OCR/OCV 印字読取りガイド

OCRとOCVの違いと使い分け
刻印・インクジェット・レーザー印字の
読取りのコツ

OCR(読む)とOCV(照合する)は目的が異なります。両者の使い分けと、印字方式別に読み取りを成功させるコツを整理します。

OCR・OCVを使い分ける前に押さえる3つの視点

文字の検査を安定させるために、OCRとOCVの違い・印字方式・誤読対策の3点を整理します。

OCRとOCVは目的が違う

OCR(Optical Character Recognition)は、印字された文字が「何と書いてあるか」を読み取る技術です。一方OCV(Optical Character Verification)は、あらかじめ決めた正しい文字と「一致しているか」を照合・検証する技術です。ロット・型番・日付が正しく印字されているかを確かめたいのか、書かれた内容を読み取ってデータにしたいのかで、必要な機能は変わります。まずOCRとOCVのどちらが目的かを切り分けることが、文字検査を成功させる出発点になります。

印字方式で読み取りの難しさが変わる

同じ文字でも、刻印・インクジェット・レーザー・ラベル印字では見え方がまったく異なります。金属刻印は凹凸で背景に埋もれやすく、インクジェットはドットの集合でかすれやにじみが出やすく、レーザー印字は下地と同系色で低コントラストになりがちです。印字方式を考えずに一律の撮り方で読もうとすると、読み取り率が安定しません。方式ごとの見え方に合わせて撮像と照明を設計することが欠かせません。

誤読対策が成否を分ける

文字検査でよくある失敗は、似た文字の取り違え(0とO、1とI)や、かすれ・欠損による読み落としです。読み取り率だけを追うと、誤って合格させてしまう誤読が残ります。実務では、使用するフォントを登録する、読みにくい文字を追加で学習させる、桁数やチェックディジットで妥当性を確かめるなど、誤読を減らす作り込みが重要です。撮像・照明とあわせて、誤読対策まで含めて設計することが安定運用の鍵になります。

印字方式別・読み取りを成功させるコツ

刻印・インクジェット・レーザーそれぞれの見え方に合わせた撮り方と、誤読対策のコツです。

方式①
01

刻印(凹凸)

金属などの刻印は、低角度照明で陰影を作り、凹凸を文字として際立たせます。学習OCRで背景に埋もれた文字も読みます。

方式②
02

インクジェット(ドット)

ドットの集合でかすれ・にじみが出やすい印字は、ドットを1文字として結合し、かすれに強い学習OCRで読みます。

方式③
03

レーザー(低コントラスト)

下地と同系色で薄い印字は、照明とコントラスト強調で文字を浮かせ、同系色にも対応する学習OCRで読み取ります。

方式④
04

誤読対策

フォント登録や追加学習で似た文字の取り違えを抑え、桁数・書式のルールで妥当性を確かめます。

OCRとOCVの使い分け

「読む」OCRと「照合・検証する」OCVは目的が異なります。観点ごとに違いを整理します。

観点 OCR(文字を読む) OCV(印字を照合・検証)
目的 書かれた文字を認識してデータ化 正しい印字と一致するかを確かめる
やること 文字列を読み取る 基準の文字列と照合し合否を出す
事前情報 不要(未知の文字も読む) 正解(あるべき印字)が必要
主な用途 ロット・型番・日付の読み取り、記録 印字の欠け・誤り・かすれの検出
向く場面 内容を知りたい・トレースしたい 正しく印字されたかを保証したい

「読む」ならOCR、「合っているか確かめる」ならOCV

内容を読み取ってデータにしたいならOCR、あらかじめ決めた正しい印字と一致するかを確かめたいならOCVです。実務では、日付やロットを読み取り(OCR)つつ、あるべき値と照合して欠け・誤りを検出(OCV)するなど、両者を組み合わせます。どちらの目的かを見極め、印字方式に合わせた撮像と学習OCRで作り込むことが、安定した文字検査につながります。

難しい印字も読み取る学習OCR搭載の画像センサIVシリーズ

文字を囲うだけで設定でき、刻印・かすれ・同系色など難しい印字にも対応。OCR・OCVを手軽に自動化します。

学習OCR搭載 AI搭載 画像センサ IVシリーズ 印字・刻印の文字検査
文字を囲うだけで学習OCR

AI搭載 画像センサ

IVシリーズ

IVシリーズは、学習OCRを搭載したAI搭載の画像センサです。読み取りたい文字を囲うだけで設定でき、専門知識がなくても文字検査を立ち上げられます。濃淡の薄い文字、スジ抜けや汚れ、大きな欠損のある文字にも対応し、金属刻印・狭ピッチ・変形文字・下地と同系色の印字・円弧状の配置・半導体のSemiフォントなど、難しい印字を安定して読み取ります。読みにくい文字やロゴ・特殊文字は追加学習で対応でき、日付・ロット・型番の読み取り(OCR)や、あるべき印字との照合による欠け・誤りの検出(OCV)に活用できます。ワーク通過を自ら検知するAIトリガで配線の手間を抑え、既存ラインへの後付けも容易です。まず1台から印字・刻印の検査を自動化し、より高度な文字検査や多点検査が必要になれば、画像処理システムのVS-Gシリーズ等へ広げられます。

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印字方式別・文字読み取りの活用例

刻印・印字など、方式に応じた撮像と学習OCRで文字を安定して読み取る活用例です。

刻印文字の読み取り(刻印)

凹凸の刻印文字を、陰影を作る照明と学習OCRで読み取り。金属やウェハなど背景に埋もれやすい刻印も安定して認識します。

刻印文字の読み取り 学習OCR 刻印 半導体

フィルム包装の印字読み取り(レーザー印字)

光沢フィルム上のレーザー印字読み取り。フィルムのしわの状態によって光沢具合が変化しても、学習OCRが安定した読み取りを可能にします。

フィルム包装の印字読み取り 学習OCR インクジェット 印字

OCR・OCV/印字検査に関するよくあるご質問

OCRとOCVの違いは何ですか?
OCRは書かれた文字を読み取る技術、OCVはあらかじめ決めた正しい印字と一致するかを照合・検証する技術です。内容を知りたいならOCR、正しく印字されたかを保証したいならOCVを使います。
金属の刻印文字は読み取れますか?
読み取れます。低角度照明で凹凸に陰影を作り、背景に埋もれた文字を際立たせます。IVシリーズの学習OCRは金属刻印やSemiフォントにも対応しています。
インクジェットのかすれた印字はどうしますか?
ドットの集合をひとつの文字として結合して読み取ります。かすれ・にじみ・スジ抜けに強い学習OCRを使うと、ドット印字も安定して認識できます。
レーザー印字が薄くて読めません。
下地と同系色で低コントラストになりがちです。照明とコントラスト強調で文字を浮かせ、同系色にも対応する学習OCRで読み取ると安定します。
誤読(似た文字の取り違え)を減らすには?
使用するフォントを登録し、読みにくい文字を追加学習させることで取り違えを抑えられます。桁数や書式のルールで妥当性を確かめると、さらに誤読を減らせます。
特殊フォントやロゴにも対応できますか?
対応できます。IVシリーズの学習OCRは、追加学習によってロゴや特殊文字も読み取り対象に加えられます。標準では読みにくい文字も覚えさせて認識できます。

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