アナログ（電流・電圧）計測の用途・事例

温度や圧力、流量などの各種センサから出力される信号は連続的な値「アナログ信号」です。そのため研究開発・生産現場を問わず、アナログ信号の計測・記録は欠かせないものになっています。ここでは研究開発系用途と生産現場系用途に分けて、自動車や金属・樹脂、電子デバイス、食品など、各業界の一般的なアナログ（電流・電圧）計測事例をご紹介します。

研究開発系用途

車載試験時のデータ収集
引張試験の変位量計測
リチウムイオン電池の評価

生産現場系用途

殺菌後のボトル温度計測
押出成形機のマルチデータ収集
加工機の工具振れ・振動データ収集

研究開発系用途

自動車業界車載試験時のデータ収集

自動車の車載試験では、温度センサや圧力センサから出力されたアナログ信号を計測する必要があります。マルチ入力データロガーNRシリーズであれば、各種センサから出力された複数のアナログ信号を計測・記録できます。また、計測ユニットを追加することで吸気・排気温のような「温度」、走行時のボディの変形のような「ひずみ」、ECUから出力される「CANデータ」なども1台で同時計測が可能で、コンパクトな本体ながら多くの計測を1台に集約可能です。

金属・樹脂業界引張試験の変位量計測

各種材料の機械的性質を評価する引張試験では、変位計から出力されたアナログ信号を計測する必要があります。マルチ入力データロガーNRシリーズならマルチ入力対応なので、変位計からのアナログ出力のほか、ひずみゲージやロードセルの荷重データなど、複数のデータを同時に収集することが可能です。

電子デバイス業界リチウムイオン電池の評価

リチウムイオン電池の電気的特性の評価では、過充電にならないように高い精度で電圧測定を行う必要があります。マルチ入力データロガーNRシリーズの高速・高電圧計測ユニットは、1MHzサンプリング・分解能14bitを実現しているので、精度が求められる試験にも対応。また温度センサを用いることで、同時に電池の異常発熱や過充電などの記録もできるので、1台でリチウムイオン電池の評価が完了します。

電流・電圧計測について PDFでまとめてチェック

生産現場系用途

食品業界殺菌後のボトル温度計測

瓶やペットボトルなどの殺菌する際に、確実に殺菌されているか確認するために温度を記録する必要があります。温度計から出力されたアナログ信号を計測し、一定温度以上に上昇しているかをマルチ入力データロガーNRシリーズで計測・記録することで、殺菌の有無を判定することが可能です。温度データを記録することで、傾向監視により生産の安全性を確保でき、トレーサビリティ管理の観点からも有効です。

金属・鉄鋼業界押出成形機のマルチデータ収集

押出成形の安定生産を実現するためには、温度や圧力などの計測データをもとに制御する必要があります。マルチ入力データロガーNRシリーズであれば、押出工程における金型（ダイ）の温度や圧力、押出速度、吐出量などに加えて、成形後の寸法測定機からの出力も計測・記録可能です。成形時や成形後の各種データを詳細に収集できるので、押出成形ラインの安定化につながります。

金属・自動車業界加工機の工具振れ・振動データ収集

加工機にセンサを設置し、工具の触れ量・振動などを計測・記録します。正しく加工ができているときのデータと比較することで、工具の劣化や工具のチャックミスなどを知ることができます。また振れ量や振動が正常時と比べて変化した際に、いち早く知ることができるので予知保全にも役立ちます。工具の劣化や破損が起きる前にメンテナンスや交換ができるので、不良品の発生を減らすこともでき、生産の効率化と安定化に効果を発揮します。

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