研究・開発現場レポート - ハイスループットを実践されている研究室のインタビュー

第12回 - 人工視覚システムの開発

太田 淳 氏

奈良先端科学技術
大学院大学
物質創成科学研究科
物質創成科学専攻
光機能素子科学講座
教授 工学博士
太田 淳 氏

目が不自由な人に光を取り戻す。
フォトニックLSIの技術を医療分野に応用

奈良先端科学技術大学院大学にて光機能素子科学講座を受け持つ太田淳氏。日本では数少ない人工視覚システムの開発をめざしている研究者だ。視細胞の機能不全による視覚障害者が光を取り戻せるように、人工視覚チップ(ビジョンチップ)の開発に尽力している。大阪大学医学部などとの連携によって、すでに急性臨床試験を行なうなど実用化に向けた研究を展開。独自方式によって開発中のチップは世界的に高い評価を得ている。医療の現場で普及するまでには克服すべき課題があるものの、10年後の実用化をめざして研究は着実に進んでいる。

失われた視覚を取り戻す研究が進行中

 厚生労働省の調査によると、日本における視覚障害者の数は30万人を超える。失明の原因としてはさまざまなものがあるが、中でも網膜の機能不全である網膜色素変性(RP)や加齢黄斑変性症(AMD)は、現時点で治療法がない難病とされている。特にAMDは米国で患者が多いとされているが、近年、日本でも患者数が増加傾向にある。これら2つの病気だけで全体の3分の1にあたる約10万人が視覚障害を患っていることになる。

日本における失明原因の割合

(図:日本における失明原因の割合)厚生労働省・難治性疾患克服研究事業「網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する研究」平成17年度研究報告書から引用


 失われた視覚を取り戻すための医療の取り組みの一つとして考えられているのが、人工視覚システムである。これは、網膜の機能不全に陥っている患者の多くでは、網膜細胞の一部が残存していることから、電気的に刺激することで光覚を誘発するというもの。眼球内に埋込んだデバイスを通じて外界画像に対応した電気刺激パターンを作成し、それを残存する網膜細胞に伝えることで視覚の回復を図ろうとする試みだ。

人工視覚における刺激部位はさまざまな箇所が検討されている。太田氏らの研究グループは、網膜刺激に該当する。

人工視覚における刺激部位はさまざまな箇所が検討されている。太田氏らの研究グループは、網膜刺激に該当する。


 現在、人工視覚システムの研究は世界中で行われている。特に米国およびドイツでは1990年代から研究が進んでいて、動物実験や臨床試験がすでに行われている。ところが、日本国内では研究者の数が限られているのが現状だ。




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