ウェブの端部位置を測るべき3つの理由
蛇行は搬送のあらゆる不具合の入口になります。
蛇行は下流でしわ・巻きズレになる
ウェブが幅方向にふらつくと、ロール間で張力が偏り、しわや折れが発生します。巻取りではエッジがそろわず、巻きズレした製品ロールになります。いずれも最終工程で発見されますが、原因は上流の搬送にあります。端部位置を連続して監視し、ずれ量を数値で捉えていれば、どのロールを通過したあたりで乱れたのかを切り分けられます。
耳部トリミングの位置が製品幅を決める
コンバーティングでは、端部を切り落として製品幅を出します。ウェブが蛇行したままトリミングすれば、切り代が場所ごとに変わり、製品幅が規格から外れます。切り代を大きく取れば歩留まりが落ち、小さくすれば未トリミングが残ります。端部位置を測ってトリマの位置に反映させることが、幅精度と歩留まりの両立につながります。
素材とばたつきで値が揺れる
透明なフィルムは反射も遮光も弱く、明暗の差でエッジを捉える方式では検出が不安定になります。金属箔は逆に反射が強く、条件によっては飽和します。さらに走行中のウェブは張力変動で上下にばたつくため、対象までの距離が変わると値が動く方式では、幅方向の蛇行なのか上下の揺れなのかを区別できません。どの素材でも、距離の変化で端部位置の値が動かない方式が必要です。
端部位置から蛇行制御までの4ステップ
測るだけで終わらせず、EPCやトリマへ返すところまでを一連で組み立てます。
端部位置の連続検出
均一な平行光の中をウェブの端が横切る位置から、エッジ位置を算出します。16,000回/秒のサンプリングで、高速ラインでも端部の動きを追えます。
蛇行量の定量化
基準位置からの差を蛇行量として数値化します。幅方向の短周期のふらつきと、ロール起因の長周期のドリフトを分けて評価できます。
EPCへのフィードバック
蛇行量をアナログ出力してEPC(エッジポジションコントロール)へ返し、ガイドロールを制御します。搬送を止めずに位置を修正できます。
幅の管理と記録
センサヘッド2台の端部位置から幅を算出できます。品種で幅が変わってもヘッド位置の変更で対応でき、測定値は保存して全長の記録に使えます。
ウェブ端部検出の方式比較
透明・高反射・ばたつきという条件で、方式ごとの向き不向きが分かれます。
| 検出項目/条件 | LS-9000シリーズ (光学式・透過方式) |
超音波エッジセンサ | 透過型光電センサ (単素子) |
エリアカメラ (画像処理) |
|---|---|---|---|---|
| ①端部位置の連続検出 | ◎ 位置を数値で連続出力 | ○ 位置は出せる | △ 有無判定に近い精度 | ○ 位置は出せる |
| ②蛇行量の定量化 | ◎ 基準からの差を数値化 | ○ 定量化できる | × 定量化しにくい | ○ 定量化できる |
| ③透明フィルムへの対応 | ◎ 遮光位置で捉える | ◎ 材質を選ばない | △ 透過して検出できない場合がある | △ コントラストが得られにくい |
| ④金属箔・高反射材への対応 | ◎ 飽和しにくい | ◎ 影響されない | △ 反射で不安定になる | △ ハレーションが出る |
| ⑤ばたつき(距離変化)への強さ | ◎ 距離が変わっても位置は安定 | △ 距離で感度が変わる | △ 影響を受ける | △ ピント条件に依存する |
| 高速ラインへの追従 | ◎ 16,000回/秒 | △ 応答が遅い | ○ 高速 | △ 撮像速度に依存する |
| 幅の同時管理 | ◎ 2ヘッドで幅を算出 | △ 2台必要 | × 実質的に不可 | ○ 視野に入れば可能 |
| EPCへのアナログ出力 | ◎ 蛇行量をそのままアナログ出力 | ○ 対応 | × 位置情報が出せない | △ 変換が必要 |
ウェブ端部の検出にLS-9000シリーズを選ぶ理由
LS-9000シリーズは平行光を遮った位置からエッジを求めるため、透明フィルムでも金属箔でも同じ構成で端部位置を捉えられます。ウェブが上下にばたついても位置の値は安定し、16,000回/秒のサンプリングで高速ラインの動きも捉えます。蛇行量をアナログ出力してEPCへ返せるほか、2ヘッド構成にすれば幅の管理まで同じ設備でまかなえます。
ウェブ端部位置・蛇行の測定に対応する商品
走行するウェブの端部位置を高速で捉え、ばたつきがあっても蛇行量を数値にする寸法測定器です。
超高速・高精度寸法測定器
LS-9000シリーズ
キーエンス独自の3-CMOS×Green-LED方式を採用した寸法測定器です。高輝度Green-LEDの光を均一な平行光にして照射し、CMOS上に届いた光の明暗のエッジ位置から端部位置を算出します。遮光した位置そのものを見るため、透明フィルムでも金属箔でも同じ構成でエッジを捉えられます。専用設計の高速露光CMOSにより16,000回/秒のクラス最速サンプリングを実現し、高速で走行するウェブの短周期の動きも捉えます。
センサまでの距離が変わっても遮光位置は変わらないため、張力変動でウェブが上下にばたついても幅方向の値が安定します。センサヘッド2台の端部位置から幅を求められるため、品種で幅が変わってもヘッド位置の変更だけで対応できます。ポリゴンミラーのような走査用の駆動部を持たない駆動部レス構造で経時劣化が起きにくく、長期間連続稼働するコンバーティングラインに適します。大容量データストレージ機能で測定データを保存し、標準添付の設定支援ソフトLS-Navigator2からExcelへ転送できます。
LS-9000シリーズの詳細資料を入手する
測定範囲・仕様・システム構成をまとめたカタログを無料でダウンロードできます。
ロールtoロール工程での活用例
フィルムの蛇行量測定から幅の管理、耳立ちの検出まで活用されています。
フィルムの蛇行量測定
しわや加工不良の要因となる搬送中の蛇行を、16,000回/秒の超高速測定で非接触に監視します。ずれ量を数値で捉えるため、制御へ返せます。
フィルムの幅測定
センサヘッド2台の端部位置から幅を求めます。品種で幅が変わってもヘッド位置の変更で対応でき、幅と蛇行を同じ設備で管理できます。
フィルム・シートの耳立ち検出
偏肉や張力、刃の摩耗で発生する耳立ちを、超高精細測定で細部まで表現して検出します。耳部トリミングの品質管理につながります(LJ-X8000シリーズ)。
ウェブ端部位置・蛇行の測定に関するよくあるご質問
- 透明フィルムでもエッジを検出できますか?
- できます。平行光を遮った位置そのものからエッジを求めるため、対象の透明度や色にほとんど左右されません。金属箔のような高反射材でも同じ構成で扱えます。
- ウェブが上下にばたついても値は安定しますか?
- 安定します。センサまでの距離が変わっても遮光位置は変わらないため、幅方向の位置の値がばたつきの影響を受けにくい方式です。
- 蛇行量をEPCに返せますか?
- 返せます。基準位置からの差を蛇行量として算出し、アナログ出力でEPC(エッジポジションコントロール)へ渡せます。搬送を止めずにガイドロールで位置を修正できます。
- 幅の管理も同じ設備でできますか?
- できます。センサヘッド2台を両端に配置し、それぞれの端部位置から幅を算出します。品種で幅が変わってもヘッド位置の変更だけで対応できます。
- 耳立ちのような端部の形状異常も見られますか?
- 端部の断面形状を見る必要があるため、その場合はプロファイル測定器(LJ-X8000シリーズ)を組み合わせます。位置は寸法測定器、形状はプロファイル測定器という役割分担が実務的です。
- 高速ラインでも追従できますか?
- 追従できます。クラス最速のサンプリングにより、短周期のふらつきとロール起因の長周期のドリフトを分けて捉えられます。
ウェブの蛇行、数値にして制御しませんか
ライン構成と素材をお伺いすれば、測定と制御のつなぎ方をご提案します。カタログまたはお問い合わせフォームからご相談ください。