光式レベルスイッチ
光式レベルスイッチは、発光素子と受光素子間の光量の変化を利用したレベルセンサです。主に、液中の沈殿物や比重の異なる2界面検出に使用されています。化学工場をはじめとする工業プロセスにおいて、界面の検出は重要な検出条件であり、界面を正確に制御することは、製品の品質安定へ寄与するとともに、今後開発される新素材のプロセスにも使用用途は広がると予測されています。
ここでは光式レベルスイッチの原理や構造などを紹介します。
原理
光式レベルスイッチは、発光素子と受光素子を対向配置させ、両素子間に光を遮断する物質がある場合とない場合の光量の変化を利用したセンサで、光源にはパルス変調した赤外光を利用して透明度の低い液体あるいは外乱光によるノイズの影響を低減しています。
構造
本体、フランジ、ガイドパイプから構成され、タンク内に挿入するガイドパイプはFEP、PFAなどのフッ素樹脂製で耐薬品性に優れています。
投光部と受光部が一体化され、透過方式にもかかわらず光軸調整は不要です。
測定液に比重/比誘電率/電気抵抗の差がない場合でも、光の透過度が異なれば界面の測定が可能です。
選定方法
測定液の性質
界面の測定は界面の明瞭さが必要です。攪拌などによりエマルジョン状態や泡が発生すると正確な位置を検出できない場合があります。
検出面に汚れが付着すると誤検出につながります。定期的な清掃が必要です。
注意点
設置環境
2本のガイドパイプが長い場合、曲がりおよびねじれ等が起きないようにサポート材などで保持することがあります。サポート材は、約1m間隔で取り付けます。
液面の流れが激しい場所、または攪拌機のあるタンクに取り付ける場合には、振動や流れによってガイドパイプが振れたり湾曲したりしないように、中間サポート材/下部サポート材を壁面にアングル等で固定します。
屋外で使用する場合は、検出部に直接太陽光があたらないような場所に取り付ける必要があります。やむを得ない場合は、太陽光をさえぎる遮蔽板を取り付ける必要があります。
まとめ
このページでは、光式レベルスイッチの原理や構造、選定方法・注意点について説明しました。
それらをまとめると、以下の通りです。
- 対向配置した発光素子と受光素子の間に、液体があるかないかを光量の変化で検出する。
- 比重や比誘電率・電気抵抗に差がない場合でも、光の透過度が異なれば界面の測定が可能。
- 検出面の汚れ、液のエマルジョン化や泡や泡立ちは、誤検出の原因になる。
検出する液体によって、レベル検査の方法もさまざまです。最適なレベル検査を行うには、それらの特徴を知り、正しく検査することが大切です。 このページで紹介した内容や他のページに記載しているレベルセンサの知識や事例について、1冊にまとめた資料「レベルセンサ ハンドブック」は、下記からダウンロードできます。