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CANとは

データ転送に使われるシリアル通信プロトコルです

CANとは、「Controller Area Network」の略で、ドイツのBosch社が開発したシリアル通信プロトコルです。CANと聞いて自動車を思い浮かべる方も多いかと思いますが、完成したのは1985年、実際に量産車に採用されたのは1990年が最初という比較的新しい技術なのです。その後、1994年に国際標準化機構(ISO)により標準規格(ISO11898/ISO11519)になりました。そして現在では、ほぼすべての自動車に採用されています。そのほか工場の自動化(FA:ファクトリーオートメーション)など幅広い分野で活用されています。

CANの必要性

現在では、工場をはじめ医療現場などでも活用されているCANですが、もともとは自動車内で使用することを前提に開発された技術です。その背景には自動車の高性能化によって増える電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)への対応が挙げられます。制御内容が複雑になれば入出力も増えてECUは大型化しますし、複数のECU間でデータを共有すれば配線も増加します。それによって複雑化し、重量や部品点数も増え、製造コストが跳ね上がってしまいます。その解決策が少ない配線でも高速かつ確実な通信ができる、シリアル通信プロトコルだったのです。

従来型の通信方式 CANを活用した通信方式
従来型の通信方式 CANを活用した通信方式
  • ・配線の本数が多い
  • ・重量が増加する
  • ・配線スペースを確保する必要がある
  • ・物理的な配線が増えて故障のリスクが上がる
  • ・故障診断の際にECUを個別に検査する必要がある
  • ・少ないハーネスで接続できる
  • ・ECU同士の通信が容易に行える
  • ・拡張性が高い
  • ・1つの情報を複数のECUで共有できる
  • ・ネットワーク全体の故障診断や処理が1ヶ所でできる
従来型の通信方式
従来型の通信方式
  • ・配線の本数が多い
  • ・重量が増加する
  • ・配線スペースを確保する必要がある
  • ・物理的な配線が増えて故障のリスクが上がる
  • ・故障診断の際にECUを個別に検査する必要がある
CANを活用した通信方式
CANを活用した通信方式
  • ・少ないハーネスで接続できる
  • ・ECU同士の通信が容易に行える
  • ・拡張性が高い
  • ・1つの情報を複数のECUで共有できる
  • ・ネットワーク全体の故障診断や処理が1ヶ所でできる

通信プロトコルの種類

車載ネットワークには「CAN」のほか、「LIN」「FlexRay」「MOST」などの通信プロトコルも利用されています。「LIN」はCANのサブネットワークとしての利用を想定し、低コストでシリアル通信が行える規格です。そして次世代車載ネットワークとして注目されているFlexRayは、CANよりも高速な通信が可能。CAN・LIN・FlexRayはエンジン制御などの通信に利用されますが、「MOST:Media Oriented Systems Transport」は、マルチメディア系の通信を想定しています。このように、CAN以外にもさまざまな通信プロトコルが存在するのです。

通信プロトコル 最大通信速度
CAN 1Mbps
LIN 20kbps
FlexRay 10Mbps
MOST 24.8Mbps
(50Mbps/150Mbpsの規格もあり)

上記のように通信速度が異なります。しかし、ハイスピードな通信プロトコルほどコストがかかるため、必要に応じて適したものを選択する必要があります。

CANの種類

CANは通信速度によって高速CAN「CAN-C」や低速CAN「CAN-B」のように分けられます。また、SAE(Society of Automotive Engineers)では、以下のように通信速度で分類。ただし、CANの通信速度は最大1Mbpsまでなので、クラスDはFlexRayやMOSTの領域になります。

クラス 通信速度 用途
クラスA ~10kbps ライト類、パワーウィンドウ、ドアロックなど
クラスB 10~125kbps メーターやオートエアコン、故障診断などのステータス情報系
クラスC 125kbps~1Mbps エンジンやトランスミッション、ブレーキの制御などのリアルタイム制御系
クラスD 5Mbps カーナビやオーディオなどのマルチメディア系

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