リバースエンジニアリングと画像寸法測定器(2/3)

分類:
最近話題の寸法測定

コピーとリバースエンジニアリングの違いは?

近年のものづくりの現場では画像測定器を用いて、実物からデジタルデータ(STLデータなど)を出力することが増えています。それに対して、「他社製品を分解・測定し、CADデータとして出力することはコピーでは?」と感じる方もいるでしょう。しかし、リバースエンジニアリングは他社製品を徹底的に解析し、生産コストを抑えたり、改良したりすることが本来の目的で、模倣ではありません。あくまで技術進歩の手法です。

法律上でもリバースエンジニアリングは合法です。ただし、リバースエンジニアリングから得た情報をもとに、他社製品をコピーすれば当たり前ですが違法なのでご注意ください。

そしてリバースエンジニアリングを活用し、成功を収めたのが韓国をはじめとしたアジアの企業です。大きなマーケットが形成されている家電製品の分野で、技術で先行している日本企業などの製品を徹底的に解析。そのデータをもとに既存の技術を組み合わせ、ユーザーに選ばれる製品づくりに徹しました。リバースエンジニアリングがアジアの企業の躍進を支えたとも言えます。

日本の技術は今でも最先端ですが、すべてのユーザーが高品質・高付加価値な製品を求めているわけではありません。必要な性能や機能を取捨選択し、ときには価格を抑えることも重要です。そのような場合には優れた製品の技術を解析し、設計思想まで理解し、有効活用することで優位性のある製品を生み出すリバースエンジニアリングに活路があります。

過去、日本もリバースエンジニアリングが主流でした

製造プロセス

「ものづくり大国」として確固たる地位を築いた日本ですが、最初から独自の技術があったわけではありません。アメリカなどの先進国の技術を模倣し、創意工夫してきた時代がありました。そしてリバースエンジニアリングによって技術力を高め、シェアを拡大してきたのです。その後、1980年ごろから次なる「フォワードエンジニアリング」へと移行しました。

フォワードエンジニアリングとは高い技術に加えて、技術革新によって新たな製品を生み出していく戦略です。この頃から「ものづくり大国日本」と呼ばれるようになります。しかし、フォワードエンジニアリングにはデメリットもあります。それは、新技術を開発するために莫大な時間とコストがかかるということです。

また、日本製品はフォワードエンジニアリングによって「高品質」というブランド力を得ましたが、同時に「高価」というイメージも定着し、価格競争では分が悪くなりました。それが日本製品の競争力低下につながったとも考えられます。

図面が入手できる測定機

測定データはCADデータとして出力可能なので、リバースエンジニアリングが盛んな業界を中心に幅広く活用されています。測定の時間や精度、図面化の手間を省ける

「画像寸法測定器 IMシリーズ」
「ワンショット3D形状測定機 VRシリーズ」

以下より詳細情報の閲覧やカタログのダウンロードができますので、リバースエンジニアリングに興味のある方はぜひご覧ください。