大都市の人口に匹敵する“139万0,370人”とは?
外務省は2018年10月1日時点で海外に3か月以上滞在、または永住する日本人の合計は139万0,370人であると発表しました。海外に長期滞在する日本人の統計調査は1968年から実施しており、毎年10月に前の年の滞在者数を公表しています。2018年に発表した139万0,370人という数値は、統計調査の開始以来、過去最高を記録しているとのこと。
- ※アフガニスタン、イラムおよびシリアの在留邦人は、安全上の理由から人数の公表を差し控えられており、今回の推計には含まれていません。
ところで、139万0,370人って数を聞くと「すごい人数だ!」ということはわかっても、どれくらいの規模かはピンとこないのではないでしょうか。
そこで2019年10月に発表された日本の都市人口と比較してみたところ、最も近いのが第8位の京都府京都市の141万5,775人。海外各地に散らばっているとはいえ、京都市とほぼ同じ人数の日本人が海外に拠点を移し、活躍されているのは驚きに値するのではないでしょうか。
なかでも毎年のように滞在者数が増加しているのは、アジア圏の国と地域です。永住者と3か月以上の滞在者数のうち、約29%(40万3,742人)が中国をはじめ、ASEAN諸国などに滞在しており、これは北米エリアの約37%(52万0,501人)に次ぐ規模。国別でみるとアメリカが44万6,925人と最も多く、次いで中国の12万0,076人で、両国をあわせた在留邦人は全体の約41%となり、世界経済の中心である2つの超大国に人が集中しています。
また、海外進出する日本企業の総拠点数は7万7,651にのぼります。地域別では、アジアだけで全体の約70%(5万4,341拠点)を占め、次いで北米が約13%(9,773拠点)、西欧が約8%(5,928拠点) 。この3地域だけで日本企業の現地法人数は9割超を記録しています。
2016年から2018年の3年間における、日本企業のアジア各国の拠点数をまとめてみると以下のような結果となりました。
日本企業のアジアにおける拠点数が多い国ベスト5
2018年 | 2017年 | 2016年 | |
---|---|---|---|
中国 | 33,050 | 32,349 | 32,313 |
インド | 5,102 | 4,805 | 4,590 |
タイ | 4,198 | 3,925 | 1,725 |
インドネシア | 1,994 | 1,911 | 1,810 |
ベトナム | 1,920 | 1,816 | 1,687 |
アジアの中でもっとも拠点数が多いのは中国です。一時期、進出する企業の数が鈍化していましたが、勢いを再び取り戻しています。インドやASEAN諸国への進出も加速していて各国の拠点数は右肩あがりです。
中国は世界の工場と呼ばれ、いまなお多くの国の輸入先第一位であり、この座は簡単には揺るがないかと思います。また、ASEAN諸国からの輸入も増加傾向にありますが、中国への依存度を減らし、それぞれの国の得意分野にある製品を仕入れるという分散化の傾向が数年前からみられ、その流れはより顕著になっています。日本企業もより良い取引先や新たな拠点を求め、アジア諸国への進出や投資をしています。欧米との関係性もさることながら、今後も続々と日本企業のアジア進出は目立つのではないでしょうか。
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- 出典:外務省 海外在留邦人数調査統計 令和元年(2019)版