自動運転実現で注目を集めるLiDARのしくみと種類(2/2)
- 分類:
- 自動運転技術
LiDAR(ライダー)の方式について
LiDAR(ライダー)は、スキャナに軸数によって2D LiDARと3D LiDARの2種類に分けられます。自動運転向けの車載LiDARは、物体の形状や位置などの測定に利用されるので、こちらでは3D LiDARを中心に考えます。
ソリッドステート(Solid State)式
従来の3D LiDARは、360°全方位を検出する機械的回転方式が主流でした。そのため駆動部にモーターが必要で、小型化・軽量化が難しく、コストも高くなるので車載用としてはデメリットが多くありました。それらのデメリットを克服するために駆動部を廃し、半導体技術や光学技術で機構部を置き換えたものを「ソリッドステート(Solid State)式」と呼びます。回転機構を持たないのでレーザー光照射角は限定されますが、小型なので設置場所の自由度が高く、複数のセンサを利用することで360°をカバーでき、車載用として主流になっています。
MEMS(メムス)方式
ソリッドステート式の一種に「MEMS(メムス)方式」があります。MEMSは、ソリッドステート式におけるスキャン方式の一つです。MEMSとは、「Micro Electro Mechanical Systems」の頭文字をとった言葉で、日本語で「微小電気機械システム」と訳します。MEMS方式のLiDAR(ライダー)は、一般的に電磁式のMEMSミラーを用いてレーザー光を走査します。MEMS方式の利点は、モーターを使用せずに広範囲をスキャンできることです。
MEMS(メムス)方式以外では、遠距離のセンシングが可能なラスタースキャン方式、近距離・広範囲のセンシングが可能なウォブリングスキャン方式などがあります。また、フェーズドアレイ方式やフラッシュLiDARなどの方式も開発が進められています。
LiDAR(ライダー)に使われている部品について
車載用LiDAR(ライダー)は、小型化・軽量化とコスト面からソリッドステート式が主流です。このソリッドステート式は、モーターなどの駆動部を持たず、半導体やレンズなどの光学部品で構成されています。また、MEMS方式のLiDAR(ライダー)は、照射範囲を広げるために電磁式の小型ミラーとレンズを使用します。
LiDAR(ライダー)製造におけるキーエンスの提案
車載向けのLiDAR(ライダー)製造について、キーエンスでは製造および検査の自動化を提案しています。 LiDAR(ライダー)製造では、半導体技術や光学技術が中心となり、高い品質が求められるので製造はもとより検査も重要になります。また、今後の需要増加を視野に入れた自動化・生産効率化がポイントです。
ECU基板の高さ・浮き測定
接触式センサの押し圧の影響で誤差がでたり、従来のレーザ変位計は光が沈み込むプリント基板のような対象物の測定は安定しませんでした。
マルチカラーレーザ同軸変位計「CL-3000シリーズ」を使うことで、非接触かつプリント基板のように光が沈み込む対象物でも高精度に測定することができ、検査の信頼性を高めることができます。
コネクタリードフレームの段差測定
従来スポットタイプのセンサで形状を測定することは困難で、複数のセンサを使用したり、センサやワークを動かし複数回の測定をしたりする必要がありました。
超高速インラインプロファイル測定器「LJ-V7000シリーズ」は、レーザを当てるだけでリードフレームとモールド部品の段差測定ができるので、インラインでの全数検査が可能になりました。
シリコンウェハの欠陥
半導体デバイスの材料になる「シリコンウェハ」のような微小ワークの割れや欠け、変形、反り、ダイシング不良などの外観検査は、目視では困難なため専用検査装置が必要でした。しかし、専用検査装置は導入時にコストがかかるという問題があります。キーエンスの画像処理システム「CV-Xシリーズ」「XG-Xシリーズ」は、高精細2100万画素カメラを用意し、これまでカメラでは検出困難だったシリコンウェハ・液晶の欠陥も正確に判別可能です。また、パターン欠陥やマイクロクラックのような不良検査も実績があります。
LiDAR(ライダー)関連部品の検査ならキーエンスへ
自動運転の拡大によって大幅な需要拡大が見込まれているLiDAR(ライダー)をはじめとしたセンサ関連の製造でお困りごとがあれば、キーエンスにご相談ください。各種センサ・画像処理システムを用いた自動化のソリューションをご提案します。需要が増えることを見越した増産のために生産ラインの自動化を進めたい、現在の検査方法では限界を感じるなど、皆様のお悩みを最新の画像処理技術で解決します。より詳しい事例や製品紹介は以下をご覧ください。
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