ロボットビジョンで2D/3Dを選ぶ前に押さえる3つの視点
「2Dと3Dのどちらを選ぶか」を判断するために、つまずきやすい3つの視点を整理します。
2Dか3Dかで作業の成否が決まる
ロボットビジョンは、平面上の位置や向きを捉える2Dと、高さ・段差・体積といった立体情報まで捉える3Dで、実現できる作業が大きく変わります。平面の位置決めやアライメントには2Dで十分な一方、対象の高さがばらつく取り出しや、段差・凹凸のある検査には3Dが欠かせません。この分岐を誤ると、狙った作業がそもそも成立しません。まず「高さ情報が必要か」を見極めることが、方式選択の出発点になります。
「とりあえず3D」も「2Dで無理する」も失敗のもと
高機能だからと安易に3Dを選ぶと、構成が複雑になり立ち上げ・調整の負担が増えます。反対に、本来3Dが必要な作業を2Dで無理に組むと、位置ずれや取りこぼしが頻発します。大切なのは、作業に必要な情報の次元に方式を合わせることです。必要以上に高機能でも、機能不足でも、どちらもコストと工数の無駄につながります。要件から素直に方式を選ぶ姿勢が重要です。
カメラ・照明・ロボット連携まで含めて考える
ロボットビジョンは、カメラと方式だけでなく、照明の当て方、ロボットとの通信、座標を合わせるキャリブレーションまで含めた「構成」で成否が決まります。特にカメラとロボットの座標合わせ(キャリブレーション)は、精度と立ち上げ工数を大きく左右します。方式だけを比較して装置を選ぶと、現場で組み上がらないことがあります。工程全体の構成設計まで見据えて判断することが欠かせません。
2D/3Dを使い分けて導入する4ステップ
「高さ情報が要るか」から入ると迷いません。次の4ステップで構成まで設計します。
高さ情報の要否を判断
平面の位置決め・アライメントなら2D、高さ・段差・体積が要る取り出しや検査なら3Dに分岐します。
対象と視野・タクトを決める
対象物の大きさ・ばらつき、必要な視野の広さ、ラインのタクトから、カメラの水準を見極めます。
カメラ・照明を選ぶ
2Dは照明の当て方、3Dはパターン投影などの撮像方式を選定。2Dと3Dを同時に使う構成も検討します。
ロボット連携を設計
使うロボットとの通信・座標合わせ(キャリブレーション)を設計し、立ち上げと再現性を確保します。
2D・3D・2D+3D統合の使い分け
取得できる情報・得意な作業・構成の複雑さの観点で、ロボットビジョンの方式を比較します。
| 選定の観点 | 2Dロボットビジョン | 3Dロボットビジョン | 2D+3D統合 |
|---|---|---|---|
| 取得できる情報 | 平面の位置・向き | 高さ・段差・体積 | ◎ 平面+高さを同時取得 |
| 高さ・段差の検査 | × 苦手 | ◎ 得意 | ◎ 対応 |
| 位置決め・アライメント | ◎ 得意 | ○ 可能 | ◎ 高精度に対応 |
| 得意な対象 | 平面ワーク・印字 | 立体・凹凸ワーク | ◎ 幅広く対応 |
| ロボット連携 | ○ 対応 | ○ 対応 | ◎ 各社連携・自動校正 |
| 構成の複雑さ | ○ シンプル | △ やや複雑 | ◎ 1台に集約 |
| 向く用途 | 平面の位置補正・検査 | 立体の検査・取り出し | ◎ 2Dと3Dが混在する工程 |
「高さが要るか」で分岐し、混在するなら1台で統合
平面の位置決め・アライメントが中心なら2D、高さ・段差・体積が要る検査や取り出しなら3Dを選びます。両方が混在する工程では、2Dと3Dを1台で扱える画像処理システム(CV-X480D)に集約すると、構成をシンプルにでき、各社ロボットとの連携やキャリブレーションもまとめて設計できます。
2D+3Dを1台で扱える画像処理システムCV-X480D
2Dも3Dも同一システムで対応。各社ロボット連携と自動校正で構成を簡単にします。
画像処理システム
CV-X480D
パターン投影による3次元撮像を備え、平面の位置決め・アライメントから、高さ・段差・体積を捉える3D検査までを1台でカバーします。ロボットビジョンとしては、主要各社のロボットを選ぶだけで直結通信でき、ワンクリックのオートキャリブレーションで、誰が操作しても高精度な座標合わせを短時間で実現。設置位置がずれても即座に再校正でき、復旧も容易です。広視野・高画素のアライメントや、色判別と3Dを組み合わせた検査など、2Dと3Dが混在する工程を1台に集約することで、構成をシンプルにしながら、高度なロボット制御にも対応します。
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2D/3Dロボットビジョンの活用例
位置合わせ(2D)から高さを含む検査(3D)まで、方式の使い分けが活きる活用例です。
ばら積みピッキング
3Dロボットビジョンシステムにより、ばら積みのワークをピッキングします。
つかみずれ補正挿入 ・品種判別
ばら積みピッキング後のワークを2Dロボットビジョンシステムで高精度に位置決めします。同時にワークの品種・表裏・方向などの判別検査をおこないます。
プレース位置ずれ補正
プレースするトレイの位置ずれを検出します。つかみずれ補正で得たずれ量とプレースするトレイのずれ量をあわせて計算し、最適な補正量を算出します。
2D/3Dロボットビジョンに関するよくあるご質問
- 2Dロボットビジョンと3Dロボットビジョンの違いは?
- 2Dは平面上の位置や向きを捉え、3Dは高さ・段差・体積といった立体情報まで捉えます。平面の位置決めは2D、立体の検査や取り出しには3Dが向きます。
- 2Dと3Dのどちらを選べばよいですか?
- 「高さ情報が必要か」で分岐するのが基本です。平面の位置決め・アライメントは2D、高さ・段差・体積が要る作業は3D。両方が混在するなら1台で扱えるCV-X480Dが便利です。
- バラ積み部品の取り出しには何が必要ですか?
- 高さのばらつく対象を扱うため、立体情報を得る3D画像処理とロボット連携が前提になります。取り切れや干渉など失敗の原因と対策は、別ページで詳しく解説しています。
- どのメーカーのロボットと連携できますか?
- キーエンスの画像処理システムは主要各社のロボットに対応し、使用するメーカーを選ぶだけで直結通信できます。詳細な対応範囲はカタログまたはお問い合わせでご確認ください。
- カメラとロボットのキャリブレーションは難しいですか?
- キーエンスの画像処理システムはワンクリックのオートキャリブレーションを備え、誰が操作しても高精度な座標合わせを短時間で実現します。設置位置がずれても即座に再校正でき復旧も容易です。
- 1台で2Dと3Dの両方に対応できますか?
- 対応できます。CV-X480Dは、2次元検査と3次元検査を1台で組み合わせられます。
ロボットビジョンの構成、お気軽にご相談ください
2D/3Dの使い分けや構成設計については、カタログまたはお問い合わせフォームからご確認いただけます。