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パルス信号とは

電気信号の「波」――パルス信号

日本の家庭へ供給される交流電力の周波数は、東日本で50Hz、西日本で60Hzです。この「周波数」とは単位時間あたりに繰り返される電気信号の振動数であり、「Hz(ヘルツ)」は、1秒間あたりの振動数を示します。そして、このようにごく短時間に生じる、一定の幅を持った電気信号の波(矩形波/くけいは)を「パルス」または「パルス信号」といいます。

パルス信号の分類指標

パルス信号にはさまざまな種類があり、特性にとって分類されます。こちらでは、パルスのおもな分類指標をご紹介します。

1.回数による指標

事象が起きた際に1度だけ発生するものを単発パルス、繰り返して連続的に発生するものを連続パルスといいます。単発パルスは通過検知などに、連続パルスはモータの回転数計測などに用いられます。

回数による指標

2.継続時間(幅)による指標

パルスの立ち上がりからピークパワーの半値点と立ち下がりの半値点との間の時間間隔をパルス幅といいます。0.1μsec.という非常に小さいパルス幅のものから、数秒ものパルス幅を持つものまでさまざまなものがあります。

継続時間(幅)による指標

3.間隔による指標

繰り返されるパルスがオン・オフされる時間間隔による指標。パルス幅がパルスのオン時間を示すのに対し、こちらはオフ時間を示します。光通信などで、ビットレートを高速化するには、単位時間内にできるだけ多くのパルスを詰め込む必要があり、そのためには出力するパルス信号の間隔を短くすることが求められます。

間隔による指標

4.規則性による指標

パルスの発生に一定の規則性があるか、あるいはまったく不規則であるかによって分類されます。規則的なパルスとして代表的なものは「シリアル通信信号」、不規則なパルスとして代表的なものは「人検知」などがあります。

パルスの用途と変調方式

パルスの用途は、「入力された信号を用いて計測する用途」と「信号を出力して何かを制御する用途」に大きく分けられます。計測の基本的な用途としては、ロータリエンコーダなどを用いてモータの回転数を検出し、パルス信号から回転数を表示させたり、分析したりすることが挙げられます。パルスを用いて駆動を制御する代表的なシステムとして挙げられるのが、ステッピングモータ(パルスモータ)やサーボモータといったモータ類です。

これらのシステムを制御するには、電気信号の「変調」――すなわち、情報を伝送するうえでの「伝送媒体の性質に応じた信号の変換」が欠かせません。なかでもパルスの変化によって電気信号の伝送・生成を行う方式を「パルス変調」といいます。とくにモータ類の制御に多く用いられる変調方式が、「パルス幅変調PWM/Pulse Width Modulation)」と「パルス振幅変調PAM/Pulse Amplitude Modulation)」です。

パルスの用途と変調方式

パルス幅変調(PWM)

パルスの幅(継続して送る時間)と間隔(オン・オフの間隔)により、流す電流や電圧を制御する方式。ある期間における「パルスがオンである時間」の比率を「デューティ比(デューティーサイクル)」といい、これを変化させることにより最適な電圧を得ます。オン・オフの周期を早めることでオンのパルス幅に比例した電圧を得ることができ高効率であることと、優れた制御性を持つことが特長です。

パルス振幅変調(PAM)

パルス幅変調方式とは逆に、パルスの強さ(振幅)により、流す電流や電圧を制御する方式です。エアコンなどに用いられるパルス振幅変調インバータでは、整流部の電圧をコントロールすることでパルス電圧の振幅を変化させます。

その他のパルス変調

パルス符号変調(PCM/Pulse Code Modulation)

アナログ信号を一定の周期で標本化(サンプリング)し2進数に変換(量子化)することで、入力したアナログ信号をデジタル信号(パルス列)に変換するパルス変調方式。音声のようなアナログ信号をデジタル信号として伝送する際に用いられ、アナログ-デジタル変換とも呼ばれます。用途には、CD(CD-DA)、PCMレコーダー、Blu-ray(BDMV)などが挙げられます。

パルス密度変調(PDM/Pulse Density Modulation)

一定の幅に分割した時間内のパルスの密度により、波形を生成します。音声や映像などのアナログ信号をパルス列に置き換えることでデジタル信号に変換する方法のひとつで、従来用いられていたPCMよりも高音質な変換が可能。CDの新規格であるSACD(Super Audio CD)に用いられます。

パルス位置変調(PPM/Pulse Position Modulation)

一定幅の時間的なパルスの位相差(位置)に信号を変換するパルス変調方式です。パルスの位置によって情報が定められるため、ノイズの影響を受けにくいのが特長。交流電流の周期ごとのオン時間の割合を変化させることで電圧を制御し、照明の調光や熱源の温度調整などに用いられている「サイリスタ位相制御」の制御用パルスとして利用されます。

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