Handheld Code Reader

HR-X500
プロの設定ガイド

この度はHR-X500をご採用いただき、誠にありがとうございます。HR-X500は4種類の照明と2種類のカメラを搭載し、多くのコードをそのまま読み取れます。このガイドでは、ワークに合った照明・カメラ・明るさに絞り込み、最も早く安定する読み取り設定をつくる手順を、分かりやすくご紹介します。

対象機種
HR-X500
設定ツール
Web Navigator(ブラウザ)
内容
7章+原理
FOR読み取り設定をご担当される方に向けた内容です
Web Navigatorにつながらないときは、よくあるご質問からご覧ください。
HR-X500の内部構造と照明
ハンディコードリーダHR-Xシリーズ
Point

HR-X500で、最も早く安定する読み取り設定をつくる

押さえるポイントは3つです。

01
明視野、暗視野を見極める
コードの背景が明るく写るか(明視野)、暗く写るか(暗視野)で、読み取りやすさは大きく変わります。ワークに当てたときの見え方を、まず確かめます。
02
照明、カメラ、明るさを限定し、見え方を確認
ワークに合う照明とカメラに絞り込み、明るさを整えます。条件を絞るほど、チューニングは速く、読み取りは確かになります。
03
画面を見ながらチューニング
Web Navigatorのライブビューで見え方を確かめながらチューニングします。結果はバンクに保存され、次からはその条件で読み取ります。
Check

設定完了の3つのサイン

この3つがそろえば、設定は完了です。

チューニング
「ピロリッ」
撮像が終わった後、しばらくして動作確認LEDが緑点灯し「ピロリッ」と鳴れば、チューニングは完了です。
→ 03 チューニング
読み取り率テスト
安定して読める
トリガーを引き続けて、読み取り率が安定していることを確かめます。
→ 03 チューニング
設定ファイル
保存済み
設定をファイルや設定コードに残しておけば、交換や増設のときにすぐ戻せます。
→ 06 保存・複製
Flow

このガイドの流れ

01〜05で読み取り設定をつくり、06・07で運用を楽にします。

CHAPTER01
Lighting

照明を使いこなす

直接光・偏光・拡散・2面の4種類の照明を、1台で切り替えられます
この設定でできること

安定して読み取るためには、照明を使いこなすことが重要です。ワークに合った照明を選ぶと、同じコードでも写り方が大きく変わり、安定して読み取れるようになります。

ワーク別 照明比較(直接照明・偏光照明・拡散照明・2面照明)

ワークごとの見え方の違い。赤枠(BEST)が最も安定して読み取れる照明です。

01-1ワーク別のおすすめ照明

上の比較から、ワークごとに最も安定した照明をまとめました。お使いのワークに近いものを目安にしてください。

ワークの例 おすすめの照明 見え方
鋳肌のドットピン刻印 直接光照明 ざらついた鋳肌の上でも、ドットがくっきり浮かび上がります
樹脂+フラックス 偏光照明 表面のテカリが抑えられ、コードのセルが見分けやすくなります
切削面・ヘアライン面 拡散照明 加工目(背景模様)が消え、コードだけがはっきり写ります
円筒面 2面照明 曲面でも照明のムラが少なく、コード全体が均一に写ります

01-2チューニング速度を上げる工夫

工夫 1

高分解能カメラに限定する

→ 分解能が上がり、コードが検出されやすくなる
工夫 2

照明を限定する

→ 条件が絞られ、より精度が上がる
工夫 3

明るさを調整する

→ 読み取り速度・チューニング速度が向上する
CHAPTER02
Connect

Web Navigatorを開く

ブラウザ上で、ライブビューを見ながら設定できます
この手順でできること

HR-X500の設定は、パソコンのブラウザで開く「Web Navigator」で行います。一度つながれば、ライブビューを見ながら照明やカメラを設定できます。

  1. HR-X500とパソコンをUSBで接続するHR-X500がUSBフラッシュドライブとして認識されます。ネットワークユニット(HR-NU2など)をお使いの場合は、HR-X500をつないだユニットをUSBケーブルでパソコンに接続します。
  2. USBフラッシュドライブ内の「SRHR_X_Series_USB_Driver」フォルダを、デスクトップにコピーする
  3. 「RNDIS」フォルダ内のファイルを実行し、画面の指示に従ってドライバをインストールする64bit OSは dpinst_64.exe、32bit OSは dpinst_86.exe を実行します。管理者権限をもつユーザーでログオンしてください。
  4. ブラウザを起動し、アドレス欄に次のアドレスを入力する
    ADDRESShttp://keyenceautoid.localWeb Navigatorが起動すれば、接続は成功です。
つながらないときは
・アドレス欄に http://keyenceautoid.local と正しく入力されているか、ご確認ください。
・HR-X500をパソコンとUSBで接続した状態で、デバイスマネージャのネットワークアダプタに「KEYENCE HR-X Series」が表示されているか、ご確認ください。表示されていれば、正しく認識されています。表示されていない場合は、RNDISのUSBドライバがインストールされていない可能性があります(手順3)。
・対応ブラウザは、Edge、Chrome、Safariです。
・HR-X500の再起動直後は、接続が不安定になることがあります。その場合は、ブラウザを再読み込みしてください。
・Web Navigatorと接続できるHR-Xシリーズは1台のみです。1台のパソコンに2台以上つながないでください。
設定を変えたら
Web Navigatorで設定を変更したら、必ず画面右上の設定送信を押してHR-X500に送信してください。HR-X500が再起動すれば、反映完了です。
CHAPTER03
Tuning

画面を見ながらチューニングする

ライブビューで、照明・カメラごとの写り方をその場で見比べられます
この設定でできること

チューニングすると、読みにくかったコードも読み取れるようになります。すでに読めているコードも、さらに速く読み取れるようになります。

03-1チューニングの5つの手順

Web Navigatorの画面を見ながら、同じ手順で操作していただけます。

  1. Web Navigatorの読み取りタブで、チューニング開始を押す
  2. ライブビューを見ながら、照明設定とカメラの種類を限定する01章の「ワーク別のおすすめ照明」が目安です。カメラは標準・高分解能から選べます。
  3. 明るさを調整する明るさの自動のチェックを外し、ライブビューを見ながらスライドバーで最適な明るさに合わせます。
  4. 角度を合わせこむ当てる角度で、背景が明るく写るか(明視野)暗く写るか(暗視野)が変わります。コードがいちばんはっきり写る角度を探します。
  5. コードに狙いを合わせ、トリガーを長押ししてチューニングする「ピッ」と鳴ったらトリガーを離します。撮像が終わった後、しばらくして動作確認LEDが緑点灯し「ピロリッ」と鳴れば完了です。チューニング結果を保存するバンクを選び、保存を押します。
Web Navigator 読み取り設定画面

Web Navigator「読み取り設定」画面。照明設定・カメラの種類・明るさをここで限定します。

03-2読み取り率テストで仕上がりを確かめる

WEB NAVIGATOR で

画面で読み取り率を見る

  1. 読み取りタブの読み取り率テストで開始を押す
  2. コードに狙いを合わせて、トリガーを引き続ける
  3. 安定して読み取れていることを確かめる。トリガーを離すとテストが終わります
HR-X500 本体で

パソコンなしで確かめる

  1. ファンクションボタンを何回か押し、ディスプレイにRead Rate Testを表示させる
  2. トリガーを引き続ける
  3. ディスプレイに表示される読み取り率を確かめる

03-3パソコンを使わずにチューニングする

現場ですぐに条件を合わせたいときは、HR-X500本体だけでもチューニングできます。

  1. ファンクションボタンを押し、ディスプレイにTuningを表示させる
  2. スキャナ部をコードに近づけて、トリガーを引き続ける
  3. 動作確認LEDが緑に点灯し「ピッ」と鳴ったら、トリガーを離してしばらく待つ
  4. 動作確認LEDが緑に点灯し、ブザーが鳴れば成功です(途中でやめるときは、もう一度トリガーを引きます)
この章の完了サイン
  • チューニング完了の「ピロリッ」
  • 読み取り率テストで安定
CHAPTER04
Technique

チューニングテクニック例

この例で分かること

読みにくいワークでも、照明かカメラをひとつ限定するだけで、写り方と読み取りの速さが大きく変わります。

CASE 01

ヘアラインワーク

拡散照明で背景模様を除去
対象ワーク
ヘアライン加工されたワーク
チューニング後の見え方
拡散照明で背景模様を除去した画像
CASE 02

PCB基板 極小コード

高分解能カメラ限定で応答速度UP
対象ワーク
PCB基板の極小コード
チューニング後の見え方
高分解能カメラに限定して読み取った画像

照明・カメラの限定は「ユーザーバンク」で設定

CASE 02では「カメラの種類」を高分解能に限定しています。照明設定・チューニング領域・明るさも、同じ画面で限定できます。

ユーザーバンクでカメラの種類を高分解能に限定した設定画面
CHAPTER05
Fine Tuning

チューニング後の調整

この設定でできること

チューニングで決まった条件を、さらに詰めます。読み取りの応答性が上がり、トリガーを引いてからの待ち時間が短くなります。

05-1デコードタイムアウト値を調整し、読み取り応答性アップ

Web Navigatorのバンク画面で、バンクごとに設定を確認・変更できます。

デコードタイムアウト値(×10ms)は、1回の撮像で読み取りにかける時間の上限です。この時間内に読めなければ、次の撮像に移ります。値を調整して、読み取りの応答性を上げます。

Web Navigator バンク設定画面 デコードタイムアウト値

05-2さらに速く、さらに確かにする2つの設定

読み取る対象が決まっているとき

チューニング結果だけで読み取る

読み取り条件をチューニング結果(ユーザーバンク)に限定すると、読み取り速度が上がります。

  1. 設定一覧→読み取り動作→システムバンクで無効(ユーザーバンクのみ)を選ぶ
  2. 設定送信を押す
複数のワークを読み分けるとき

チューニング結果を複数持たせる

ワークごとにチューニングして、結果を別々のバンクに保存できます。最大12個まで持てます。

  1. 読み取りタブでチューニング開始を押し、画面の指示に従ってチューニングする
  2. 結果を保存するバンクを選び、保存を押す
  3. ワークの数だけ繰り返す
CHAPTER06
Backup

設定を保存・複製する

本体ディスプレイの設定コードを読むだけで、別の機体に設定をコピーできます
この設定でできること

つくった設定を残しておけば、故障時の交換や、複数台を同じ設定にするときに、すぐに同じ状態を再現できます。

方法 A ・ WEB NAVIGATOR

設定ファイルに保存する

設定を「CONFIG.XPTC」ファイルとして保存し、あとから読み込めます。

  1. 保存:設定送信の横の▼→保存
  2. 復旧:▼→開く→CONFIG.XPTCを選んでOK
  3. 設定送信を押す

ファイル名はCONFIG.XPTCのままお使いください。

方法 B ・ 一括設定コード

設定コードを印刷しておく

印刷したコードを読み取るだけで、設定が切り替わります。

  1. 印刷:ユーティリティタブ→一括設定コード印刷→印刷プレビューから印刷
  2. 復旧:電源を入れ、トリガーを引いて「START」コードを読み取る
  3. トリガーを引いたまま、すべてのコードを読み取る(動作確認LEDがすべて点灯し、音が鳴れば完了)

300dpi以上のプリンタで印刷してください。HR-UC2やHR-NU2の設定も含まれます。

方法 C ・ 本体ディスプレイ

別のHR-X500に直接コピーする

パソコンも紙も使わずに、機体どうしで設定を移せます。

  1. コピー元の本体メニューで、設定コードをディスプレイに表示する
  2. コピー先(新しいHR-X500)の本体メニューで読み取りを始め、表示されたコードを読み取る
  3. コピー元のファンクションボタンで次のコードを表示し、すべて読み終えるまで繰り返す

メニューの操作はユーザーズマニュアル「8-4」をご覧ください。

CHAPTER07
Multidrop

SRシリーズと連動する固定式コードリーダと併用されている方へ

ホスト側に通信ユニットやプログラムを追加せずに、ハンディの読み取りを組み込めます
この設定でできること

SRシリーズと同じネットワークにHR-X500をつなぐと、SRがマスターとなって、HR-X500の読み取りデータもまとめてホストへ送ります。固定式で読めなかったワークを、作業者がHR-X500でその場で読み取る運用にもそのまま使えます。

  1. SRシリーズがつながっているHUBに、HR-X500を接続するSRシリーズがEthernet接続・RS-232C接続のどちらでも構成できます。
  2. HR-X500のIPアドレスを、SRと同じグループに設定するWeb Navigatorの使い方と接続先→Ethernetで設定します。例:SR=192.168.100.100、HR-X500=192.168.100.101
  3. SR側:AutoID Network Navigatorの動作モード→マスター/スレーブでグループ名を決め、マスターとして使用にチェックして設定送信する
  4. HR-X500側:Web Navigatorの設定一覧→マルチドロップで、固定式コードリーダーと連動を連動する(マルチドロップ)にし、SRと同じグループ名と局IDを設定して設定送信する局IDは、ほかの機器と重ならないように設定してください。
SRシリーズとHR-X500をHUB経由でEthernet接続する構成図

HR-X500と組み合わせる場合のEthernet接続の構成例。

SR-X300のマスター/スレーブ設定画面

SR側:[マスター/スレーブ]でグループ名を決め、マスターとして使用します。

HR-Xの固定式コードリーダーと連動する設定画面

HR-X側:[固定式コードリーダーと連動]を「連動する(マルチドロップ)」にし、グループ名と局IDを合わせます。

ご注意マルチドロップは有線タイプのみの機能です。SR側の設定の詳細は、お使いのSRシリーズのユーザーズマニュアルもご覧ください。
Principle

補足:原理(明視野と暗視野)

手順の裏側にある考え方です。必要に応じてご覧ください。

明視野と暗視野の光路図
BRIGHT FIELD

明視野:明るい背景の読み取り

正反射光を利用します。リーダーをワークに正対させると、照明の反射がカメラに戻り、背景が明るく写ります。

明視野で読み取ったコード画像
DARK FIELD

暗視野:暗い背景の読み取り

拡散反射光を利用します。リーダーを傾けると正反射光はカメラに入らず、刻印部で散った光だけが戻るため、背景が暗く写ります。

暗視野で読み取ったコード画像
BANK

システムバンクとユーザーバンク

ユーザーバンクは、チューニング結果を保存する読み取り条件です(最大12個)。システムバンクを無効にしてユーザーバンクだけで読み取ると、読み取り速度が上がります。

CAMERA

カメラの種類

HR-X500のカメラは「自動・標準・高分解能」から選べます。極小コードなど細かいコードは、高分解能に限定すると分解能が上がり、検出されやすくなります。

FAQ

よくあるご質問

QWeb Navigatorに接続できませんA次の点をご確認ください。
・アドレス欄に http://keyenceautoid.local と正しく入力されているか
・HR-XをパソコンとUSBで接続した状態で、デバイスマネージャのネットワークアダプタに「KEYENCE HR-X Series」が表示されているか
 表示されていない場合は、RNDISのUSBドライバがインストールされていない可能性があります(インストールには管理者権限が必要です。02章)。
・お使いのブラウザがEdge、Chrome、Safariのいずれかか
・1台のパソコンにHR-Xシリーズを2台以上つないでいないか
なお、HR-Xの再起動直後は接続が不安定になることがあります。その場合は、ブラウザを再読み込みしてください。
Qパソコンを使わずにチューニングできますか?Aできます。ファンクションボタンでTuningを表示させ、トリガーを引き続けてください(03-3)。
Qチューニング結果はどこに保存されますか?AWeb Navigatorでチューニングしたあと、保存するバンクを選んで保存を押すと、ユーザーバンクに保存されます。最大12個まで持てます(05-2)。
Q同じ設定を別のHR-X500にも入れたいA設定ファイル(CONFIG.XPTC)、一括設定コード、本体ディスプレイの設定コードの3つの方法があります(06章)。
QPLCとの接続設定の手順を知りたいAPLCメーカー・通信方式ごとにPLC接続ガイドをご用意しています。

生成AIアシスタントに質問する

設定やトラブルについて疑問があれば、生成AIアシスタントにご質問ください。HR-Xシリーズを選んだ状態で開くので、そのまま質問できます。24時間いつでもご利用いただけます。

生成AIアシスタントに質問する
質問例
チューニングしても読み取りが安定しません
ヘアライン面のDataMatrixを読ませたい
デコードタイムアウト値の決め方を教えて
Support

上記で解決しない場合は

以下のサポート窓口をご利用ください。専任の担当者がご対応いたします。

マニュアル・カタログ
設置・配線・詳細設定・仕様などを網羅した、HR-Xシリーズのユーザーズマニュアルです。
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フォームよりご質問・ご相談いただけます。
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0120-764-636
受付時間 8:30~20:00(土日・祝日除く)

HR-X500が、貴社の現場で長く安定してお役に立てれば幸いです。運用が始まってから生じたご不明点は、生成AIアシスタントやサポートサイトでいつでもご確認いただけます。

さらに詳しい情報はサポートサイトへ

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