開
発
秘
話
単層から多層まで
インラインで膜厚安定測定
分光干渉式 フィルム膜厚測定器
SI-Tシリーズ
分光干渉変位タイプ 多層膜厚測定器
SI-T1000シリーズ
商品コンセプト
SI-Tシリーズを開発するにあたり、たくさんのお客様にヒアリングさせていただいた結果、膜厚測定器を使用されているお客様の多くが同じような要望を持っていることがわかりました。
わかりやすい測定器(専門知識不要)
各層の厚みが測定できる測定器
インラインで使える測定器
つまり、「誰にでも使えて、各層の厚みがインラインで正確に測定できる測定器」が求められていると。
ではこれらの要望とは具体的にどういうことを意味するのか、ここから開発の第一歩が始まりました。
求められる測定器
& 技術課題
求められる測定器 1 わかりやすい測定器/各層が測定できる測定器
この要望についてさらにヒアリングを進めると主に下記2点に絞られました。
1β線、X線、赤外線タイプなどは光が吸収された量から厚みを測定します。したがって材質や厚みによって吸収される量が異なるため、多層フィルムの各層の厚み測定が非常に困難。
設定はメーカーに依頼するか、社内の詳しい担当がおこなうといった、「誰でも測定できる」状態ではないという声がありました。2分光干渉タイプは、測定原理上「2つの反射光の干渉により、その反射面と反射面との距離を測定しています」したがって例えば下記のようなケースは測定が困難でした。
例1
基材50μmに45μmを塗工しているような対象物の場合分光干渉計で測定すると、45μmと50μmと95μmという測定値が得られます。分光干渉計はあくまで反射面と反射面の距離を測定値として表すため、50μmが基材なのかどうかは測定結果から判断することはできません。もしかしたらBのような構造になっているかもしれません。
例2
反射面と反射面の距離を測定するため、測定箇所は6箇所あります。しかし得られる測定結果は20μm、50μm、70μm、90μmと4つになります。これは20μmという同じ厚み(※)が存在するからです。つまり20μmという結果は上の層の厚みなのか、下の層の厚みなのか見分けがつきません。上の層も下の層も20μm程度であることは間違いありませんが、正確に各層の厚みを測定できません。 厳密には同じ厚みではなく同じ光路差。説明を簡単にするため同じ厚みと表現しています。
求められる測定器 2 インラインで使える測定器
この要望は大別すると下記の2つに集約されました。
1サンプリング速度が速くても測定できる測定器(速くすると光量不足になり安定測定できない/そもそももっと速く測定したいなど)
高速化することでトラバースしたときの幅方向のデータ量が多くなる。 高速化することで流れ方向により細かくデータが取れる。2インラインで使うには値飛びが多く使いづらい
例えば粘着層などわざと界面を粗くしているような対象物は値飛びが多く、出力したデータに独自のフィルタ処理をおこない、データ管理している。求められている測定器とは、下記の課題をクリアできる測定器ということがわかりました。
- 誰でも任意の層が測定できる
- 高速サンプリング
- 安定測定
課題解決への道のり
1 「誰でも任意の層を測定できる」ために
変位計はセンサヘッドから対象物の反射面までの距離を求めることができるため、各層の厚みを任意に測定することができてます。これに対し分光干渉計は「反射面と反射面の距離」を求めるため、センサヘッドから対象物の各反射面までの距離を求めるには、センサヘッド内部に反射面を設ける必要がありました。しかし、ここで考慮しないといけないことが発生しました。
図のようにセンサヘッド内部の反射面からそれぞれの反射面までの距離を測定するとした場合、ワークが上下に振れると、センサヘッド内部の反射面からの距離がそれぞれ変化します。このことから、測定範囲が狭いと少しでも対象物がばたつくと使えないことになってしまいます。
センサヘッド内部の反射面と対象物の距離が 近くても遠くても測定できる測定範囲が必要2 「測定範囲を広くする」ために
分光干渉計の測定原理
- 変位計はセンサヘッドから対象物の反射面までの距離を求めることができるため、各層の厚みを任意に測定することができてます。これに対し分光干渉計は「反射面と反射面の距離」を求めるため、センサヘッドから対象物の各反射面までの距離を求めるには、センサヘッド内部に反射面を設ける必要がありました。しかし、ここで考慮しないといけないことが発生しました。
- 2つの反射光は波長ごとに互いに干渉し、分光ユニットに戻ってきます。各波長の干渉光強度は、参照面から対象物までの距離によって定まり、ちょうど波長の整数倍の時に極大値を取ります。
- 干渉光は分光器によって波長ごとに細かく分光され、CCDの受光波形から光強度スペクトル分布が得られます。それにFFT処理などの波形解析をすることで、対象物までの距離を算出します。
分光干渉計の測定範囲はどの波長帯域を使うかで決まります。(測定原理のCCDの受光波形がどうなるかによって測定できる・できないが決まります)
例1:ある厚みを測定したときのCCD受光波形(イメージ)
10umの距離を測定した場合の分光波形
400 ~ 800nmの波長帯域を使用した分光干渉計の場合
810 ~ 830nmの波長帯域を使用した 分光干渉計の場合
周期的な変化を捉えられておらず測定不可(FFT処理の場合)
50umの距離を測定した場合の分光波形
400 ~ 800nmの波長帯域を使用した分光干渉計の場合
山谷の間隔が密になりすぎて周期的な変化を捉えられておらず測定不可(FFT処理の場合)
810 ~ 830nmの波長帯域を使用した 分光干渉計の場合
このように使用する波長帯域によって測定できる距離、測定できない距離があります。
またCCDが受光するスポット径が大きければ、分光波形の分解能は悪くなります。
例2:スポット径の違いによるCCD受光波形の見え方の差(イメージ)
50umの距離を測定した場合の分光波形400 ~ 800nmの波長帯域を使用
スポット径(小)の場合
スポット径(大)の場合
スポット径が大きいと同じ厚みでもCCD上で細かく見れないため測定できない場合があります。
測定範囲を広く取るためには小スポットが望ましく最適な波長帯域を使用する
3 小スポット化に最適な光源が必要
集光性の低い光源を使用する場合は、スリットで小スポットにする必要があります。この場合、光量が低下します。これは、露光時間を長くすることで安定測定させることができます。そうすると、どうしても高速サンプリングは難しくなります。
小スポットかつ高速サンプリングにするためには集光性の高い光源が必要
光源にSLDを採用
SLD(Super Luminescent Diode):レーザの特長である「高い集光性」を持ち、 かつレーザとは異なる広い波長帯域をもった光源。
- 高速サンプリングが可能
- 測定範囲を広くとることができる
- 光量制御による安定測定(下記参照)
このSLD採用によりお客様の要望に答えるSI-Tシリーズが誕生しました
光量制御による安定測定
SLD採用により露光時間を非常に短くできるため、対象物の反射率に合わせ、受光量が最適になるようにSLDの発光パルス幅を自動制御させることが可能になりました。この光量制御により、インラインでの安定した測定が可能になりました。
さらなる
安定測定のために
さらにインラインで安定した測定が可能になるように下記のような機能も搭載しました。
ピーク数チェック機能
測定するときの反射面の数を設定し、この数値と異なる数の反射光が存在するときには測定値をアラームにします。界面からの反射光が安定しないようなときに、異常な測定値を出すことを防止できます。
光量積算機能
粘着層などわざと粗くしたような界面で値飛びがおこるのを防ぐために、SI-Tシリーズには光量積算機能を搭載しています。
多層膜厚測定器
SI-Tシリーズ
ラインナップ
(屈折率n=1.5の時)6.7μm~666.7μm
多層変位測定タイプ SI-T10
- 多層フィルムを簡単測定
- 変位測定が可能
- φ8mm&設置距離9mmの省スペースタイプ
長距離厚み測定タイプ SI-T80
- 80mmの長距離設置
- 対象物のバタツキに強い
- 高温対象物に有利
詳しくは、ぜひカタログを
ダウンロードして確認ください。
受付時間 8:30~20:00(土日・祝日除く)
