選定の流れ

条件と照らし合わせながら選定する

選定のポイントでは、流量計・流量センサを選定するときの基本的な基準と課題をまとめましたが、こちらのページでは実際に流量計・流量センサを選定する流れについてご説明します。流量計・流量センサはさまざまな種類があり、対象となる流体や目的にあわせて選定しないと求めている結果がえられません。そこで、選定のポイントであらかじめ準備した「測定対象を知る(何を測るのか?)」「測定目的を明確にする(何のために測るのか?)」という条件と照らし合わせながら選定する必要があります。

なお、配管径や液体などの条件を入力するだけで流量計・流量センサの選定を依頼いただくこともできます。回答は、選定の技術的な理由と合わせて、メールでお送りします。

選定順序

流量計・流量センサは、以下の順序で選定しましょう。

1.検出する流体の性質を確認する

検出する流体の種類や密度、粘度、導電率、混入物の有無、流量などの性質を確認しましょう。詳しくは選定のポイント 測定対象を知るを参照ください。

2.流量管理の目的を明確にし、検出方法を決める

監視と警報を行いたいのか、塗布量や噴霧量のコントロールをしたいのか、積算流量から流量の「見える化」をしたいのか、目的を明確にしたうえで最適な検出方法を検討します。詳しくは選定のポイント 測定目的を明確にするを参照ください。

3.製品仕様書を確認し、製品を絞り込む

流体の性質と流量管理の目的を明確にし、最適な検出方法と必要なスペックが確認できたら、製品仕様書で見て要求スペックを満たしているか検討します。

4.コストを比較検討し、最終決定をする

最終的にコストを比較し、導入する製品を決定します。その際に初期費用だけではなく、メンテナンスや修理などの運用コストも加味しましょう。流量計・流量センサ単体の価格ではなく、関連機器の価格と設置費、保守運用費も含めてコストを比較することが大切です。

>選定のポイント【価格編】はこちら

製品仕様書で確認すべき内容

流量計・流量センサを選定する際に、製品仕様書で確認すべき内容をまとめました。以下のポイントを確認し、要求スペックを満たしているか検討しましょう。

出力信号

出力信号には、電流や電圧、パルス、警報設定などの種類があります。パルス信号の場合は、その特性を理解したうえで使用する必要があるため注意が必要です。

電源

電源の電圧・電流を確認しましょう。製品によっては起動時に平常時の数倍の電流が流れるものもあるので、同一電源から複数の流量計・流量センサに電力を供給する場合には注意が必要です。

設置場所/設置方法

流量計・流量センサは、配管に割り込ませて使うものが一般的なので、割り込ませるスペースがあるのか、前後に直管部が必要なのか、どのように接続するのか、重量がある場合は架台が必要ではないかなど、設置場所・設置場所を検討しましょう。ちなみにキーエンスのクランプオン式流量計FD-Rシリーズとクランプオン式流量センサFD-Hシリーズは、配管を切断せずに挟み込むだけで流量管理ができるので、配管からのエア漏れや液漏れといったトラブルの心配もありません。

耐環境性

設置場所/設置方法に関連する内容ですが、設置する場所の環境も考慮する必要があります。製品によっては屋外や高温になる場所、直射日光に弱い製品もあります。そこで設置場所/設置方法に加えて、製品の耐環境性にも注意しましょう。

保守点検作業

実際に運用する際の保守点検作業も考慮し、メンテナンス性や耐久性、堅牢性なども確認しましょう。羽根車式などは可動部があり、軸受けが消耗するのでメンテナンスの手間がかかり、目詰まりなども起こしやすいので注意が必要です。電磁式などは可動部がないので、そのようなトラブルの可能性も最小限に抑えられます。

関連製品の有無

流量管理では、流量のほかに流体速度や流体圧力、流体温度などを同時に計測することがよくあります。また、流量の計測データをPLCやパソコンに送信する場合は、通信ユニットの有無なども確認しておきましょう。キーエンスでは、全シリーズで通信ユニットを設定し、瞬時流量や積算流量、制御出力状態などをPLCやパソコンに送信することが可能です。また、クランプオン式流量計FD-Rシリーズ、クランプオン式流量センサFD-Xシリーズは、センサ本体にレコーディング機能を内蔵しており、センサ単体でさまざまなデータを記録しておくことができます。

検出方式ごとの比較

最後に代表的な流量計・流量センサの対応表をご覧ください。

電磁式 カルマン渦式 羽根車式 浮き子式 熱式 差圧式 超音波式 コリオリ式
液体
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気体
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蒸気
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高温対応
微少流量
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中流量
大流量
粘度
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スラリー
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油・オイル
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精度
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メンテナンス性
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圧力損失
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気泡
-
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