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自動車用圧力センサの基礎知識
製造における今後の課題と解決策(1/2)

分類:
制御/センシング技術
自動車用圧力センサの基礎知識 製造における今後の課題と解決策

自動車用圧力センサの歴史は、エンジン制御に用いられる吸気圧センサからはじまりました。その後に路面状況や運転状況に合わせてダンバーの硬さや特性を変化させるサスペンションの油圧制御、エアコンの冷え方をコントロールする冷媒圧制御へ広がります。そして今日では、安全性や環境性能を高めるために排気圧やブレーキ圧、そのほかエアバッグやタイヤ空気圧など、さまざまな場所に自動車用圧力センサが用いられています。

こちらでは、自動車用圧力センサの基礎知識に加え、今後の展望と製造・検査工程における課題、その解決方法や自動化の事例などを紹介します。

新型センサ開発による高機能化と増産の背景

自動車用圧力センサは、エンジンの高効率化や排出ガスのクリーン化などを実現するために必要不可欠なパーツです。さらに今後は、自動ブレーキの義務化なども控えており、安全性向上でも高精度な圧力センサが求められています。またハイブリッドカーや電気自動車(EV)の普及により、圧力センサを含むセンシング技術の活用はさらに進むでしょう。このような背景もあり、自動車用圧力センサの世界市場は、2017年の42億1000万ドル規模から2025年には88億4000万ドル規模に拡大すると見込まれています。

自動車用圧力センサの世界市場予測

2017年:42億1000万ドル

2017年:42億1000万ドル

2025年(予想):88億4000万ドル

2025年(予想):88億4000万ドル
参考:Automotive Pressure Sensors Market by Application (ABS, Airbag, TPMS, Engine, HVAC, & Transmission), Technology (MEMS, Strain Gauge, & Ceramic), Transduction (Piezoresistive, Capacitive, Optical, Resonant), Vehicle, EV, & Region - Global Forecast to 2025(MarketsandMarkets)

そこで自動車業界では、新型センサ開発による高機能化と増産が進められています。具体的には、部品点数を減らす簡素化や小型軽量、そして信頼性を高める高い耐久性を目指し、各社が開発を行っています。従来以上に高精度な設計と製造が必要になり、高密度化した部品には高い検査精度が要求されます。そこで増産を見越した製造工程の自動化にも注目が集まっています。

自動車に使われている圧力センサについて

自動車は、数多くの圧力センサを利用し、その情報を得てエンジンやブレーキ、サスペンションなどを制御しています。こちらでは、自動車に使われている圧力センサの一例を紹介します。このほかにも多くの圧力センサが用いられています。

A:吸気圧センサ B:ブレーキ圧センサ、サスペンション油圧センサ C:エアコン用冷媒圧センサ
D:コモンレール圧センサ E:タイヤ空気圧センサ

吸気圧センサ

エンジンの吸気圧を検出し、燃料噴射装置を適正にコントロールすることで効率的な燃焼を実現し、パワーやトルクの特性のほか、燃費性能の向上を図ります。

排気圧センサ

ディーゼルエンジンにおける排気ガスフィルタの目詰まりを検出し、排気ガス清浄装置の最適制御を実現します。

ブレーキ圧センサ

マスターシリンダーの油圧を検出し、制動力の最適化を図ります。圧力センサは、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロール、走行姿勢制御に欠かせません。

サスペンション油圧センサ

ブレーキ圧センサと同様にトラクションコントロールや走行姿勢制御に欠かせないセンサがサスペンション油圧センサです。路面状況や運転状況に合わせてダンパーの油圧を調整するために圧力を検出します。

エアコン用冷媒圧センサ

車両空調システムにおけるエアコンの冷媒圧を検出し、コンプレッサーを最適制御することで快適な室内空間を実現します。

コモンレール圧センサ

ディーゼルエンジンの燃料噴射装置「コモンレールシステム」の制御にも圧力センサが必要不可欠です。燃料蓄圧を検出し、噴射制御を最適化することで出力や燃費、クリーンな排ガスなどを実現します。

タイヤ空気圧センサ

近年の自動車では、安全性の観点からタイヤ空気圧を常時監視する圧力センサの装着が当たり前になっています。

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