実装ラインの各工程で静電気対策を怠ると起きる3つの課題
チップ実装ラインは工程ごとに帯電の発生要因が異なり、対策が不十分だと後工程・出荷後まで不良が流出します。
マウンタ工程でのチップ帯電によるESD破壊
マウンタでのチップピックアップ・搭載時は、部品と装置間の摩擦帯電が発生しやすく、電位差が生じた瞬間に静電破壊(ESD)が起こります。破壊は目視で分からず、検査を通過しても後工程や出荷後に不具合として顕在化するため、原因特定が難しく手戻りが大きくなります。ピックアップ直前での除電が欠かせません。
リフロー後・搬送工程でのESD/ESA(静電気吸着)
リフロー後や基板搬送工程では、コンベアやトレイとの接触・剥離により基板やコネクタ部が帯電します。帯電した基板同士が引き寄せられるESA(静電気吸着)が起きると、位置ズレや自動搬送エラー、搬送中の放電による実装部品の破壊につながります。搬送ライン全体を通じて継続的に除電しないと、原因不明の不良として後工程まで流出してしまいます。
コーティング前の帯電による異物付着・絶縁不良
基板コーティング前に静電気が残っていると、空気中の埃や異物を引き寄せてコーティング不良や外観不良の原因になります。異物付着は歩留まり低下だけでなく、微細な回路パターンのショートや絶縁不良にもつながりかねません。コーティング工程の直前で確実に帯電を取り除くことが、後工程の品質を左右する前提になります。
実装ラインの工程順で見る除電ポイント
マウント・搬送・コーティング前・検査。工程ごとの帯電要因に合わせて設置場所と機種を選定します。
マウント工程
ピックアップ工程
チップのピックアップ・搭載直前にイオナイザを設置し、部品の摩擦帯電をその場で除電してESD破壊を未然に防止します。
基板搬送工程
搬送ライン上に設置し、コンベア・トレイとの接触帯電を継続的に除電。ESA(静電気吸着)による位置ズレ・搬送エラーを防止します。
コーティング前工程
コーティング直前で基板の帯電を除去し、埃・異物の吸着によるコーティング不良・絶縁不良を防止します。
検査・出荷前工程
検査エリアの帯電を管理し、検査合格後・出荷後に顕在化する遅発ESD不良のリスクを低減します。
SJ-F700シリーズと従来イオナイザの比較
メンテナンス性・イオンバランス精度・稼働状態の見える化まで、実装ラインでの選定軸を比較します。
| 比較項目 | SJ-F700シリーズ (マルチセンシングイオナイザ) |
従来ブロアタイプ (制御なし) |
バータイプ (圧縮エア使用) |
|---|---|---|---|
| 針の清掃 | ○ 不要 オートクリーンで自動清掃 |
× 定期的な手作業清掃が必要 | × 定期的な手作業清掃が必要 |
| 針の交換 | ○ 不要 バリアブルDC方式採用 |
× 摩耗により定期交換が必要 | × 摩耗により定期交換が必要 |
| イオンバランス精度 | ○ 本体±3V/SJ-FB01併用で±1V | △ 経年で悪化しやすい | △ 機種に依存 |
| 除電速度 | ○ 最速0.5秒 | △ 機種に依存 | ○ 高速除電が可能 |
| 消費電力/エア使用 | ○ エア不要・ブロアで低消費電力 | △ 機種に依存 | × 圧縮エアで消費電力が大きい |
| 設備状態の見える化 (トレーサビリティ) |
○ LCD+内臓メモリ +SJ Managerで遠隔監視 |
× 稼働状態を確認する手段がない | × 稼働状態を確認する手段がない |
| 規格対応(ANSI-ESD等) | ○ ANSI-ESD-STM3.1 JIS C 61340-4-7等に準拠 |
△ 機種に依存 | △ 機種に依存 |
| PLC/IoT連携 | ○ Ethernetで簡単にPLC通信 | × 接点出力のみで数値データを取得不可 | × 接点出力のみで数値データを取得不可 |
SJ-F700シリーズを選ぶ理由
SJ-F700シリーズは針の清掃・交換が不要な完全メンテナンスフリーで、工程ごとに設置してもメンテナンス工数が増えません。マルチI.C.C.とフィードバックセンサでイオンバランス±1Vを維持し、工程間で機種を統一しやすい点も選定の決め手になります。
チップ実装・基板の除電に対応するSJ-F700シリーズ
完全メンテナンスフリーのマルチセンシングイオナイザ。実装ラインの各工程に合わせて設置できます。
マルチセンシングイオナイザ
SJ-F700シリーズ
SJ-F700シリーズは、電極針の自動清掃と自己診断を行うオートクリーンに加え、針の摩耗に応じて印加電圧を自動昇圧するバリアブルDC方式を採用し、針の清掃・交換が不要な完全メンテナンスフリーを実現します。3つのセンサでイオン量を制御するマルチI.C.C.により、本体のみでイオンバランス±3V、フィードバックセンサSJ-FB01を併用すると±1Vを維持。除電速度は最速0.5秒、除電エリアは最大3mに対応します。本体LCDディスプレイと内蔵メモリ(最長1年分)、無料の管理支援ソフト「SJ Manager」により、最大100台のイオナイザを遠隔監視・データ出力・レポート出力でき、実装ラインの除電状態をトレーサビリティとして残せます。ANSI-ESD-STM3.1、JIS C 61340-4-7等の規格にも準拠しています。
SJ-F700シリーズの詳細資料を入手する
工程別の設置ポイント・仕様・導入事例をまとめたカタログを無料でダウンロードできます。
チップ実装・基板の除電 活用例
実装作業ブースやテストハンドラ、基板の搬送ラインなど、ESD対策と異物付着防止の両面で活用されています。
実装作業ブースのESD対策
基板や電子部品を扱う作業ブースでは、作業者・治具・トレーの帯電が静電破壊(ESD)の原因になります。SJ-F700シリーズをブース内に設置して作業エリアを送風除電し、静電対策マットやリストストラップと併せてESDリスクを抑えます。
テストハンドラでのESD対策
テストハンドラのトレーやハンドリング部では、部品の着脱による摩擦帯電が繰り返し発生します。SJ-F700シリーズを装置上方に設置してトレー全体を除電し、チップの静電破壊や静電気吸着による搬送ミスを防ぎます。
基板への異物付着防止
搬送ライン上の基板は摩擦で帯電し、粉じんや異物を吸着します。SJ-F700シリーズで搬送中の基板を面で除電し、異物付着による実装不良や外観不良を防止。コーティングや検査の前の除塵にも有効です。
チップ実装の除電・イオナイザ選定に関するよくあるご質問
- 実装ラインのどの工程に除電が必要ですか?
- マウンタでのチップピックアップ、リフロー後の基板搬送、コーティング前、検査・出荷前など、部品や基板が摩擦・剥離帯電しやすい工程ごとに除電が必要です。SJ-F700シリーズは各工程に合わせて設置できます。
- 針の清掃・交換の頻度はどれくらいですか?
- 針の清掃・交換は不要です。自己診断付きオートクリーンが電極針の付着物を自動除去し、バリアブルDC方式が針の摩耗に応じて印加電圧を自動調整するため、完全メンテナンスフリーで使用できます。
- イオンバランスの精度はどれくらいですか?
- 本体のみでイオンバランス±3V、フィードバックセンサSJ-FB01を併用すると±1Vを実現します。3つのセンサによるマルチI.C.C.制御で、ESD対策に求められる高いイオンバランス精度を維持します。
- 複数台のイオナイザの稼働状況をどう管理しますか?
- 無料の管理支援ソフト「SJ Manager」で最大100台のイオナイザを遠隔監視・設定変更でき、ISOやANSI/ESD形式のレポート出力も可能です。本体内蔵メモリにも稼働データを最長1年分記録します。
- 従来のブロアタイプ・バータイプから置き換えられますか?
- 対応できます。ブロアタイプでありながらバータイプ同等の除電速度をエア消費ゼロで実現し、消費電力は従来のバータイプ比で大幅に抑えられます。工場エアの配管を増やさず置き換えられます。
チップ実装・基板の除電の課題、お気軽にご相談ください
工程別の設置構成・仕様についてはカタログまたはお問い合わせフォームからご確認いただけます。