自動車部品の測定・解析・図面化を1台で
自動車部品の測定は、その複雑な形状と精度要求から、一般的には困難な作業とされています。
また、1つの測定機で測りきることが難しいため、解析に膨大な時間が掛かることも多いです。
ここでは、各自動車部品の情報と共に、キーエンスの3Dスキャナ「VLシリーズ」による課題解決法を詳しくご紹介します。
自動車部品の種類とそれぞれの役割
①足回り
- ホイール:
自動車の走行に不可欠な部品で、車両を地面と接続し、駆動力を伝達します。
また、ブレーキングや旋回時の安定性を提供し、乗り心地や燃費にも大きく影響します。
タイヤの選択は、車両の性能を最大限に引き出すために重要です。- サスペンション:
車両の乗り心地とハンドリングを改善する役割を果たします。
また、タイヤと地面との接触を一定に保つ役割もあり、これにより安定した走行が可能になります。
サスペンションの性能は、車両の安全性と快適性に直結します。- ブレーキ:
車両の速度を減速または停止させるための重要な部品で、安全性を確保するためには、常に良好な状態を保つ必要があります。
ブレーキの性能は、緊急時の停止距離やコントロール性能に大きく影響します。
②エンジン周辺
- ピストン:
エンジン内で上下動を行い、燃料の燃焼エネルギーを機械的な動力に変換します。
ピストンの動きはエンジンのパワーと効率に直結し、その材質や形状はエンジンの性能を大きく左右します。- コネクティングロッド:
エンジン内部でピストンとクランクシャフトを接続する部品です。
ピストンの直線的な上下動をクランクシャフトの回転運動に変換します。
耐久性と強度が求められ、エンジンの性能と寿命に大きく影響します。- オイルフィルター:
エンジンオイルから不純物を取り除き、エンジンの内部を清潔に保つ役割を果たします。
これによりエンジンの摩耗を防ぎ、長期的な性能維持と寿命延長に寄与します。
③外装品
- ヘッドライト:
夜間や悪天候時に道路を照らし、運転者の視界を確保します。
また、他のドライバーに自車の存在を知らせる役割もあります。- バンパー:
衝突時の衝撃を吸収し、車両と乗員を保護します。
バンパーは車両の安全性を高めるだけでなく、デザイン面でも重要な役割を果たします。- ウィンドシールド:
運転者と乗員を風や飛来物から保護し、視界を確保します。
また、エアコンやヒーターの効果を最大限に発揮するためにも重要な部品です。
④内装品
- ステアリングホイール:
運転者が車を操作するための主要な部品で、車の進行方向を制御します。
ホイールの形状や素材は、運転の快適さや安全性に影響します。
近年では、多機能スイッチが組み込まれ、オーディオ操作やクルーズコントロールなどを手元で行えるようになっています。- レジスター:
車内の空調システムの一部で、エアコンやヒーターから出る風の流れを調節します。
運転席、助手席、後部座席など、車内の各部分に配置され、乗員がそれぞれ快適な温度を設定できるようになっています。- ダッシュボード:
運転者に車両の各種情報を提供します。速度、燃料レベル、エンジンの状態などが一目でわかります。
ダッシュボードは、運転者が車両の状態を把握し、適切な運転を行うために必要です。
⑤電装品
- バッテリー:
車の電源を供給する主要な部品で、エンジンの始動やライト、エアコンなどの電子機器の動作に必要な電力を提供します。
- カーナビゲーションシステム:
運転者が目的地へのルートを確認したり、交通情報を取得したりするための装置です。
最近では、音声認識やタッチパネル操作が可能な高機能なものが主流です。
従来の測定方法での課題
自動車部品の複雑な形状に対して、従来の接触式の測定方式では測れない箇所が多くありました。
また接触できたとしても、多くの図面指示寸法を測るのに膨大な工数がかかるケースも。
測定に時間が掛かってしまう要因として、1つの製品に対して複数の測定機を使用しなくてはならない点が挙げられます。
3Dスキャナ型三次元測定機「VLシリーズ」での解決事例
- 360°のフル3Dデータで全体評価可能!
-
シリンダーブロックのような複雑かつサイズの大きいサンプルでも、VLシリーズなら丸ごと3Dデータ化可能。
接触では測りづらいような奥まった箇所でも、光が当たるならしっかりスキャンしてデータ化します。スキャンデータはワンクリックで図面化することも可能。
- 複雑形状を3DCADと比較し、現物と設計値のズレを可視化!
-
クランクシャフトやエキゾーストマニホールドなど、点での測定では全体像を掴みづらいような複雑形状の測定。
VLシリーズでは3DCADとの比較による差分のカラーマップ化が可能に。誰でも簡単に製品の全体像を簡単に捉えることができます。
- 位置度などの幾何公差測定、非破壊での断面測定も可能!
-
自動車業界では図面上で指示されることの多い幾何公差測定。
平面度・位置度・平行度・輪郭度など様々な測定項目に対応。また製品をデータ上で切断し、断面を測定することも可能。
切らないと測れなかったようなものでも簡単に測定!
- 大型サンプル・重量物でも測定可能!
-
ドアトリムやフロントバンパーなど、1m以上ある大きなサンプルにも対応可能。
専用治具によりスキャンヘッドを分離し、データを取得します。大きさで諦めていた。そんな測定でもお任せください。
まとめ
VLシリーズは、置いて押すだけで360°のフル3Dデータを取得し、測定・解析・図面化が1台で行える測定機です。
近年要求が上がっている自動車部品の測定に対して、圧倒的な工数削減と測定品質の向上をご提案できます。
正確で素早い測定・今までわからなかったことがわかる解析・3DCADへの図面化。
これにより、設計から製造までのプロセスが劇的に改善され、時間とコストの大幅な削減が可能となります。