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自動運転実現で注目を集める
LiDARのしくみと種類(1/2)

分類:
自動運転技術
自動運転実現で注目を集めるLiDARのしくみと種類

自動車メーカー各社が自動運転実現に向けて研究や実証実験を行っていますが、その中で注目を集めている技術が「LiDAR(ライダー)」です。LiDAR(ライダー)は、レーザー光を使ったセンサの一種で、対象物までの距離はもちろん、位置や形状まで正確に検知できることが特徴で、市街地における自動運転にはLiDAR(ライダー)が必要不可欠と言われるほどの技術です。こちらでは、自動車業界で働くものとして知っておきたいLiDAR (ライダー)の基礎知識や仕組み、今後の動向について紹介します。

LiDAR(ライダー)とは?

LiDAR(ライダー)とは?

LiDAR(ライダー)とは、「light detection and ranging(光による検知と測距)」の頭文字をとった言葉で、レーザーライダーや赤外線ライダー、3Dライダーと呼ばれることもあります。原理は、レーザー光を照射し、物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定します。簡単に言えば、電波を使って測定するレーダーに対して、LiDAR(ライダー)はレーザー光を使って測定するものです。特徴は、電波に比べて光束密度が高く、短い波長のレーザー光を利用することで高い精度で位置や形状などを検出できることです。LiDAR(ライダー)の技術自体は新しいのではなく、地質学や気象学の分野では古くから用いられてきました。例えば、飛行機にLiDARユニットを搭載して、地形調査を行うといった使い方です。その高い精度から近年は、自動運転の分野で注目され、研究開発が加速しています。

従来方式とLiDAR(ライダー)の違いは?

現在の自動ブレーキや車線維持支援などの先進運転支援システム(Advanced Driver-Assistance Systems:ADAS)は、ミリ波レーダーやカメラが主流です。ミリ波レーダーとカメラで先行車や車線の検知は可能ですが、本格的な自動運転に位置づけられるレベル3(条件付運転自動化)以上の実現には課題が多くあります。例えば、ミリ波レーダーとカメラによる検知は、対象物までの距離計測は可能ですが、正確な形状や位置関係を検知することは現状では困難です。対するLiDAR(ライダー)は、先行車・歩行者・建物などの距離や形状、位置関係を三次元で把握することが可能です。

道路状況は、常に変化しています。例えば、走行している車両や飛び出してくる歩行者、一時的な工事、周辺の建物の変化、道路にはみ出した草木など、すべてを検知できなければ安全な自動運転は不可能です。ミリ波レーダーやカメラなどの技術では、自動車専用道路や高速道路のような限定された道路でしか自動運転は不可能です。この不可能を可能にする技術としてLiDAR(ライダー)が注目されています。

LiDAR(ライダー)が実用化されない理由

高精度な検知が可能なLiDAR(ライダー)ですが、課題として価格が挙げられます。LiDAR(ライダー)は、低価格なものであれば数万円からありますが、ハイエンドモデルは数百万円と非常に高価です。そして自動運転に使えるLiDAR(ライダー)は、現状では非常に高価なことがネックです。LiDAR自体は、1960年代から地形・気象の観測で使われてきた技術なので、今後は自動車向けに「小型化/軽量化」「低コスト化」が進むでしょう。自動車メーカーやセンサメーカーはもちろん、ベンチャー企業などが自動車向けLiDARの熾烈な開発競争をしており、そう遠くない将来に量産車へ採用される可能性を秘めています。ちなみに自動運転向けのLiDAR(ライダー)やレーザーの市場規模は、約200倍に急拡大するといわれています。

そのほかの課題としてソフトウェアの問題もあります。LiDAR(ライダー)を用いた自動運転では、3次元情報を持つ高精細な地図が必要です。自動運転向けの地図データを「ダイナミックマップ」と呼びますが、車線情報や地形、信号、道路規制など、常に最新の情報が反映された高精細地図なくして自動運転実現は不可能です。特に日々変化する市街地では、ダイナミックマップが非常に重要です。このダイナミックマップについても世界共通のデータ作成が進められています。

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