画像処理製品のシリーズ早わかり

5つのシリーズの位置づけを整理する

どれがどの検査に向くか、選ぶ順番はどうか

キーエンスの画像製品は、画像センサと画像処理システムの2系統に分かれ、さらに用途と規模でシリーズが分かれます。名前が似ていて迷いやすいところを、位置づけ・世代・選ぶ順番の3点で整理しました。

シリーズ選びでつまずく3つのこと

同じ「画像で検査する」でも、シリーズによって扱える範囲と立ち上げの手間が変わります。

画像センサと画像処理システムを混同する

画像センサはカメラ・照明・処理部が一体で、単一の検査を短時間で立ち上げる用途に向きます。画像処理システムはコントローラにカメラを複数台つなぎ、撮像方式や検査ツールを組み合わせて使います。どちらの系統かを先に決めないと、比較する土俵がそろいません。

世代の違いに気づかず旧世代の情報で判断する

画像センサのIVシリーズは第1世代から第4世代まであり、世代ごとにできることが変わっています。第4世代のIV4シリーズではAIによる画作りと学習ツールが加わりました。型番だけを見て古い世代の仕様で検討を進めると、実現できる範囲を見誤ります。

必要な撮像方式から逆算していない

LumiTrax・マルチスペクトル撮像・パターンプロジェクション照明・ラインスキャン・3次元検査のうち、どれが要るかでシリーズは絞り込めます。撮像方式を後回しにして画素数や価格から入ると、検査そのものが成立しない構成になりかねません。

画像製品を選ぶ4つのステップ

スペックから入らず、検査内容と現場の条件から順に絞り込みます。

STEP①
01

検査項目を決める

有無・品種判別・位置決め・寸法・文字/コード・外観のどれかを決めます。ここで画像センサで足りるか、画像処理システムが要るかが大きく分かれます。

STEP②
02

必要な撮像方式を確認する

対象の材質や欠陥の見え方から、通常撮像で足りるか、LumiTraxやマルチスペクトル撮像、3次元での撮像が要るかを確認します。

STEP③
03

カメラ台数と視野・分解能を決める

1台でよいのか複数台か、視野と必要な分解能から画素数を決めます。ここでコントローラの選択肢が絞られます。

STEP④
04

運用の要件を足す

設定変更の担当者、画像の保存要件、ロボットやPLCとの連携を確認します。運用条件でシリーズが決まることも少なくありません。

画像製品5シリーズの位置づけ

系統・得意な検査・撮像方式・カメラ構成などで横並びに整理します。

観点 IV4シリーズ VSシリーズ VS-Gシリーズ CV-Xシリーズ XG-Xシリーズ
系統 画像センサ(一体型) スマートカメラ 画像処理システム 画像処理システム 画像処理システム
得意な検査 ○ 有無・品種判別・位置決め・寸法・文字/コード ◎ 外観検査を含むあらゆる検査+AI対応 ◎ 外観検査を含むあらゆる検査+AI対応 ◎ 外観・寸法・文字認識を幅広く ◎ 高画素・ラインスキャン・3次元まで
AIの使い方 ○ 画作りAIと学習ツール(学習サーチ/学習OCR/学習カウント) ◎ 不良品学習AI・良品学習AI・ルールベースを組み合わせ ◎ 不良品学習AI・良品学習AI・ルールベースを組み合わせ × AI非対応 × AI非対応
特殊撮像 △ AI撮像で明るさ・ピントを自動調整 ○ ZoomTrax・LumiTrax・マルチスペクトル照明 ○ ZoomTrax・LumiTrax・マルチスペクトル照明 ◎ LumiTrax・マルチスペクトル撮像・パターンプロジェクション照明 ◎ 左記に加えラインスキャン・インライン3次元検査
カメラ構成 一体型(設置距離50mm〜3m以上) 一体型(標準ズーム/近距離ズーム/Cマウント) コントローラ+カメラ最大8台(31~6400万画素+3Dカメラ) コントローラ+カメラ最大4台(31万〜6400万画素の24種) コントローラ+高画素・ラインスキャン等を複数台
画像の保存 △ 用途に応じて外部に保存 △ 用途に応じて外部に保存 ◎ ビジョンストレージ内蔵で全数画像保存 ○ 本体メモリ・SDカード・VisionDatabaseで保存 ○ 本体メモリ・SDカード・VisionDatabaseで保存
ロボット連携 × 非対応 ◎ 2Dロボットビジョンに対応 ◎ 2D/3Dロボットビジョンに対応 ◎ 2D/3Dロボットビジョンに対応 ◎ 2Dロボットビジョンに対応
向いている場面 単一の検査を短期間で立ち上げたい 外観検査をAIで安定させたい 高難度な外観検査をしつつ、その記録も確実に残しておきたい 本格的な検査はしつつ、使い勝手も求めたい 高画素・広視野・3次元まで扱う

検査項目と撮像方式が決まればシリーズは絞れる

単一の検査を短期間で立ち上げるなら画像センサのIV4シリーズ、外観検査をAIで安定させるならVSシリーズ、記録まで求めるならVS-Gシリーズ、使い勝手も重要ならCV-Xシリーズ、高画素やラインスキャン・3次元まで扱うならXG-Xシリーズが軸になります。

選定の中心となる商品

検査項目が複数あり、撮像方式も含めて選択肢を持たせたい場合の基準になる画像処理システムです。

画像処理システム(グローバル・スタンダードモデル)

AI×ビジョンストレージ搭載 画像処理システム

VS-Gシリーズ

VS-Gシリーズは、専用ストレージを標準搭載し、1台のコントローラでトレーサビリティを確保できる点が特長です。32コアのAIエンジン内蔵の高速プロセッサにより、コントローラ上でAI画像検査を高速に処理します。さらにAIチューニングで対象画像を選ぶだけで設定が最適化され、調整時間を短縮できます。レンズ選定や物理的な調整が不要で、1機種のカメラでさまざまな撮像条件に対応できるため、作業者に依存しない長期運用に向いています。

VS-Gシリーズの詳細資料を入手する

カメラ・コントローラのラインナップと撮像方式をまとめたカタログを無料でダウンロードできます。

シリーズごとの使いどころ

同じ画像検査でも、シリーズによって向く検査と構成が変わります。

画像センサ:パーツフィーダー上の異品判別

供給部で流れる部品の種類を判別します。一体型で設置しやすく、学習ツールで短期間に立ち上げられます(IV4シリーズ)。

画像処理システム:クラッチディスクの品種判別と組付け検査

カラーカメラでスプリングの色による品種判別とセンター部品の組付け位置を検査し、3D判別ツールでスプリングの飛び出しも確認します。

画像処理システム:電子基板の外観検査と落下異物の検査

LumiTraxモードでチップ表面の印字の影響を受けずに欠陥だけを捉え、3D判別ツールで基板上の落下物や異物を検査します。

画像製品の選び方に関するよくあるご質問

画像センサと画像処理システムはどう違いますか?
画像センサはカメラ・照明・処理部が一体になっており、単一の検査を短期間で立ち上げる用途に向きます。画像処理システムはコントローラにカメラを複数台接続し、撮像方式や検査ツールを組み合わせて使います。検査項目が複数ある場合や、特殊な撮像が必要な場合は画像処理システムが選択肢になります。
IVシリーズの世代はどう見分けますか?
型番の数字が世代を表します。第1世代がIVシリーズ、第2世代がIV2シリーズ、第3世代がIV3シリーズ、第4世代がIV4シリーズです。第3世代でAIと学習ツールが搭載され、第4世代のIV4シリーズでは画作りまでAIが担い、学習サーチ・学習OCR・学習カウントなどのツールが加わりました。
CV-XシリーズとXG-Xシリーズはどちらを選べばよいですか?
検査項目が幅広く、標準的な撮像方式で対応できる場合はCV-Xシリーズが基準になります。ラインスキャンカメラやインライン3次元検査を含む構成、あるいは複数台の高画素カメラを同時に扱う場合はXG-Xシリーズが向きます。
VSシリーズとVS-Gシリーズの違いは何ですか?
どちらもAIを使った外観検査に対応します。VS-Gシリーズはビジョンストレージを内蔵しており、良品を含めた全数の画像を本体に保存できる点が異なります。検査結果を記録として残したい場合はVS-Gシリーズを選びます。
AIを使えば設定は簡単になりますか?
学習によって設定の手間を抑えられますが、対象の見え方をそろえる画作りは引き続き重要です。IV4シリーズのAI撮像やVSシリーズのZoomTraxのように、画作り側を自動化する機能を併せて確認することをおすすめします。
実機を見てから決めることはできますか?
できます。対象物をお預かりしてのテスト撮像や、現場でのデモンストレーションを承っています。検査したい対象と現在の課題をお伝えいただければ、適したシリーズと構成をご提案します。

どのシリーズが合うか、対象物からご相談ください

検査したい対象と管理したい項目をお伺いすれば、適したシリーズと構成をご提案します。カタログまたはお問い合わせフォームからご相談ください。