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3Dプリンター材料の基礎知識

3Dプリンターで利用される材料

3Dプリンターでは成形方法ごとに違う材料が使われます。
どの方式も材料を積層して造形するため、強度の面では、切削加工、射出成形に比べると劣る場合があります。

ABS樹脂

機能性が高いこともあり、電気機器の筐体、建材などの広い分野で使用されています。
粘着性があり、強度が高いのが特長で、サンドペーパーなどで磨くことができ、塗装もしやすい性質を持っています。
3Dプリンターでは熱溶解方式で使われており、200℃以上の高温で溶かしてノズルから一筆書きで造形します。
造形物は冷える過程で収縮し変形してしまうため、3Dプリンター内部を加熱し形状を保たせるなどの対応が必要なケースがあります。
また、ノズル径を⼩さくしにくいため、積層ピッチが0.2mm程度あり微細な造形には不向きです。

  • ・粘着性がある
  • ・強度が高い
  • ・塗装が容易
  • ・冷える過程で収縮
  • ・微細な造形は不向き

PLA樹脂

PLA樹脂は植物性由来の成分(トウモロコシ、ビート、イモ類、サトウキビなど)でできているため、熱溶解方式の3Dプリンターで溶かす際にも樹脂の臭いが気になりません。
ABS樹脂とは違い、低い温度で溶けるために冷える過程でゆがみが生じにくいのも特長の1つです。
そのため、大型の造形物を作る際にも変形を気にせず作ることができます。ただし、やすりなどで処理をするのが困難で、塗装もなじみにくい性質があります。

  • ・臭いが気にならい
  • ・低い温度で溶ける
  • ・ゆがみが生じにくい
  • ・やすり処理が困難
  • ・塗装がなじみにくい

アクリル樹脂

合成樹脂の一種で高い透明性が特長です。また着色が容易であることから無機ガラスの代用品として建築や乗り物の窓材、照明器具のカバー、標識などに利用されることが多くあります。
3Dプリンターでは、UV光による硬化速度が比較的早いためにインクジェット方式で使われます。
少量の液体樹脂の状態で吐出できるので微細な造形ができるのが特長です。透明性がある樹脂で造形できるので内部の検証などに利用できます。
一方で吸水率や耐熱性の問題もあるため、造形後の変形が生じる可能性があります。

  • ・透明性が高い
  • ・着色が容易
  • ・微細な造形が可能
  • ・耐熱性に難あり
  • ・吸水による変形

エポキシ樹脂

熱硬化性樹脂で、接着材や塗料として利用されています。電子機器の基板やI Cのパッケージとして使われるのは、寸法安定性や耐薬品性、電気絶縁性が高いためです。
アクリル樹脂と比較してUV光での硬化速度が遅く、光造形機の材料として使わるのが一般的です。
また、UV照射を停止しても硬化反応が継続するなど扱いが難しいところがあります。
一方で耐熱性や耐薬品性などの機能性が高い傾向があり、樹脂のバリエーションは多角化しやすい性質があります。

  • ・電気絶縁性が高い
  • ・耐熱性・耐薬品性がある
  • ・硬化速度が遅い
  • ・UV照射を停止しても
    硬化反応が継続する

ナイロン(PA・ポリアミド)

細かい粒子で、きめ細やかな粉末で形成されているポリアミド合成繊維の一種です。
表面は少しざらつきのある多孔質の素材になります。強度がありながらも、柔軟性を兼ね備えているので、曲げなどにも強い性質があります。
ウィンドブレーカーなどの防寒具に使用されている他、水着や釣り糸などにも用いられます。
粉末焼結方式の3Dプリンターで利用できる材料で、粉末をレーザで焼き固めて造形されます。強度があるためスナップフィットの検証に使用できます。

  • ・強度・柔軟性が高い
  • ・曲げに強い
  • ・粉の除去が手間

石膏パウダー

粉末接着方式で用いられる材料で、石膏に接着剤を塗布して造形をする際に色も着けられるため、模型やフィギアの造形に使われます。
石膏パウダーが安価なため材料費もリーズナブルです。しかし、石膏を接着剤で固めてあるだけなので、とても脆くデザインの確認以外の用途にはあまり向きません。

  • ・リーズナブル
  • ・とても脆い
  • ・粉の除去が手間

金属

3Dプリンターの材料として使える金属は現状は限られた種類で、一部のSUSやチタン、銅、アルミなどが該当します。
樹脂で造形する3Dプリンターは試作での利用が一般的ですが、金属造形は最終製品としての利用が見込まれます。
例えば航空機では金属造形による部品の採用が積極的におこなわれています。一方で量産品として使用するには、レーザで焼き固める際に熱ひずみが発生するため形状が限定されたり、造形時間がかかることが課題と言えそうです。

  • ・最終製品としての利用見込みあり
  • ・限られた金属のみ
  • ・熱ひずみによる変形

積層方法別の使用材料と特長

積層方法 特長 材料例
熱溶解積層方法
(FDM)
ノズルから、熱可塑性の樹脂を噴射して層を造ります。
安価な3Dプリンターは熱溶解積層方法が主流です。

アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)

ポリ乳酸(PLA)

ポリカーボネート(PC)

粉末焼結積層造形 粉末状の材料にレーザをあて、焼き固めて層を造ります。
樹脂材料以外に、金属系の材料が使用できます。

金属

ナイロン

ポプロピレン(PP)

光学造形方式 紫外線レーザを照射し、液体樹脂を硬化させて層を造ります。 エポキシ樹脂
インクジェット方式 ノズルから液状の紫外線硬化樹脂を噴射して、紫外線を照らすことで層を造ります。
積層ピッチが細かく高精細な造形ができます。
アクリル樹脂
石膏3Dプリンター 粉末状の石膏を硬化させて層を造ります。
フルカラーの対応もできます。
石膏

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