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ユーザー視点でみた3Dプリンター導入のきっかけ

自己体験から実感した可能性

キーエンスが初めて導入した当初は、3Dプリンターはまだ知る人ぞ知る存在でした。設計者の間でも実用性に疑問をもつ人もいるほどで、手軽に導入できる時代ではありませんでした。そんなときになぜ、FA(ファクトリー・オートメーション)の総合メーカーのキーエンスが3Dプリンターを導入し、やがて自社で開発まで始めたのか。その背景や目的をご紹介します。

導入はデザイナーの一言から

10数年前、キーエンスのデザイン部では、レビュー用のモックアップ製作にケミカルウッドという加工性に優れた材料を使っていました。しかし、手作業で削り出すので、1回の製作に、かなり手間がかかりました。そんなときに一人のデザイナーが見つけたのが、熱溶解方式の3Dプリンターです。
当時の3Dプリンターは、社内でもむしろ否定的な見方が多かったように思います。しかし最終的には、デザイナーの熱意に動かされる形で導入しました。使い始めてすぐにわかったことですが、3Dプリンターのあるなしで、デザインの効率が格段に違ったのです。
手間もかからず、自分の思い通りに造形できるメリットを実感したデザイナーは、開発などの他部署でも、3Dプリンターの良さを訴え続けました。導入当初は使用頻度もさほど多くはありませんでしたが、社内で認知されるようになるにつれ、稼働率も向上。今では他の開発者にもなくてはならないツールになりました。
開発者が口にをそろえて言うのには、企画開発型のメーカーとしての使い勝手の良さです。高精度な造形が、早く、簡単に、無理なく作れる。――あの時の気づきと使い込みがなかったら、キーエンスの3Dプリンターは生まれなかったかもしれません。

導入の目的と使い方

当初は3Dプリンターで試作したモデルでデザインを確認する、大きさを感じる、触ってみるなど、おもに開発用途に使っていました。3D CADやデッサンでわからない部分が直観的に理解できるようになるので、アイデアや設計を詰めていくうえでとても重宝しました。
しかし、そのうちデザインの確認だけでなく、社内プレゼンや関係部署とコンセンサスを得るうえでも大変役に立つことがわかりました。製造部門とも共通の認識が持てるため、生産工程で発生する修正を最小限に抑え、設計や開発段階での負担も軽減できるようになりました。

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