暗室不要の蛍光顕微鏡が研究を大きく変えた

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カスタマーボイス

07. 『ヘイズリダクション』機能でクリアな画像に

佐谷研究室にてバイオレボを頻繁に使用しているのが、共同研究員の石本崇胤氏だ。現在、胃がんの発生に関する研究を手がけている。胃がんの原因として近年、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の関与が明らかになっているが、in vivoにおけるそのメカニズムについては完全に解明されたわけではない。石本氏はトランスジェニックマウスを用いた研究を通じて、胃がんが発生する分子レベルでのメカニズムを突き止めようとしている。

イメージ:石本氏
「手軽な操作できれいな画像を撮ることができる」と、「バイオレボ」についての感想を語る石本氏。

バイオレボについては、マウスの胃の全体像および切片の観察に用いている。
「従来、組織切片の蛍光顕微鏡での観察というと、敷居が高くて気軽に使えるものではありませんでした。第一に、観察をしようとすると、試料の入ったプレパラートを持って、別棟にある暗室に駆けつける必要があったのです。これはなかなか面倒なこと。その点、バイオレボは研究室内に設置でき、使いたいときにいつでも使用できて重宝しています」

石本氏は、実験が集中しているときはほぼ毎日のようにバイオレボを使用するという。
「何といっても画像がきれいな点が魅力です。蛍光ボケを除去できる『ヘイズリダクション』機能は重宝しています。ポイントとなる細胞が発現している様子がはっきりと分かり、説得力のある画像にできると思います」

イメージ:胃の蛍光拡大画像。「ヘイズリダクション」機能の処理前…
胃の蛍光拡大画像。「ヘイズリダクション」機能の処理前。緑部は慢性炎症の結果、上皮化生を起こした胃粘膜上皮。赤部は上皮から分泌された粘液。
イメージ:上記を「ヘイズリダクション」機能で処理した画像…
上記を「ヘイズリダクション」機能で処理した画像。蛍光ボケがなくなり、鮮明な画像になっている。

08. 論文用の画像はすべて「バイオレボ」で撮影

バイオレボは研究の効率化という点でも役立っている、と石本氏は言う。「標的の細胞の数を数えるのに、『セルカウント』機能を活用しています。素早くカウントできる上、正確なのでとても便利です。それまではカウンターを握って一つひとつ手動で数えていましたが、これだと半日がかりの作業でした。セルカウントなら、あっという間に完了します」

イメージ:胃の組織に増殖しているがん細胞…
胃の組織に増殖しているがん細胞。セルカウント機能を使う前の元画像。
イメージ:セルカウント機能を行なった画像…
セルカウント機能を行なった画像。緑色でマーキングされ、数を自動的にカウントすることができる

このほか、ソフトウエアが操作しやすく、だれでも直感的に使いこなすことができる点も大きな魅力だという。

研究所内には共焦点顕微鏡も設置されているが、「バイオレボ」の導入以来、ほとんど使わなくなったとのこと。「共焦点は所内で共用のために事前に予約を入れる必要があることから、いつでもすぐにというわけにいきません。その点、バイオレボは身近なところにあり、いつでも自由に使えます。それに研究に必要な観察、撮影、セルカウントといった作業をバイオレボですべて済ませることができ、たいへん便利です」と、石本氏は利用のメリットを語る。

現在、学会発表用の論文を仕上げているという石本氏。発表に用いる画像はすべてバイオレボで撮影した。

「胃がんをはじめとする消化器がんの発がんメカニズムは必ずしもよく分かっていません。その点、乳がんや白血病などは解明が進んでいます。私としては、消化器がんについて発生の仕組みを明らかにすることで、がん治療に役立ちたいと考えています」

09. がん治療のあり方を大きく変えていく可能性

イメージ:佐谷氏
「これまで積み重ねてきた基礎研究の成果を踏まえて、創薬にまでこぎ着けることで社会に貢献したい」と抱負を語る佐谷氏。

佐谷氏が取り組んでいるiCSCを用いたセルベースの研究は、今後、がんに対する創薬スクリーニングの一般的な方法になる可能性を秘めている。また、がんに限らず、遺伝性疾患や代謝性疾患にも有望とされている。

そして、何よりもめざしているのは、脳腫瘍などの難治性がんの治療法を生み出すこと。「世界中、どこでも同じ薬剤治療ができる基盤を提供したいと考えます。脳腫瘍を経口薬で治療できるようにするのが私の夢」と抱負を語る。

iCSCを用いた最先端の研究が今後進むことで、がん発生のメカニズムが明らかにされ、がん治療のあり方を大きく変えていくことになるだろう。現在、死亡原因第一位のがんが、いずれは「死に至る病」でなくなる日がやってくるかもしれない。

(2009年3月現在)

<豆知識> 人工がん幹細胞(iCSC)

iPS細胞の作製技術を応用して、人工的に作製されたがん幹細胞。マウスの骨髄造血系細胞や骨髄間質細胞に遺伝子操作を加えることで、悪性腫瘍をつくる人工がん幹細胞(iCSC=induced cancer stem cell)を作製することが可能になっている。人工がん幹細胞は、がん治療に向けた創薬に大きく貢献するはずだ。また、iPS細胞の臨床応用に向けて問題となっているがん化の機構を解明する点でも、iCSCは役立つ可能性を秘めている。

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