撮影事例
まったく新しいコンセプトの「超深度マルチアングルレンズVHX-D500」。かつて観たことないような撮影事例をご覧ください。
撮影対象:ストラップコード
光学系では繊維の詳細まで捉えることはできませんでしたが、超深度マルチアングルレンズであれば繊維一本一本まではっきり観察することができます。
撮影対象:フィルム断面
VHX‐D500はカラー撮影が可能なので、塗装されたフィルム断面の色情報まで取得でき、「どの箇所の断面か」まで確認することが出来ます。
撮影対象:キャピラリカケ
従来では細かな個所まで観察できなかった、カケの微細な形状まで観察できます。
撮影対象:イメージセンサ
SEM像では透明体などでも表面のみの観察となってしまいますが、VHX‐D500であれば透明体越しの撮影も可能です。
よくあるご質問
まったく新しいコンセプトの「超深度マルチアングルレンズVHX-D500」。お客様からよく頂くご質問をまとめました。
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なぜこんなに傾斜できるのですか?
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一般的なSEMに比べて、3倍以上の観察距離があるため、傾けてもぶつからない構造となっているからです。
一般的なSEMでは観察距離が8ミリですがD500では25ミリ距離を取れます。観察距離が短い構造だと、傾けた際に電子レンズ先端が対象物にぶつかってしまいます。
レンズの傾斜を可能にするために・・・
- 電子銃をコンパクト化、軽量化。
- レンズの角度も変えれるよう回転できるようドラム型に
- 磁場を通さない軽量素材を採用
- レンズ先端がぶつからないよう、径を細く。(コニカルレンズを採用)
上記のように、通常のSEMとは異なる思想で設計を一から見直しました。
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SEMの原理を使っているのに、なぜチャージアップしないのですか?
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蒸着不要の観察を実現するために、専用の電子レンズを開発しました。
「チャージアップしない観察」というのは低加速電圧での観察がポイントとなります。加速電圧を低くすれば、チャージアップしにくくなるのですが、通常のSEMは高加速電圧向けに設計されたレンズなので、低加速では本来の性能を発揮出ません。D500は低加速電圧が最高の性能となるようにシュミレーションを重ねて設計した電子レンズです。
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一般的なSEMよりさらに深度が深いのはなぜですか?
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電子ビームの開き角が小さくなるよう専用設計にしました。
傾斜観察時でも画面全体にピントを合わせるには深い被写界深度が不可欠です。VHX-D500では電子レンズの設計を被写界深度を優先して最適化し、開き角が小さい細い電子ビームを照射しています。それによってSEMの約20倍の被写界深度を実現しています。