物流センターの種類

物流センターには、「TC(トランスファーセンター)」「DC(ディストリビューションセンター)」「PDC(プロセスディストリビューションセンター)」の3つがあります。この3つの物流センターは、物流の基本なので必ず理解しておきましょう。また、この3つ以外に通信販売業における拠点として「FC(フルフィルメントセンター)」も存在します。こちらでは、それぞれの物流センターの特徴や機能についてご説明します。

TC(トランスファーセンター)

「TC(トランスファーセンター)」は、日本語で「通過型センター」と呼ばれています。通過型という名前のとおり、主な役割や仕分けや積み替えといったクロスドッキングで、荷物の格納・保管などは基本的に行いません。入荷した荷物はすぐに仕分け作業を行い、次の納入先へ出荷します。「DC(ディストリビューションセンター)」「PDC(プロセスディストリビューションセンター)」に比べて荷物に対して行う作業が少ないので、比較的小規模な機器・設備で運営できることが特徴です。しかし、入荷=即出荷となるので、入荷と同時に出荷情報が必要になり、入出荷の迅速な連携が必要不可欠です。

DC(ディストリビューションセンター)

「DC(ディストリビューションセンター)」は、日本語で「在庫型センター」と呼ばれています。物流センターで在庫を保管・管理し、店舗別・方面別に仕分けをして小売店やエンドユーザーに納品することが役目となります。いわゆる皆さんがイメージするスタンダードな物流センターでしょう。「TC(トランスファーセンター)」は入荷=即出荷というシンプルな業務内容でしたが、「DC(ディストリビューションセンター)」は、出荷業務や受注内容に合わせたピッキング、検品や梱包などの物流加工、指定納期に到着するように出荷するという基本的な物流センターの機能を備えています。ただし、「TC(トランスファーセンター)」に比べて大掛かりな設備が必要になるのでコストが高くなる傾向にあります。

PDC(プロセスディストリビューションセンター)

「PDC(プロセスディストリビューションセンター)」は、日本語で「流通加工・在庫型センター」と呼ばれます。 「DC(ディストリビューションセンター)」の流通加工機能を強化した物流センターというイメージです。 「DC(ディストリビューションセンター)」でも包装をしたり、ラベルを貼り替えたりといった比較的簡単な流通加工は行いますが、 「PDC(プロセスディストリビューションセンター)」との違いは、さらに鮮魚や精肉の加工、部品の組立や設置といった専門機器・設備が必要な高度が流通加工までできることです。保管型センターとしての機能に加え、工場に限りなく近いものづくりができる環境を整えた拠点施設と言えるでしょう。流通加工の機能が高いので付加価値を高めることができますが、そのためには防塵設備や温度管理設備、工場さながらの生産ラインや労働力が必要になります。

FC(フルフィルメントセンター)

インターネット通販の普及で大きく様変わりした物流業界ですが、この時代に注目を集めているのが「FC(フルフィルメントセンター)」です。 「FC(フルフィルメントセンター)」は、通信販売業における商品の管理・ピッキング・配送を行う物流センターです。エンドユーザーから受注を受けて迅速に発送するという販売業務を行う物流センターとも言えるでしょう。そのメリットは、商品の仕入れやエンドユーザーから受注、包装、発送、在庫管理、顧客データ管理、返品対応、クレーム対応、決済処理まで、すべて物流センターで完結するということです。また、通信販売を行っている事業者は、 「FC(フルフィルメントセンター)」のサービスを利用して商売を行うことで今までとは違った顧客にアプローチできたり、新たな決済方法を利用できたりといった恩恵を享受できます。

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