エンジンベンチ・耐久試験でCANと物理量を別々に測ると起きる3つの課題
エンジンの挙動は、CAN上の制御値と、吸排気温・圧力・ひずみといった物理量が連動して現れます。別系統で記録すると、同じ瞬間の状態を突き合わせられません。
CANと物理量が別系統だと時間軸がずれる
CANロガーとアナログ計測器を別々に運用すると、記録開始時刻やサンプリング周期が異なり、CAN上の制御値(回転数・スロットル開度など)と、吸排気温・圧力・ひずみを同じ時間軸で突き合わせられません。エンジン挙動の因果関係の解析が難しくなります。時間軸がずれたデータでは、燃焼・過渡応答・異常発生の前後関係が曖昧になり、試験の再現性や解析精度を損ないます。
汎用CAN計測ではエンジン試験の物理量が混在できない
汎用のCAN計測環境はネットワーク信号の取得が中心で、熱電対による吸排気温やひずみゲージによる応力といったエンジン試験特有の物理量を、同一機器に混在入力しにくい場合があります。物理量計測を別立てにすると構成が煩雑になります。構成が分散すると配線・同期・データ結合の手間が増え、台上試験・実車評価のセットアップに時間がかかり、試験効率が低下します。
耐久試験の長時間データを一元管理しにくい
エンジンの耐久試験は長時間・長期間にわたり、CANと多数の物理量チャンネルを継続記録する必要があります。系統が分かれていると、長時間データの一元管理・トレースが煩雑で、異常発生時の原因追跡に手間がかかります。データが分散すると、異常イベント前後の状態を横断して振り返れず、耐久性評価や不具合再現の判断根拠として使いにくくなります。
エンジン台上・耐久試験の同期計測ポイント
CAN FDと吸排気温・圧力・ひずみをNR-Xシリーズに一元入力し、同一時間軸で同期収録して多元データを評価します。
CANと物理量を
NR-Xに一元入力
CAN FD信号と、熱電対(吸排気温)・圧力・ひずみゲージ・電圧を、マルチ入力データロガーNR-Xシリーズの各入力ユニットに混在接続します。
同一時間軸で同期収録
CAN上の制御値と物理量を同じタイムスタンプで同期サンプリング。台上試験・実車評価の多元データを1台で一元記録します。
エンジン挙動の
相関を解析
回転数・スロットル開度などのCAN値と、吸排気温・圧力・ひずみの変化を波形で重ね、燃焼・過渡応答・応力の因果関係を読み解きます。
耐久試験の
長時間トレース
長時間の連続記録でCANと物理量をまとめてトレースし、耐久性評価や異常イベントの原因追跡に活用します。
エンジン試験のデータ計測方式の比較
計測方式によって、CANと物理量の混在入力・同一時間軸の同期・長時間連続記録への適合に大きな差があります。
| 比較項目 | NR-Xシリーズ (マルチ入力データロガー) |
汎用CANロガー(単体) | オシロ・メモリレコーダ(短時間) | PLCデータ収集(制御用) |
|---|---|---|---|---|
| CAN+物理量の多入力混在 | ○ CANと熱電対・ひずみを1台に混在 | × CAN信号が中心 | △ 電圧系が中心 | △ 専用ユニットが必要 |
| 同一時間軸での同期 | ○ CANと物理量を同期収録 | △ 別系統と時刻合わせが必要 | △ チャンネル数が限定的 | △ 制御周期に依存 |
| 長時間連続記録 | ○ 耐久試験の長期記録に最適 | △ 保存容量に依存 | × 短時間の波形取得向き | △ 保存容量に依存 |
| 絶縁・ノイズ耐性 | ○ チャンネル間絶縁で試験環境に強い | △ 構成に依存 | △ 測定環境に依存 | △ 構成に依存 |
| 設置・配線 | ○ 1台集約で配線・同期がシンプル | △ 物理量計測を別立て | △ 都度セットアップ | × 制御設計と一体で手間 |
| 役割(得意領域) | ◎ エンジン試験のCAN・物理量を同期記録 | CANネットワークの取得 | 高速・短時間の波形解析 | 制御・監視用のデータ収集 |
NR-Xシリーズを選ぶ理由
マルチ入力データロガーNR-Xシリーズは、CAN FD信号と、熱電対による吸排気温・圧力・ひずみゲージによる応力といったエンジン試験特有の物理量を1台に混在入力し、同一時間軸で同期収録します。CANと物理量を別系統で記録すると生じる時間軸のずれを解消し、エンジンベンチ・耐久試験の多元データを同じタイムスタンプで突き合わせて解析できます。長時間の連続記録で耐久試験のトレースにも対応。CAN計測全般の考え方や信号仕様については、CANデータ計測のポータルページもあわせてご確認ください。本ページは、その中でもエンジン単体の台上・耐久試験における物理量同期のシーンに特化しています。
エンジン試験のCAN・物理量 同期計測に対応するNR-Xシリーズ
CAN FDと吸排気温・圧力・ひずみを混在入力できるマルチ入力データロガー。多元データを同一時間軸で連続収録します。
マルチ入力データロガー
NR-Xシリーズ
用途に応じた入力ユニットを組み合わせ、CAN FD・温度(熱電対)・圧力・ひずみ・電圧など異なる信号を1台に混在入力できるマルチ入力データロガー。エンジンベンチ・耐久試験において、CAN上の制御値と、吸排気温・圧力・ひずみといった物理量を多チャンネルで同期収録し、同一時間軸の波形として長時間連続記録します。1台に集約することで別系統の時刻合わせが不要になり、配線・同期がシンプルに。チャンネル間絶縁により試験環境のノイズに強く、台上試験・実車評価の多元データ解析や、耐久試験の長時間トレースに活用できます。入力ユニットの追加でチャンネル数を柔軟に拡張できます。
NR-Xシリーズの詳細資料を入手する
仕様・入力ユニット構成・導入事例をまとめたカタログを無料でダウンロードできます。
エンジン試験のCAN・物理量 同期計測の活用例
エンジン台上試験の多元計測・CAN FDと物理量の同期収録・吸排気温とひずみの同時記録など、試験・評価のさまざまな現場で活用されています。
エンジン台上試験の多元計測
エンジンベンチで、CAN上の回転数・スロットル開度と、吸排気温・圧力・ひずみをNR-Xシリーズに一元入力。多元データを同一時間軸で収録し、燃焼・過渡応答を横断して解析します。
CAN FDと物理量の同期収録
CAN FD信号と熱電対・ひずみゲージの物理量を1台で同期サンプリング。別系統の時刻合わせが不要になり、CAN値と物理量を同じタイムスタンプで突き合わせられます。
吸排気温・ひずみの同時記録
吸気・排気の温度(熱電対)と、エンジン部材のひずみ(ひずみゲージ)を多チャンネル同時に記録。熱負荷と応力の関係を捉え、耐久試験の評価に活用します。
エンジン試験のCAN・物理量 同期計測(NR-Xシリーズ)に関するよくあるご質問
- CAN信号と温度・ひずみを1台で同時に測れますか?
- 測れます。NR-Xシリーズは入力ユニットの組み合わせにより、CAN FD信号と、熱電対・圧力・ひずみ・電圧などの物理量を混在入力し、同一時間軸で同期収録できます。
- CAN FDに対応していますか?
- 対応しています。CAN FD信号を取得し、吸排気温・圧力・ひずみといった物理量と同じタイムスタンプで記録できます。詳細な対応仕様はカタログでご確認ください。
- 汎用のCAN計測とは何が違いますか?
- CAN計測全般の考え方や信号仕様はCANデータ計測のポータルページでご案内しています。本ページは、その中でもエンジン単体の台上・耐久試験で、CANとエンジン特有の物理量を同期させるシーンに特化した内容です。
- 別々の機器で測ると何が問題になりますか?
- CANロガーとアナログ計測器を別系統で運用すると記録開始時刻やサンプリング周期が異なり、時間軸がずれます。1台に集約すれば同期がとれ、エンジン挙動の因果関係を正確に解析できます。
- 耐久試験の長時間データも記録できますか?
- 記録できます。NR-Xシリーズは長時間の連続ロギングに対応し、CANと多数の物理量チャンネルをまとめてトレース。異常イベント前後の状態を横断して振り返れます。
- 実車評価でも使えますか?
- 使えます。台上試験だけでなく実車評価でも、CAN値と吸排気温・圧力・ひずみなどの物理量を1台で同期収録でき、多元データの一元管理に活用できます。
エンジン台上・耐久試験のCAN・物理量同期計測、お気軽にご相談ください
入力ユニット構成・CAN対応仕様・設置方法についてはカタログまたはお問い合わせフォームからご確認いただけます。CAN計測全般はポータルページもあわせてご覧いただけます。