外観検査 撮像設計ガイド

欠陥タイプ別・外観検査の撮像設計
傷・打痕・割れ・汚れなどの
欠陥に合わせた最適照明

外観検査は、欠陥の見え方に合わせた撮像設計で成否が決まります。傷・打痕・バリ・割れを分ける照明と判定アルゴリズムの考え方を整理します。

撮像設計を欠陥タイプから考えるべき3つの理由

「どう撮れば欠陥が写るか」を判断するために、撮像設計でつまずきやすい3つの視点を整理します。

欠陥は種類ごとに見え方が違う

傷・打痕・欠け・割れ・バリ・汚れは、同じ外観不良でも見え方がまったく異なります。傷やバリは微細な陰影として、打痕やへこみは表面の凹凸として、汚れや異物は色や濃淡の違いとして現れます。この違いを踏まえずに一律の撮り方で検査すると、ある欠陥は写っても別の欠陥は写らないという事態になります。まず「検出したい欠陥がどう見えるか」を分解して捉えることが、撮像設計の出発点です。

照明・撮像を誤ると欠陥が写らない

外観検査の成否は、8割が撮り方(照明と撮像)で決まるといわれます。同じ欠陥でも、照明の当てる角度・色・拡散の仕方によって、はっきり写ることも背景に埋もれることもあります。反射する金属や光沢面では、照明の映り込みが欠陥を隠してしまうこともあります。アルゴリズムを作り込む前に、まず欠陥がくっきり写る画像をつくる撮像設計が欠かせません。画像で見えないものは、どんな処理でも判定できません。

アルゴリズムも欠陥で使い分ける

撮像で欠陥を写せたら、次はどの判定アルゴリズムで捉えるかです。線状の傷は線欠陥抽出、面的な汚れは濃淡や面積、見え方が一定でない欠陥にはAIといったように、欠陥の性質に合わせて手法を選びます。数値で基準を管理できるルールベースと、想定外の不良まで捉えるAIは役割が異なります。撮像とアルゴリズムを欠陥タイプごとにセットで設計することが、安定した検査への近道です。

欠陥を確実に捉える撮像設計の4ステップ

欠陥の性質から照明・撮像・アルゴリズムへと落とし込む、設計の流れです。

STEP①
01

欠陥の性質を把握

検出したい欠陥が、陰影・反射・色・濃淡などどういった特徴で現れやすいかを整理します。

STEP②
02

照明を選ぶ

凹凸は低角度で陰影を作り、汚れは拡散光で均一に。反射面には偏光や照明配置で映り込みを抑えます。

STEP③
03

撮像方式を決める

形状と模様を分離するLumiTrax撮像など、欠陥をくっきり写す撮像方式を選び、背景と欠陥を分けます。

STEP④
04

アルゴリズムを選ぶ

濃淡・面積などのルールベースと、想定外不良に強いAIツールを、欠陥に合わせて使い分けます。

欠陥タイプ別・撮像と判定の設計早見

代表的な欠陥タイプごとに、見え方の特徴・有効な撮像/照明・判定アルゴリズムを整理します。

欠陥タイプ 見え方の特徴 有効な撮像・照明 判定アルゴリズム
傷・スクラッチ 細く浅い線状の陰影 低角度照明・LumiTrax撮像で陰影を強調 線欠陥抽出・傷レベル
打痕・へこみ 面の凹凸・ゆがみ LumiTraxで形状成分を分離 濃淡ブロブ・形状比較
欠け・割れ 輪郭の欠損・段差 背景と分離する照明・輪郭撮像 輪郭・エッジ・面積
バリ エッジからの微小な突起 低角度照明でエッジを際立たせる エッジ・輪郭・寸法
汚れ・異物 色・濃淡の違い 拡散光・マルチスペクトル撮像 濃淡・色面積・AIツール

「形状系は陰影、色・汚れ系は色差」で撮り分ける

傷・打痕・欠け・バリなど形状に現れる欠陥は、低角度照明やLumiTrax撮像で陰影・形状成分を際立たせるのが基本です。汚れ・異物・変色など色に現れる欠陥は、拡散光やマルチスペクトル撮像で色差を捉えます。反射面は偏光で映り込みを抑えます。撮り分けたうえで、ルールベースとAIを欠陥に合わせて使い分けると、見逃しと過検出の両方を抑えられます。

撮像とアルゴリズムを作り込める画像処理システムVS-Gシリーズ

LumiTrax撮像やマルチスペクトル、偏光に対応し、ルールベースとAIで欠陥タイプ別の検査を設計できます。

外観検査の撮像設計に使う 画像処理システム VS-Gシリーズ
撮像もアルゴリズムも作り込める

画像処理システム

VS-Gシリーズ

VS-Gシリーズは、欠陥タイプ別の撮像設計を1台で作り込める画像処理システムです。形状と模様を分離して撮像するLumiTrax、色の違いを捉えるマルチスペクトル撮像、映り込みを抑える偏光アタッチメントなどに対応し、傷・打痕・欠け・バリ・汚れといった欠陥がくっきり写る画像をつくれます。判定は、濃淡や面積といった数値で管理できるルールベースに加え、特定の不良を学習して過検出を抑える不良品学習AI(AI欠陥ツール)、良品との違いから想定外不良まで捉える良品学習AI(AI検出ツール)を組み合わせ可能。欠陥の性質に合わせて撮像とアルゴリズムをセットで設計できます。さらに、良品も含めた全数の検査画像を保存できるため、見逃し・過検出の原因分析や設定の見直しにも活用できます。手軽な定番検査には画像センサ(IVシリーズ)、作り込みが要る難しい外観検査にはVS-Gシリーズ、と使い分けられます。

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撮像設計が活きる外観検査の活用例

金属・光沢・微細など、対象に応じた撮像・照明の設計で欠陥を捉える活用例です。

鍛造部品の全面外観検査(傷・凹凸)

凹凸のある金属表面を複数カメラで全面検査。陰影を作る照明と形状分離の撮像で、傷や欠陥を安定して捉えます。

鍛造部品の全面外観検査 撮像設計 傷 凹凸 金属

ゴムホースの全周外観検査(光沢・曲面)

光沢のある曲面を全周から検査。映り込みを抑える照明と撮像で、曲面上の傷・欠陥を見逃さない画像をつくります。

ゴムホースの全周外観検査 撮像設計 光沢 曲面 反射対策

電子基板の外観検査(微細・多点)

微細な部品が高密度に並ぶ基板を検査。多カメラと適切な照明で、微小な欠陥や異物を高精細に捉えます。

電子基板の外観検査 撮像設計 微細 多点 電子部品

欠陥タイプ別・撮像設計に関するよくあるご質問

傷(スクラッチ)はどう撮れば写りますか?
細く浅い傷は、低角度から光を当てて陰影を強調すると写りやすくなります。形状と模様を分離するLumiTrax撮像を使うと、背景の模様に埋もれた傷も際立たせられます。
打痕・へこみに向く照明は?
打痕やへこみは面の凹凸として現れるため、形状成分を捉える撮像が有効です。LumiTraxで表面形状を分離すると、色や模様の影響を受けずに凹凸を判定しやすくなります。
欠け・割れの検査のポイントは?
輪郭の欠損や段差として現れるため、対象と背景をはっきり分ける照明と輪郭を捉える撮像が有効です。輪郭・エッジ・面積のアルゴリズムで欠損を判定します。
バリはどう検出しますか?
バリはエッジからの微小な突起です。低角度照明でエッジを際立たせ、連続的に計測していった際のエッジの異常点を検出するアルゴリズムで突起を捉えると検出しやすくなります。
反射する金属面の欠陥はどう撮りますか?
映り込みが欠陥を隠すため、偏光アタッチメントやLumiTrax正反射撮像を用いるのが有効です。
ルールベースとAIはどう使い分けますか?
見え方が一定で基準を数値管理したい欠陥はルールベース、見え方が一定でない・想定外の不良も逃したくない場合はAIが有効です。VS-Gシリーズは両者を組み合わせられます。

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