医療チューブの外径管理が難しい3つの理由
一般的な樹脂チューブと同じ考え方では、医療用の要求には届きません。
マルチルーメン・多層構造で公差が厳しい
カテーテルは1本の中に複数のルーメン(内腔)を持ち、材質の異なる層を重ねた多層押出で作られます。外径が規格から外れると、ガイドワイヤーの通過性や血管内でのトルク伝達に影響し、手技そのものの成否に関わります。層構成が複雑なほど押出条件のわずかな変化が寸法に出るため、抜き取りではなく連続して外径を追い、変動の傾向を押出機へ戻す運用が求められます。
柔らかい素材には接触測定が使えない
医療用チューブは軟質樹脂やエラストマーが中心で、ノギスやマイクロメータで挟むと断面が変形し、正しい値になりません。押出直後は特に柔らかく、接触すれば傷や跡が残って製品が使えなくなります。走行中のチューブは張力や振動でわずかに揺れるため、非接触であることに加えて、位置や傾きの変化に強い測定方式が必要になります。
全数の記録が求められる
医療機器はISO 13485などの品質マネジメント規格のもと、製造記録の保存とトレーサビリティが前提になります。寸法検査も「基準内だった」だけでなく、いつどの値だったかを残せる必要があります。抜き取りの手記録では、不具合発生時に対象ロットを絞り込めません。ライン上で全数を測り、測定値をそのまま出力・保存できる仕組みが、品質保証の実務では重要になります。
押出ラインで外径を連続測定する4ステップ
押出直後から巻取りまで、走行させたまま測って記録し、条件に戻します。
押出直後の外径測定
ダイから出た直後のチューブ外径を非接触で測定します。触れずに測るため、まだ柔らかい状態でも変形させずに寸法を確認できます。
走行中の連続測定
16,000回/秒のクラス最速サンプリングで走行中のチューブを連続測定します。局所的に発生する外径変動も捉えられます。
フレ・傾きの補正
走行中のチューブは張力や振動で揺れます。モニタCMOSによる傾き補正と姿勢の自動補正により、フレがあっても測定値のばらつきを抑えられます。
記録とフィードバック
大容量データストレージ機能で最大40万点の測定値を保存し、Excelへ転送して出力できます。押出条件へのフィードバックとトレーサビリティを両立します。
医療チューブの外径測定の方式比較
柔らかい/細い/全数で記録するという条件では、方式による差がはっきり出ます。
| 測定項目/実装要件 | LS-9000シリーズ (3-CMOS×緑色LED方式) |
レーザスキャン方式 (従来の光学式) |
ノギス・マイクロメータ (接触・抜き取り) |
画像測定機 (オフライン) |
|---|---|---|---|---|
| ①走行中チューブの外径 | ◎ 16,000回/秒で連続測定 | ○ 測れるがサンプリングが遅い | × 走行中は測れない | × 走行中は測れない |
| ②局所的な外径変動の検出 | ◎ 高速サンプリングで取りこぼしにくい | △ 変動を平均化しやすい | × 検出できない | × 検出できない |
| ③軟質材への影響と押出直後の測定 | ◎ 非接触で変形させない | ○ 非接触だがサンプリングが遅い | × 挟むと変形する | ○ 非接触だが搬送が必要 |
| ④フレ・傾きへの強さ | ◎ モニタCMOSで傾きを補正 | △ 傾きで誤差が出る | △ 当て方で値が変わる | ○ 固定すれば影響は小さい |
| ⑤多点・複数項目の同時測定 | ◎ 最大16チャンネル同時測定 | △ 台数分の設置が必要 | × 現実的でない | △ 1本ずつになる |
| 駆動部の劣化・メンテナンス | ◎ 駆動部レスで省メンテナンス | △ 回転部が経時劣化する | ○ 消耗は小さい | ○ 消耗は小さい |
| インライン全数検査 | ◎ ラインを流したまま全数対応 | ○ 全数は可能 | × 抜き取りが前提 | × オフラインが前提 |
| 測定値の記録・トレーサビリティ | ◎ 大容量ストレージに保存し出力 | ○ 出力は可能 | × 手記録に依存 | ○ 記録は残るが件数が限られる |
医療チューブの外径測定にLS-9000シリーズを選ぶ理由
LS-9000シリーズは3-CMOS×緑色LED方式により、走行中のチューブを16,000回/秒で連続測定します。モニタCMOSがワークの傾きを捉えて補正するため、張力や振動でフレても値が安定します。ポリゴンミラーのような駆動部がなく経時劣化しにくいことも、長期稼働する押出ラインでの利点です。測定値は保存・出力でき、全数トレーサビリティに直結します。
カテーテル・医療チューブの外径測定に対応する商品
走行する細径ワークを非接触・高速で測り、フレや傾きがあっても安定させる寸法測定器です。
超高速・高精度寸法測定器
LS-9000シリーズ
キーエンス独自の3-CMOS×Green-LED方式を採用した寸法測定器です。高輝度Green-LEDの光を均一な平行光にして照射し、CMOS上のエッジ位置から外径を算出します。専用設計の高速露光CMOSにより16,000回/秒のクラス最速サンプリングを実現し、走行するチューブの局所的な外径変動も捉えます。
モニタCMOSがワークの姿勢を監視して傾きを補正するため、張力変動や搬送振動でフレても測定値が安定します。ポリゴンミラーのような走査用の駆動部を持たない駆動部レス構造で経時劣化が起きにくく、長期間連続稼働する押出ラインでも省メンテナンスで使えます。最大16チャンネルの同時測定機能により、1つのワークの外径やフレを同時に管理できます。大容量データストレージ機能で最大40万点の測定値を保存し、Excelへ転送して出力できます。相互干渉防止機能により、複数台を近接設置しても影響を受けにくくなります。
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医療機器部材の外径測定の活用例
チューブやガイドワイヤーの外径測定から、複数項目の同時測定まで活用されています。
チューブの外径測定
押出直後のチューブ外径を非接触で連続測定します。16,000回/秒のクラス最速サンプリングにより、局所的に発生する外径変動も捉えられます。
ガイドワイヤーの外径測定
ワイヤー外径を非接触で測定します。傾き補正機能により設置状態やフレによる誤差の発生を抑え、細径ワークでも安定して測定できます。
ワイヤーの外径測定(複数項目の同時測定)
ワイヤーの外径やフレを、1台で最大16チャンネルまで同時に測定します。省スペースのまま全数測定を実現し、設備台数を抑えられます。
カテーテル・医療チューブの外径測定(LS-9000シリーズ)に関するよくあるご質問
- 柔らかいチューブでも変形させずに測れますか?
- 測れます。光を遮った位置からエッジを検出する非接触方式のため、対象物に触れません。押出直後のまだ柔らかい状態でも、断面を変形させることなく外径を測定できます。
- 走行中にフレていても値は安定しますか?
- 安定します。モニタCMOSがワークの姿勢を監視し、傾きを補正します。張力や搬送振動で位置が動く押出ラインでも、測定値のばらつきを抑えられます。
- 局所的な外径の変動も捉えられますか?
- 捉えられます。16,000回/秒のクラス最速サンプリングにより、走行方向のごく短い区間で起きる外径変動も捉えます。ライン速度が速いほど効果があります。
- 外径と肉厚を同時に管理したい場合はどうしますか?
- 外径は本シリーズで連続測定し、肉厚は別の測定原理を組み合わせるのが一般的です。構成については用途と製品構造をお伺いしたうえでご提案します。
- 複数項目や複数ラインをまとめて測れますか?
- 測れます。最大16チャンネルの同時測定機能により、外径やフレなど複数の項目を1台でまとめて測定できます。設備台数と設置スペースを抑えたまま全数測定を構成できます。
- 測定値の記録は残せますか?
- 残せます。大容量データストレージ機能で最大40万点の測定値を保存し、Excelへ転送して出力できます。全数の測定記録を残す運用や、押出条件へのフィードバックに活用できます。
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