ラットの心臓の全体像から細胞単位まで容易に観察可能

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カスタマーボイス
澤 芳樹 氏

プロフィール

澤 芳樹 氏

大阪大学大学院 医学系研究科 外科学講座心臓血管外科教授
大阪大学医学部附属病院未来医療センター センター長
医学博士

1955年生まれ。1980年、大阪大学医学部卒業、大阪大学医学部第一外科入局。1989年、フンボルト財団奨学生として、ドイツのMax-Planck研究所心臓生理学部門、心臓外科部門に留学。その後、大阪大学医学部第一外科助手、医局長、講師を経て、2002年に大阪大学医学部臓器制御外科(第一外科)助教授、付属病院未来医療センター副センター長に就任。2004年、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科副科長。2006年、大阪大学大学院医学系研究科外科学講座心臓血管・呼吸器外科教授および大阪大学医学部附属病院未来医療センターのセンター長に就任。

重症心疾患の「第3の治療法」として
世界から注目を集める細胞シート治療

大阪大学大学院医学系研究科の外科学講座心臓血管外科で主任教授を務める澤芳樹氏。自ら臨床の最前線に立つかたわら、重症心疾患治療の研究に全力を尽くしている。2007年には、世界で初めて拡張型心筋症患者の心臓の機能を再生させる治療に成功。これは患者自身の脚の筋肉から採取した細胞を培養して細胞シートを作り、心臓に張りつけることで心臓の働きを再生させるという画期的な治療だ。従来の心臓移植や補助人工心臓といった治療法に加えて、重症の心臓病患者を救う、いわば「第3の治療法」として世界の注目を集めている。

01. 旧第一外科の伝統を継承し、最先端の医療を追究

大阪大学大学院医学系研究科の外科学講座心臓血管外科(旧第一外科)は、日本における外科学の発展をリードしてきた伝統を誇る。初代教授のFritz Hertel氏や、実質的な創始者といえる小沢凱夫氏、2代目武田義章氏をはじめ、代々の主任教授が先進の外科治療を開拓してきた。半世紀も前に日本で初めて人工心肺による開心術を成功させた曲直部寿夫氏や、人工臓器や複雑心奇形の外科治療で世界的権威の川島康生氏、心臓移植の再開に尽力した松田暉氏など、心臓外科治療に関して時代の先端を拓くことに常に挑戦してきた歴史がある。

また、心臓血管外科では重症患者の受け入れが多いにもかかわらず、開心手術の成功率は全国トップクラスの実績であるほか、日本経済新聞による心臓外科治療施設の格付けでは、最高ランク「AAA」を獲得している。

こうした伝統を引き継ぎつつ、澤芳樹氏もまた主任教授として前人未到の領域を開拓している。めざしているのは、より安全な心臓外科手術の追求とともに、難治性心疾患の治療法の開拓だ。

より安全な手術ということでは、人工心肺装置を用いずに心拍動下で行う低侵襲のバイパス手術や、ステント(網目状の金属製筒)を用いた動脈瘤の治療などを実現。「手術のすべてをメスで解決するのではなく、有用と考えられる新しい技術は、患者さんの立場で活用していきたい」という姿勢で治療に臨んでいる。

イメージ:重症心不全に対する治療戦略…
重症心不全に対する治療戦略。再生治療による普遍性の高い治療をめざす。

また、難治性心臓疾患の治療では、「重症心不全の克服が一番のミッション」と語っているように、心臓移植と補助人工心臓の両面から治療法を追究している。しかし、こうした外科的な治療は心筋そのものの機能を回復するわけではない。この壁を克服すべく、澤氏が取り組んでいるのが、心筋の再生治療である。

02. 世界で初めて自己筋芽細胞のシートによる心筋再生治療に成功

澤氏が当初試みたのが、患者本人の自己筋芽細胞を心臓に注入する方法であった。この方法は一定の治療効果があったものの、さらに効果を高めるには心筋細胞の投与方法が重要と考えた澤氏は、東京女子医大教授の岡野光男氏と共同で試行錯誤を重ね、8年かがりで新しい治療法を開発。それが自己筋芽細胞のシートによる心筋再生治療である。

イメージ:心筋シートによる心筋再生治療法の開発…
心筋シートによる心筋再生治療法の開発。培養した細胞を心臓の障害部位に移植して機能回復を図る。

2007年5月、澤氏のチームは拡張型心筋症の患者に対して世界で初めてこの治療法を実施。患者本人の脚から筋肉細胞を抽出して培養した後、直径約4cm、厚さ約0.1mmのシート状にして心臓に張ることで心筋の機能を再生することに成功した。治療前には補助人工心臓を装着し、心臓移植が必要とされていた患者であったが、手術の3か月後には心臓の収縮率が改善し、さらに補助人工心臓を取り外すことができるまでに血液の送出量が回復。その年の12月に患者は退院することができた。

この治療法は良好な細胞生着性を有することから評価は高く、心臓移植、補助人工心臓に続く「第3の治療法」といわれており、重症心不全患者に希望の光をもたらすことになったのである。

イメージ:骨格筋芽細胞シートによる治療…
骨格筋芽細胞シートによる治療。この技術は特許化されている。
イメージ:DCMハムスターに対する骨格筋芽細胞による…
DCMハムスターに対する骨格筋芽細胞による心筋再生。シート細胞(緑グラフ)の治療を受けたハムスターの生存率が格段に高い。

筋芽細胞…筋肉の構成要素である筋繊維の元となる細胞。単核の筋芽細胞が増殖し、さらに細胞同士が融合することで筋管細胞となり、さらに筋繊維となる。

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