(挟み込み方式)

Comparison厚み測定の方式を一覧
で比較する

対象物の材質・厚みレンジ・要求精度・インライン要否に応じて、最適な方式を選定してください。

比較項目 レーザ三角測距
LKシリーズ
共焦点
CLシリーズ
分光干渉
SI-Tシリーズ
接触式 超音波式 β線式
不透明体の厚み ◎ 2台挟込 ◎ 2台挟込
透明体の厚み
(1台)
インライン適性
ワークへの影響 なし なし なし 接触傷・変形 カプラント塗布 なし
法規制負担 不要 不要 不要 不要 不要 放射線管理
軟質ワーク対応 変形リスク 困難

方式選定の考え方

「透明体を1台で測りたい」→ CL(共焦点)またはSI-T(分光干渉)。
「多層膜を個別に測りたい」→ SI-T一択。
「不透明な板・シートを高速で測りたい」→ LK(三角測距)2台挟み込み。
「表面状態(光沢・黒色・粗面)に左右されたくない」→ CL。
迷ったらまずCLシリーズをご検討ください。最も対応範囲の広い万能型です。

Product Selection厚み測定に最適な3つ
の製品シリーズ

対象物と要求に応じて、最適な1台を選んでいただけます。

CL-3000 シリーズ

マルチカラーレーザ同軸変位計

CL-3000 シリーズ

白色共焦点方式の万能型。不透明体は2台挟み込み、透明体は1台で厚み測定可能。金属光沢面・黒色面・粗面を問わず安定。温度変化に強い専用治具で長時間のインライン測定に対応。厚み測定で最も幅広い対象に使えるシリーズです。

用途:

電極シート、セパレータ、ガラス、モールド樹脂、FPC、ウエハ、MLCCグリーンシート

SI-T シリーズ

分光干渉変位タイプ 多層膜厚測定器

SI-T シリーズ

分光干渉方式で多層膜の各層厚みを同時測定可能な唯一のシリーズ。超高分解能で、薄膜も正確に計測。半導体レジスト・光学フィルム・コーティングなどの膜厚管理に最適。SLD光源で小スポット高速測定を実現。

用途:

レジスト膜、光学多層膜、偏光フィルム、ハードコート、塗布膜、ウエハ上薄膜

LK-G シリーズ

超高速・高精度レーザ変位計

LK-G シリーズ

三角測距方式の高速レーザ変位計。最大392 kHzの超高速サンプリングで、走行中のワークの厚み変動を逃しません。2台対向設置で不透明なシート・板の厚みをインライン全数測定。長距離モデルから超近接モデルまで豊富なラインナップ。

用途:

金属板、圧延材、ゴムシート、紙、プレス品、合板、不透明フィルム

Case Studies厚み測定の導入事例

非接触厚み測定は、電池・半導体・フィルム・金属加工など、あらゆる業界で導入されています。

リチウムイオン電池

電極シートの塗工膜厚をCL-3000でインライン全数管理

塗工後の電極厚みを上下2台のCL-3000で走行中にリアルタイム計測。箔厚との差分演算で塗工膜厚を算出し、ダイコーターへのフィードバック制御を実現。

半導体

ウエハ上レジスト膜厚を
SI-Tで高精度に管理

リソグラフィ工程後のレジスト膜厚をSI-Tシリーズで非接触測定。膜厚の工程内ばらつきをリアルタイムで高精度に監視。

光学フィルム

多層偏光フィルムの各層膜厚をSI-Tで同時測定

多層構造の光学フィルムの各層膜厚をSI-Tシリーズ1台で同時に非接触測定。従来の断面切断→顕微鏡観察を廃止し、非破壊・オンラインでの全数検査体制を構築。

鉄鋼・圧延

走行する鋼板の板厚をLKシリーズでインライン計測

冷間圧延ラインでLK-Gシリーズ2台を対向設置し、走行中の鋼板の板厚をリアルタイム測定。高速サンプリングで微細な板厚変動も逃さず捕捉。

ガラス加工

カバーガラスの厚みを
CL-3000で1台で非接触測定

スマートフォン用カバーガラスの厚みをCL-3000の透過体測定モードで1台のセンサにて非接触測定。挟み込み不要のため省スペースでライン構築。

塗工・コーティング

ハードコート膜厚のインライン管理をSI-Tで実現

光学レンズのハードコート膜厚(数μm)をSI-Tシリーズでインライン測定。コーティング装置の条件変動を即座に検知。

FAQ厚み測定 よくあるご質問

厚み測定にはどのような方法がありますか?
接触式(マイクロメータ、シックネスゲージ、定圧厚さ計)、非接触式(レーザ変位計、共焦点方式、分光干渉方式)、超音波式、放射線(β線)式などがあります。非接触式はワークを傷つけず、インラインでの高速・高精度な厚み測定に適しています。
透明体(ガラス・フィルム)の厚みを非接触で測定できますか?
はい。共焦点方式(CLシリーズ)は透明体の表面と裏面の反射を個別に検出し、1台のセンサで厚みを測定できます。分光干渉方式(SI-Tシリーズ)は透明な多層膜の各層厚みを個別に測定することも可能です。
フィルムや薄膜の厚みをインラインで測定するにはどうすればよいですか?
レーザ変位計を2台対向設置して挟み込む方式、または共焦点方式・分光干渉方式で1台のセンサから透過体の厚みを直接測定する方式があります。搬送速度・対象物の材質・透明度に応じて最適な方式をご提案します。
多層膜の各層の厚みを個別に測定できますか?
分光干渉方式(SI-Tシリーズ)を使用すれば、透明な多層膜の各層境界面からの反射光の干渉を解析し、各層の厚みを同時に非接触測定できます。最大5層まで対応。偏光フィルムや半導体多層膜の品質管理に最適です。
金属や不透明体の厚みを非接触で測定するにはどうすればよいですか?
レーザ変位計(LKシリーズ)または共焦点方式(CLシリーズ)を2台対向設置し、挟み込み方式で測定します。上下のセンサで対象物の表裏面までの距離を同時測定し、差分から厚みを算出します。専用治具で光軸合わせも簡単です。
厚み測定の精度はどのくらい出せますか?
方式と対象物によって異なります。要求精度と対象物に応じた最適な方式をご提案します。

厚み測定のお悩みを解決します

「何を・どの精度で・どのように測りたいか」をお聞かせください。実ワークでのテスト測定も承ります。