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CHAPTER 4
周辺機器

金型

1. 概要と分類

金型は、現代の製造業において大量生産に欠かせない部品です。樹脂を原料とした射出成形をはじめ、プレス加工や鋳造などで重要な役割を果たしています。現在ではミクロン・オーダーの高精度な金型を作り上げる技術が確立されており、幅広い分野で同じ形と品質の部品が量産されています。
金型の分類として、ダイ(die)とモールド(mold)が挙げられます。前者は金属板などを成形する際に用いられる金型です。代表的な用途としては、自動車のボディの加工があります。一方、後者のモールドは溶かした樹脂を用いて射出成形でプラスチック製品をつくる場合や、金属を溶かして流し込む鋳造の場合に使用されます。

射出成形用の金型(モールド)のイメージ

2. 金型の加工

金型用の材料としては、炭素やクロムなどを添加した工具鋼をはじめ、ダイス鋼、高速度鋼、超硬合金などがあります。最近はセラミックスを材料に用いる場合も見受けられます。金型材料の多くは難加工材であり、切削加工がしにくいという面があります。そのため、基本はマシニングセンタなどのNC加工機で切削しますが、精度を出すための研削といった後工程があるのが一般的です。
また、より微細な加工を行うために、各種の放電加工を用いる場合があります。これは放電現象による火花を利用して、加工物の表面を溶融しながら加工する技術です。精度の高い加工が可能であるほか、複雑な三次元形状の加工にも対応することができます。

3. 金型製造の現状

金型による量産は大きなメリットですが、一方で金型の製造では高度な技術が求められます。そのため、現在でも金型の専門メーカーが多数活躍しています。製造業の海外流出が加速し、金型製造の分野でも海外メーカーが進出しているとはいえ、精度が要求される金型については、今なお国内メーカーが強みを発揮しています。
金型づくりはマシニングセンタの普及によって、設備があればだれでもできると思われがちです。しかし、今なお金型製造が難しいとされているのは、CAD設計から材料や加工法の選択、自動化では難しい微細な加工などに関して、一貫した技術を持っていないと対応できないことが多いためです。
なお、近年は商品のライフサイクルが短く、多品種少量の製品が増える中で、よりスピーディな金型づくりが要求されています。一方で、まだ黎明期とはいえ、3Dプリンタの登場によって、製造業のあり方が大きく変わっていくことが予想されます。そこで金型技術のさらなる革新が欠かせない時代となっているのです。

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