ラットの心臓の全体像から細胞単位まで容易に観察可能

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カスタマーボイス

03. 再生治療の確立をめざす未来医療センター

この快挙に至るまで、澤氏は再生治療の研究と併行して、治療体制の確立にも尽力している。2002年からトランスレーショナルリサーチを目的に、大阪大学医学部附属病院内に設置された「未来医療センター」の副センター長、に就任。この運営に深く携わることで、再生治療に必要な施設や人員組織を整えていった。(2006年にはセンター長に就任)

再生治療に欠かせない自己筋芽細胞の培養に関しては、GMP(医薬品等の品質管理基準)に準拠したCPC(セルプロセシングセンター=細胞培養調製準備施設)を設立。また、必要な人材の育成と配置を行い、万全の治療体制を創り上げた。

この経緯に澤氏は次のように語っている。

これまでにだれも試みたことがない取り組みであっただけに、すべてが手探り状態からのスタートでした。国や製薬企業の支援を得て、ようやく体制を固めることができました。

このセンターは、未来に向けた新規治療法を開発支援する、橋渡し役の臨床研究センター。附属病院の一施設であるため、基礎研究で終わるのではなく、あくまで臨床の視点から、代替治療が見込めない重症患者さんを救うための手段を探究しています。センターが最終的にめざしているのは再生治療をバックアップする細胞培養のファクトリーです」

イメージ:大阪大学医学部附属病院の未来医療センター…
大阪大学医学部附属病院の未来医療センターの取り組み。文字通り、未来の医療を見すえた研究を推進するとともに、トランスレーショナル・リサーチを重視した内容となっている。

04. 重症心疾患の患者を一人でも多く救いたいという思い

新たな時代に向けた医療を追求する澤氏。そもそも医学の道をめざしたのは、医師であった祖父の影響を受けたことによる。さらに、高校時代にいとこが交通事故で亡くなったことも医師を本格的に志したきっかけとなった。

その後、心臓外科医として開心術で腕を振るい、数多く患者を救ってきた一方、日本では心臓移植が長年にわたって認められなかったことから、救いたくても手を差し伸べることができないまま、亡くなっていった患者も多数目の当たりにしてきた。脳死移植が認められた今も、ドナー不足などを理由に移植手術に至るケースは限られているのが現状だ。外科医として再生医療の実現に打ち込んできた背景には、医師としての使命感をいかに果すべきか、という根源的な思いが強くあった。

世界初の試みである細胞シートによる再生治療がゴールであるとは、澤氏は考えていない。さらに有効性の高い治療をめざすため、iPS細胞の活用も検討している。これをもとに心筋細胞をつくりだし、シート状にすることで、治療法を一層有望なものにしていく考えだ。

iPS細胞…人工多能性幹細胞。体細胞をもとに作りだす分化万能性のある幹細胞。理論的には、iPS細胞から身体のあらゆる組織を作りだすことが可能とされている。

05. 研究成果をいち早く患者に活かすため、実験の効率化・省力化を重視

心臓機能の再生治療の確立に向けて、精力的に研究を展開する澤氏。代替治療が見込めない重症患者を一人でも多く助けるため、治療法のスピード開発に向けた研究の効率化、省力化に余念がない。特に意識しているのが研究メンバーの育成と登用だ。

イメージ:澤氏
外来を受け持つ臨床医でもある澤氏。重症患者と真摯に向き合う中で、再生治療の必要性を強く感じている。

「若手の人材を育てるとともに、適材適所で活かして各人のモチベーションを高めて、一たす一が三以上となるように、組織力を生かした研究体制を築くことが重要です」と語る。それとともに、重視しているのが研究の効率化に向けた設備や機器への投資だ。

「研究活動における無駄をいかに省くかがカギ。特に世界規模の競争においてスピード感はますます大切になっています。そして、いち早く研究成果を出すことが患者さんのためになると肝に銘じています」と明言する。

しかし一方で、未知の治療法を開拓するには、「導入することでのベネフィットとリスクの関係をいかにクリアするかが重要」とも指摘する。拙速は絶対に許されず、前臨床試験で治療の有意性と安全性を厳密に検証した上で、ファースト・イン・マン(人への初めての投与)への移行が可能となる。「動物実験の段階で客観性のエビデンス(証拠)が厳密に行われなければならない」と澤氏は強調する。

若い頃、電子顕微鏡を用いた研究で博士号を取得した澤氏は、組織学の観点からのエビデンスを特に重視する。「細胞が増殖しているなど決定的な写真があるかどうかは、客観性を証明する決め手となります。もちろん、実験の数値データも重要でありますが、一つの写真が論文の価値を左右するといっても過言ではありません。それだけに、これからの時代は性能が優れていて、観察作業の効率化につながる顕微鏡を利用することが不可欠」と述べている。

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