当社は、電子書籍ストアの「Reader Store(運営:株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント)」、「ブックパス(運営:KDDI株式会社)」(以下、総称して「両ストア」)と包括的なパートナーシップを結んでおり、両ストアの総合的な運営のサポート、電子書籍コンテンツの取次、企画の立案・実施など、電子書籍ストアの運営に関する各種事業をおこなっています。KIは、両ストアの購買状況の分析、プロモーション改善に活⽤しています。使⽤して1年が経過し、導⼊効果が確認できたので、先頃2年⽬の契約更新をしました。
株式会社ブックリスタ
株式会社ブックリスタ デジタルマーケティング部 部⻑ 北條 元⽒、前川 恵美⽒、呉 ⿍⽒にKIを導⼊した経緯とその効果について詳しく聞きました。
「電⼦書籍ストアでは、データ分析が顧客を知る唯⼀の⼿段です。データ分析の⺠主化を進めるため、KIを導⼊しました」
株式会社ブックリスタ
株式会社ブックリスタは、電⼦書籍に関する各種事業を展開し、電子書籍ストアの総合的な運営のサポートをしています。同時に「エンタメ×テック(知的好奇心×感動体験)」のヴィジョンの元、新規事業の創造に取り組んでいます。
創業 | 2010年 |
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従業員数 | 約100名 (2021年4月末時点) |
※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。
電⼦書籍ストアの総合的な運営のサポートにKIを活用
始めに、北條様から、KIを活用されている電子書籍関連事業についてお聞かせください。
ECではデータが顧客との唯⼀の接点
ブックリスタにとってのデータ分析の位置づけとは?
電⼦書籍ストアは、リアルな店舗と違い、顧客の顔を⾒ることや、顧客の性質や嗜好の変化を気配で感じとることができません。では、どうやって顧客を知るかというと、データを見ます。何が、いつ、どのように売れたのか、顧客はWebサイトという店舗をどう回遊しているか、そのデータを分析しています。私は、これが顧客を知る唯⼀の⽅法だと考えています。
販促活動は、すべてデータ分析の結果に基づいて企画しています。主な形態はキャンペーンとポイント付与の2種類です。まずキャンペーンは、基本的に商品(電子書籍)が主役になります。出版社側に「この電⼦書籍をもっと売りたい」という要望があり、それに応えてキャンペーンをおこなう、という構図です。ここでのデータ分析は、類似書籍の過去の販売状況などになります。
次に顧客へのポイント付与は、既存の顧客育成が⽬的であり、商品(電子書籍)ではなく、顧客個⼈を軸とする施策です。たとえば、休眠顧客のサイト再訪や再購⼊を促すには、「500ポイント進呈(有効期限何⽉何⽇まで)」のようにポイント付与します。あるいは、まとめ買いを頻繁におこなう顧客には、「5,000円のまとめ買いで、さらに割引」のように提案し、顧客単価の向上を図ります。
ポイント付与は対象を限定しないと、単なるバラマキになってしまいます。データ分析を使って対象を的確に抽出し、効果的に付与することが重要だと考えています。
KI導⼊前の課題
KI導⼊前の課題を教えてください。
大きな課題は、アナリストがいるデータ分析チームしか、ストアデータを十分に活用できなかったことでした。
従来は、社内のアナリスト数名がデータ分析をおこなっていました。企画担当者がデータ分析を必要と感じたら、アナリストに依頼するという流れです。最初はその流れで問題はありませんでした。
しかし、データ分析の依頼件数が増えるにつれ、アナリストがパンク状態になってきました。依頼待ちの⾏列ができ、分析を頼んでも結果が出るまで時間がかかることが増え、施策全体の進⾏が滞ることもありました。
では、どう解決すれば良いか。やはりデータ分析を、現場が⾃⼒でおこなう「データ分析の⺠主化」を実現しようと考えました。データ分析は、私たちが顧客を知る唯⼀の⽅法なので、誰もができた⽅がいい。私たちにとってデータ分析ツールは、WordやExcel並の普段使いのツールである必要がありました。
そんな課題意識を持っていた時、社内のメンバーからKIのことを聞きました。役に⽴ちそうな予感がしたので、さっそく私がセミナーに出席しました。
導⼊の経緯
セミナーの印象はいかがでしたか?
高収益を誇るキーエンスさんということで、専⾨的な⼩難しいセミナーかなと思っていたら、⾃分たちのデータ分析導⼊の奮闘記のような泥臭いお話で、親近感が湧きました。KIは、⾒るからに使いやすそうなツールでした。社員がこのツールを使い、新たなインサイトを得ていく、その状況がイメージできました。
その後、社内で検討した結果、「KIなら使いこなしていける」という結論に達し、導⼊が決まりました。
現場社員の感想 - 企画担当者 -
続いて現場の⽅に「KIを1年間、使ってみての感想、ビフォー・アフター」についてお聞きします。まず企画担当の前川様、いかがでしょうか?
実はKIを導⼊する前から、サイト利⽤率や顧客セグメント毎の傾向など、基本的な項目は⾃分で分析していましたが、さらに詳しい分析が必要になると、アナリストに依頼していました。
しかし、アナリスト側で分析タスクが積み上がり、分析結果が出るまで長期間を要してしまうことが多く、次の施策に分析結果を反映することが難しい場合がありました。とりあえず手元の基本データなどで仮定を作り、施策を始めてしまうこともありました。
また、顧客のストア利用状況に合わせたセグメント施策を実施するようになり、始めのうちは単純な切り口でも大きな問題はありませんでしたが、最近はより細かい視点、分析の必要性を感じるようになりました。たとえば、購買促進目的でポイント付与をおこなう施策は、乱発すると顧客が「もう少し待っていれば、たぶんポイント付与がある。それまで買わないでおこう」というように、販促したつもりが買い控えを誘発することがあります。
KIを使い始めたことで、以前は、詳細分析はアナリストに依頼し、結果はしばらく待つという状態でしたが、現在は、おおよその⽣データがKI上にインポートされているため、KIを使って⾃⼒で解析できる幅が広がる環境になりました。KIを利用した分析環境を企画者が活用していくためには、ストアのデータの種別、項目を理解する必要があります。
始めはデータの意味がぱっとわからず、データの用意にもかなりの時間をかけなくてはなりませんでした。いざ分析をするために、KIへ取り込んだデータをどう設定すれば目的の分析ができるのかも、見当がつけられないことがありました。しかし、キーエンスのデータサイエンティストと、実際のデータを一緒に確認しながら組み立てていくことや、目的を共有して新たな分析視点をご提案いただくなどをくり返すうちに、ツールにも、データにも少しずつ慣れて、できることが増えてきていると感じています。
KIを使うようになり、生のデータを扱い、目的に合わせた分析をKIで組み立てる、という経験を重ねることで、データ分析への理解が深まり、アナリストとも近い視点で分析の話ができるようになってきたと思います。
データ分析は、⽇々発⾒の連続です。感覚的に、予想していた顧客の離反傾向について、KIを使ってデータ分析をしたところ、数値的に実証された結果もあれば、顧客育成の観点で、予想とは違う切り口で継続に効くポイントが結果として出ることもあります。複雑なデータの組み立てが必要なものは苦労しますが、⾃分で分析できるようになると、やりがいも感じられておもしろいです。
現場社員の感想 - アナリスト -
続いてアナリストの呉様にお伺いします。KIを1年間使ってみていかがですか?
KIは、アシスタントが⼀⼈増えた印象があります。
データ分析の作業では、単純な基礎集計など下準備に⼿間がかかります。技術的には特に難しくないけれど、時間がかかり、⼈にまかせたい部分も多いです。
今は、KIにその作業をさせています。⽣データを投⼊すれば、基礎集計ができ、簡単なチャートもできます。以前に比べて負担が減ったので、その分、重要性の⾼い仕事に取り組めます。
探索的な分析を勝⼿にしてくれるのもいいですね。特定の値を最⼤にせよと課題を与えれば、⼤量の特徴量を⾃動出⼒してくれます。提⽰される特徴量の⼤半は使えないものですが、精査をすれば、良い特徴量が⾒つかります。KIが、初期段階のブレーンストーミングを代⾏してくれている感覚です。
今後の期待
管理職である北條様から⾒て、KIはいかがでしょうか?
今⼆⼈が語ったとおり、KI導⼊により、社内での「データ分析の⺠主化」は着々と進めることができそうで、管理職としては喜ばしいかぎりです。引き続き、社内の各部署、各社員へ活⽤範囲を広げていく予定です。
当社は、今後ともデータ分析の質、量を向上させることで、さらに顧客の知識を深め、より顧客に選ばれ続ける電⼦書籍ストアの発展に貢献していきたいと考えています。キーエンスさんには、その取り組みを、優れた技術、製品、サポートを通じて⽀援いただくことを希望いたします。今後ともよろしくお願いいたします。
株式会社ブックリスタ
「電⼦書籍ストアでは、データ分析が顧客を知る唯⼀の⼿段です。データ分析の⺠主化を進めるため、KIを導⼊しました」
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