文字認識(OCR)で働き方が激変!?目視チェック&手入力を今すぐやめる方法
ハンディターミナルでバーコードや2次元コードを読み取って在庫・仕掛品・工程の管理、トレーサビリティを徹底的に効率化したい。しかし、実際の現場では管理・記録の対象となるすべてのモノやコトに、必ずしもバーコードや2次元コードが付帯しているとは限りません。人が数字や文字を目視確認し、手入力する場面が混在すると、余計な作業負担や工数・コストがかかるだけでなく、ポカミスが発生しやすい状況をも招きます。
今回はバーコードや2次元コードがない場合でも作業の手間と時間を削減し、ヒューマンエラーのリスクを解消する「文字認識(OCR)機能」を紹介。概要からその選び方や活用方法まで詳しく解説します。
- この記事でわかること
バーコードや2次元コードがない!突破すべき効率化の壁
さまざまな業界において、すべてのシーンでバーコードや2次元コードが素早くスキャンできる状況であるとは限りません。たとえルーティン業務でバーコード化を徹底している現場であっても、イレギュラーな対応で作業効率が低下してしまうことがあります。そんな代表的なシーンを下記に挙げ、そこで生じる管理・記録業務の課題や付帯するリスクについて考察していきます。
こんなとき目視チェック&手入力は非効率!
ハンディターミナルを導入していても、目視確認と手書きやPCのキーボード、ハンディターミナルのキー操作での手入力に頼らなくてはならないシーンを以下に挙げます。
在庫の使用期限(消費期限・賞味期限など)
あらゆる業界で原材料などの使用期限管理が必要です。特に食品・医薬品業界では、安全性に関わる重要事項です。入庫時に消費期限と商品データを紐づけたり、現品と在庫データを照合したりといった作業が目視チェックと手入力の場合、日々の業務において大きな負担となります。
部品などにDPMされたシリアルNo.やロットNo.
製造現場で、現品票や指示書にはバーコードが印刷されていても、納入された部品単体にはシリアルNo.やロットNo.のみが直接印字(DPM:ダイレクトパーツマーキング)されており、各工程での管理・記録作業が煩雑に。
工程での計測器や装置の数値データ記録
特に食品製造では、HACCP(ハサップ)導入の義務化により、材料投入量や加熱温度など工程に関する記録・管理項目が急増。各機器に表示された7セグ文字を目視確認して入力する作業が増えても、生産性を低下させるわけにはいきません。
現物にバーコード表示がないモノの受入・管理
現品票にはバーコードがあるのに、納入された部品のコンテナや箱、また、海外製の輸入原材料など現物側の表示はバーコード化されていないことがあります。目視チェックと手入力では、受入時のラベル発行に手間と時間がかかってしまいます。
物流の現場においては、貨物に上記と同様のイレギュラーがあった場合、倉庫スペースとOA機器がある事務所を行き来するなど、余計な手間と時間がかかってしまいます。
ポカミスのリスクが増大!目視チェック&手入力の危険性
文字や数字の目視チェックと手書きやタイピング入力、数字キー操作は、作業の手間と工数が増えるだけではありません。人間が目で見て入力する以上、必ず付きまとうのが、ヒューマンエラーの問題です。文字や数字の読み違い、入力時の書き間違いやタイピング入力時のミスといったポカミスを100%防止することは困難です。代表的なポカミスによるリスクや懸念される事象を以下に挙げます。
- 文字や数字の目視チェックと手動入力において、ポカミス発生は不可避
- ダブルチェックやチェックシートを導入しても、余計な工数がかかる一方で、完全なポカよけにはならず本末転倒
- 作業者の作業負担増。人為的ミスをリカバーするために、さらに工数が増加する悪循環
- 使用期限の登録ミスが原因で、不良在庫化によるロスが発生。損失規模によっては経営を圧迫する可能性も
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文字を瞬時に認識して読み取る技術「OCR」機能とは
バーコードや2次元コードがない場合の作業の手間や時間、ポカミスをなくす方法はたった1つ、目視チェックと手入力を今すぐやめるしかありません。それを可能とする技術が、「文字認識(OCR)」です。
そもそもOCRとは?
OCRとは、Optical Character Reader(またはRecognition)の略で、文字認識または光学文字認識と呼ばれます。ラベルの印刷、または部品に直接印字された文字列を読み取り、文字・数字を判別・認識し、データとして収集する技術です。ハンディターミナルのような業務用機器の場合、品番やロットNo.、シリアルNo.、使用期限などの日付を読み取ることが目的となるため、英数字の認識に特化されています。
OCR機能がプロに選ばれる理由
人間の目視確認の精度には経験値を問わず限界があります。さらに、その文字列をハンディターミナルのキーボタン操作などで手入力する場合、誤入力のリスクが伴います。また、近年スマートフォンやスマートスピーカーなどコンシューマー向け製品を中心に普及している音声認識は、現場の環境音や騒音、使用者の発音によって誤認識が生じることがあるため用途が限られます。そのため、文字認識(OCR)は、ミスができないプロフェッショナルの現場において、もっとも信頼性の高い技術として選ばれています。
ハンディターミナルのOCR機能はどれも同じ⁉
いいえ。読み取りの精度とスピードはとても重要です。誤認識したり、読み取り速度が遅かったりすると本末転倒です。また、使いやすさも重要です。プログラム開発や読み取りたい文字のフォントを毎回登録する必要があると、運用するまでに多くの手間と時間、費用を費やしてしまうことがあります。ハンディターミナルの文字認識(OCR)機能を導入する際に重要な選定ポイントを2つ挙げます。
POINT 1. 読み取り精度と高速性
さまざまな業界の現場を数多く知るキーエンスでは、ハンディターミナルのOCR機能に、独自開発の文字認識アルゴリズムを採用しました。1億5000万セットの印字サンプルから学習した特徴データを用いることで、文字を正確に判定します。また、ハンディターミナル(BT-W300/W200シリーズ)本体には、トリプルコアCPUを搭載。従来比3倍の高速処理と高精度な文字認識を実現しています。
POINT 2. 簡単導入・スムーズな運用
キーエンスのハンディターミナルは、文字判定アルゴリズムによりフォントを登録する必要がありません。すぐにさまざまな文字を読み取ることができます。
また、ただ単純に文字を読むだけでなく、桁落ちや誤読などを防止し、素早く正確に運用できる状態にできることが重要です。
キーエンスのハンディターミナルなら、プログラム作成は不要。本体のOCRツールだけで幅広い設定が可能です。これにより、導入してすぐ業務改善を実践することができます。
ハンディターミナルでの文字認識(OCR)機能の活用・運用方法を詳しくまとめた資料を以下のボタンよりダウンロードいただけます。
また、ハンディターミナルのカタログもダウンロード可能ですので、ぜひ併せてご覧ください。
OCR機能を活用した業務改善&ポカよけ事例
ここまでバーコードや2次元コードがないシーンでの課題や文字認識(OCR)機能について説明してきました。ここでは、OCR機能を活用した具体的な業務改善事例を紹介します。
工場では、部品や原材料の入庫時にシリアルNo.やロットNo.の文字を読み取り、携帯プリンタに無線接続すれば、その場で瞬時に正確なバーコード付きラベルを発行でき、その後の管理もスムーズになります。
物流の現場においては、バーコードのない貨物に対し、どこでも素早くラベル発行が可能です。これにより、さまざまな現場で業務効率を大幅に向上し、ポカミスを阻止することができます。
このようにハンディターミナルでの文字認識(OCR)機能の活用することで、時短・ポカよけによる大幅な業務改善が実現します。
ここまで説明した文字認識(OCR)機能の導入事例の詳細や、業務改善の方法をわかりやすくまとめた資料を以下のボタンよりダウンロードいただけます。
また、これらの改善を簡単に実現するキーエンスのハンディターミナルのカタログもダウンロード可能ですので、ぜひ併せてご覧ください。
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