KV-8000シリーズ
お客様導入事例
株式会社デンソー 安城製作所

ドライブレコーダ機能でトラブル解決は1/10、
溶接スピードは5倍速くなりました。

- お二人は元々別の会社で業務されていたとお聞きしていますが、経歴や現在の業務内容について教えてください。

トヨタ自動車からデンソーへ

量産化に向けた製品の工法開発・制御開発について
熱く語るご担当者様。

我々は元々トヨタ自動車の社員でインバータ関連の電機事業を担当していましたが、事業統合によりデンソーに出向し、その後に転籍しています。
仕事内容については以前より継続していまして、現在はモノづくりにまつわる工法開発を主に担っており、量産を見越した工法や設備開発・制御開発を担当しています。

- 会社が変わったことでのご苦労などありますでしょうか?

トヨタ自動車の考え方やデンソーの考え方は違うものの事業統合で1+1を3や4にできるように会社からは求められており、尽力しています。
実は社内での相談役や相談窓口のようにもなっているんです(笑)。

- お二人がPLCに求める機能としては、どのような内容がおありですか?

PLCに求める制御+管理・監視機能

従来PLCは制御盤の中に隠れており、縁の下の力持ちのような印象でしたが現状のPLCは、今の状態がどうか、過去はどうだったかなどデータを基にした管理・監視機能が求められています。

- 管理・監視したいというのはどういう背景から?

インバータなど電子部品はトラブルが発生した際にデータを読み出して確認したい、要はトレーサビリティにより品質管理をしたいという要望からです。
ただ、課題もありました。
データベース上では残っているので、問題があった際にはデータを引き出せるものの、現場にいる方が今どういう状態・データになっているかをわかりづらいということです。
これは、キーエンスのKV-8000のドライブレコーダ機能のことを言っているんですが(笑)、ドラレコで過去から今の状態までどういう状態になっているか見える化できるようになったのは大きいですね。
PLCにドラレコが欲しいと、実は昔から思っていたんです(笑)。
キーエンスはユーザ要望を吸い上げてくれるのも有難いですね。

KVシリーズを初採用した試験装置では、荷重の状態とカメラ映像の連動がメリットだったと語るご担当者様。

- さまざまなPLCメーカがある中でキーエンスKVを採用されたポイントは何でしょうか?

ドライブレコーダでKVを決めた

ドラレコです!(即答)サーボモータでワークに荷重をかけて変形させ、荷重の値を見ながらワークの変形具合をカメラで様子を確認したいという試験装置の案件があり、ちょうどドンピシャだったんです。
KVシリーズを使うと、波形で荷重の推移も見られますし、ワークの変形具合までカメラで見られて期待通りでした。

- はじめてKVを採用するにあたってハードルはありましたか?

特にありませんでした。
私自身がPLC関係に詳しいということは周りからも評価してくれていますし、機能として制御に加えてドラレコが扱えて、唯一無二の存在と思っていました。

- KVシリーズをインバータ製造設備のPLCとして採用いただいたと伺っていますが、ご評価はいかがでしたでしょうか?

溶接スピード5倍をKVで実現

車載インバータに使用される「バスバー」。
2枚の金属部品を高速・高精度に溶接する必要があった。

従来より高精度で高速な荷重制御が必要になりキーエンスを採用しました。

車載インバータの中にある「バスバー」と言う部品の溶接工程なのですが、金属板を2枚押し付けて荷重を見ながら制御する必要があり、精度と速度を両立する必要性がありました。

具体的には、ロードセルからのフィードバック値を用いて、一定の荷重で溶接をする制御が必要なのですが、押し込みすぎてしまうとワーク自体が変形してしまい、溶接ができなくなります。
荷重に関しては、KVシリーズのリアルタイムチャートモニタが重宝しています。
荷重のかかっている状態で、サーボの詳細な位置、トルクだけでなくドラレコの映像でバスバーの状態を見られるのはとても便利ですね。

現在、試作および装置開発段階を終え、量産装置を調整中です。
おかげ様で溶接スピードは従来に対して5倍くらいは速くなっています。
また、キーエンスの営業の方の支援をいただきながら、理想の開発ができました。

今後、問題が起きてもドラレコがあれば何とかなると思っているんです(笑)。

- キーエンスのドライブレコーダ機能について教えてください

どなたでもドラレコがあれば伝わる

KV-8000シリーズのドライブレコーダ機能について
エピソードを熱く語っていただいた。

先ほどお伝えした通り、当時の荷重とワーク変形状態を振り返られるというのがよかったです。
製品が完成するまでのプロセスが可視化できるのは有難いですね。
それに加えてよかったのが、制御に詳しくない上長や海外の製造現場の方に装置動作を伝えるのが難しいという課題があったのですが、ドラレコがあると一発で内容が伝わるということです。
今までも文章や絵で伝えようとしていたのですが、なかなか伝わらず、荷重や速度が波形で見え、カメラ映像でも動作を伝えられると先方の理解が進むのが仕事をする上で役に立っています。
開発する身としては、ドラレコで内容が伝わったことで、こんなに難しい動作を実現してくれていたのか!と喜ばれることが増えました。

- ドラレコがお役に立った内容を教えていただけますか

月並みな表現ですが、ドラレコには非常にお世話になっています。
今までは回路にバグがあった場合、設備の動作から原因となるコイルを推定してリアルタイムチャートモニタに登録。
それからモニタし、コイル追加を何度も何度も繰り返して解決するんですね。
ドラレコがあると、こういった繰り返し作業は不要で、1回の記録情報から原因のコイルに辿りつけます。
体感でトラブル解決時間は1/10になってますね。

- KVの性能面で他にお役に立てたポイントはありましたか?

KVの高速性・同時性

バスバー溶接装置では、高速性と同期性が保証されるのが助かりました。
具体的には、通常のスキャンより高速な、荷重入力用のアナログユニットとサーボ制御用のモーションユニット専用のスキャン(毎スキャンモジュールとユニット間同期モジュール)を設けることで、高速な荷重制御が実現できました。
装置全体の回路処理が重くなっても、荷重制御部は専用スキャンのため、高速性と同期性が担保できるのが良かったです。

また、バスバーを溶接するときには動いたままアライメントできたのも高速性を実現できた要因の一つです。
こういった提案を営業さんからしてくれるのがありがたいですね。

バスバー溶接工程で活用されたリアルチャートモニタ。
ワーク荷重と位置・カメラを連動して確認できている。

- KVのソフトウェアについてご意見いただけますか?

使い勝手のよいKV STUDIO

KV STUDIOについて語りだすと止まらなくなるご担当者様。
数々の機能を引き合いに出し語っていただいた。

そもそもソフトウェアが軽いっていうのがいいですよね。
個人的な感覚ですが、他社ソフトウェアよりも動作が小気味いいですね。
いちいち待ち時間がないのがストレスないです。

それと、KVスクリプトが便利ですね。
FOR NEXTやIF文など言語チックな処理が記載しやすいというのがいいですね。
複雑なループ回路を簡単に作れるので便利です。
また、変数とデバイスが共存できているのもいいですね、若い世代の方は変数に慣れていますし、ベテランの方はMやRのようなデバイスに慣れていますので、それぞれを組み合わせて扱えるのは大きいです。
複雑な処理は変数で記載するのが便利ですし、標準的なシーケンス制御にはデバイスが向いていると考えています。
たとえばファンクションブロックでも内部演算は変数で、IN-OUT部はデバイスで記載することで保守性を上げたりもできますよね。

あと、PROTOCOL STUDIOも便利で大好きです。
キーエンスさんの変位計と通信するのもあっという間にできましたし、アメリカメーカのレーザスキャナと通信した時も桁数が可変で面倒でしたが、営業さんのサポートもあり、取り込みが簡単にできてよかったです。
面倒な通信処理を設定だけでできるのは「さすがキーエンスさん」と思いました(笑)。

- キーエンスPLCのサポート体制についてお聞かせください。

安心のサポート体制

実際にKVを手に取りながら、迅速な営業対応について、
過去のエピソードを語っていただいた。

他社の電動アクチュエータとKVシリーズを接続したいということがあった際に、機器メーカに聞いて資料がなくても、キーエンスの営業さんに聞くと資料があったりするのは本当に助かります。
PLCでは他メーカとの接続も多いので、他社の設定まで記載してくれていると、本当に役立っています。

また、キーエンスさんはPLC以外にも画像担当や変位計担当も迅速に対応してくれるのが良いですね。
サポート体制は本当に信頼しています。
出張に行った際でも最寄り営業所の担当の方が急いで動いてくれて助かったこともありました。
営業所間での連携がきちんと取れているのも安心ですよね。

- KV-Xシリーズを採用いただいたようでありがとうございます。

新商品KV-Xもすぐに採用

はい、大幅に性能アップしたということでいち早くKV-Xを購入させていただきました。
当社装置の生産性がより向上できることを期待しています。

- 最後にキーエンスに対してメッセージをお願いします。

人間の五感を実現してほしい

キーエンスは営業担当の方がエンジニアとしてレベルが高いですよね、会社としてもブランドが確立されていて、魅力もあります。
商品も性能がよく、安心して使えますし、営業の方も優秀で一緒に仕事をしたいと思えるメーカです。
なので、私たちのようにキーエンスファンって実は多いと思っています。
AI活用が叫ばれる昨今ですが、FA現場では人間と共存する機器の開発を求めています。
今後センサメーカとして人間の五感を網羅することを目指して、製品開発をしていってほしいと思っています。

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株式会社デンソーは1949年創業の、トヨタグループに属する日本を代表する自動車部品メーカです。
愛知県刈谷市に本社を構え、エンジン制御、電動化、ADAS(先進運転支援システム)などの技術を強みとし、特に電動車向けのインバータ技術では高効率・小型化で業界をリードします。
世界30カ国以上に事業を展開し、カーボンニュートラルや自動運転技術の開発でグローバルな自動車産業を支えています。

  • この事例に記述した数字・内容は事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。

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