メディカル・医療用機器をすばやく正確に計測できる方法

メディカル・医療用機器をすばやく正確に計測できる方法

医療機器の多くは⼈体に直接使⽤されるため、⾼レベルの品質、安全性および有効性の確保が必須です。また、医療機器は技術⾰新が早く、製品の改良が頻繁におこなわれるため、評価・検査の頻度も⾼くなります。サンプル数が増えても、同じ条件で⾃動的に正確に評価・検査できる測定機は、⼤幅な時間短縮を実現します。ここでは、メディカル/医療機器関連の技術情報と、⽩⾊⼲渉計搭載レーザ顕微鏡での検査事例を紹介します。

注射針

注射針の各部名称、代表的な針先の種類を紹介します。

注射針の各部名称

A
刃面(ベベル)
B
外径(針の太さ):ゲージ
C
針の長さ:インチ
D
針先(刃先)
E
針管(しんかん)
F
針基(はりもと)(G 数によって色分け)

注射針の太さ(ゲージ)と用途

G数 外径(mm) 針基(はりもと)の色(カラーコード) 用途
18

φ1.2

ピンク

輸血

19

φ1.1

クリーム

輸血

20

φ0.9

イエロー

静脈注射・静脈採血

21

φ0.8

ディープグリーン

静脈注射・静脈採血

22

φ0.7

ブラック

皮下注射・静脈注射・筋肉注射・静脈採血

23

φ0.6

ディープブルー

皮下注射・静脈注射・筋肉注射・小児静脈採血・動脈採血

24

φ0.55

ミディアムパープル

皮下注射

25

φ0.5

オレンジ

皮下注射

26

φ0.45

ブラウン

皮内注射

27

φ0.4

ミディアムグレイ

皮内注射

※針基のカラーコードは、ISO 規格で統一されています。

代表的な針先の種類

ランセットポイント(レギュラーベベル)

刃面の左右に小さな第二刃面を形成して穿刺(せんし)時の抵抗を抑えた針先の形状です。注射針をはじめとした一般針の基本的な形状となります。特に皮下注射に用いられるランセットポイントはレギュラーベベルと呼ばれ、刃面角度が12°から14°のものを指します。

ランセットポイント(ショートベベル)

ランセットポイント( レギュラーベベル) より刃面を短くし、組織損傷などのリスクを低減したものがランセットポイント( ショートベベル) です。刃面角度は18°から20°と急勾配で、穿刺(せんし)時の抵抗は大きく、切れ味は鈍くなります。採血など血管を傷付ける危険性のある場合に用います。

バックカットポイント

刃面の裏側に小さな刃面を形成した針先形状です。裏取り( 裏研ぎ) などと呼ばれているほか、刃面側から見ると特徴的な山( 突起) があるためV カットポイントとも呼ばれています。切れ味の良さを実現した針先で、痛みの緩和に効果があります。

ランセットポイント(バックアイ)

ランセットポイントの裏面に孔加工を施した針先形状です。特徴的な孔は透析用に開発されました。裏面の孔により、血管壁の内圧が緩和され、血管の収縮と赤血球の損傷を防ぎます。

フーバーポイント

針先を刃面側に屈曲させたものがフーバーポイントです。皮下に埋め込んだポート(薬剤を貯蔵するタンク)に薬剤を注入するための針(ポート針)として普及しています。点滴のように安静を保つ必要がなく、使用しないときも特別な管理は不要で、仕事やスポーツをすることも可能です。

メディカル業界の用途事例(注射針・メス)

注射針の針先の角度検査
眼科用メス(Scalpel)の刃先の角度検査

インプラント

体内に埋め込む機器や材料の総称です。心臓ペースメーカ、人工関節、顎骨に埋め込む人工歯根などもインプラントです。
人工歯根は、デンタルインプラント( 歯科インプラント) と呼ばれています。

デンタルインプラントの各部名称

A
人工歯
B
歯肉
C
顎骨
D
インプラント
E
上部構造(人工歯)
F
アバットメント(連結部分)
G
インプラント(人工歯根)
上部構造(人工歯)
人工の義歯で、アバットメントにセメントやスクリュで固定されます。
アバットメント(連結部分)
インプラントと人工歯の間の部品をアバットメントと呼びます。一般的にアバットメントはスクリュでインプラントに固定されます。
インプラント(人工歯根)
骨の中に埋める部分をインプラントと呼びます。

デンタルインプラントの材質と特徴

上部構造(人工歯)

ジルコニアセラミック
見た目の美しさや強度などのメリットが最も大きいのが「ジルコニアセラミック」です。白色の非金属素材である人工ダイヤモンドのジルコニアに、セラミックを焼き付けたものです。
オールセラミック
すべてセラミックで作られているのが「オールセラミック」です。美しい透明感やつやを持ち、経年劣化・変色がありません。ただし、ジルコニアセラミックやメタルボンドに比べ強度が低いため、割れたり欠けたりすることがあります。
メタルボンド
金属にセラミックを焼き付けて作られるのが「メタルボンド」です。経年劣化や変色はありませんが、金属フレームを含んでいるため、見た目の美しさでは劣ります。また、使用する金属によっては金属アレルギーに注意が必要です。
フルジルコニアセラミック
耐久性に優れたジルコニアのみで作られているのが「フルジルコニアセラミック」です。変色も傷が付くこともありませんが、一般のセラミックと比べ、透明感や色の仕上がりに劣ります。

アバットメント(連結部分)

チタン、ジルコニア
人工歯とインプラントをつなぐ部分です。チタンは、強度が高い上に錆びにくく耐久性に優れていますが、金属部が見えるため、見た目の美しさに欠けます。ジルコニアは、強度も高く金属アレルギーのおそれもありません。また、歯に近い白色のため、見た目の美しさに優れています。

インプラント(人工歯根)

チタン
顎の骨に埋め込みます。材質はチタンで、骨と結合する性質を持っています。

メディカル業界の用途事例(インプラント)

インプラントの表面形状検査 (16bitレーザ画像)
インプラントの表面形状検査 (16bitレーザ画像)

錠剤(tablets)

錠剤とは、有効成分を一定の形に圧縮形成した固形の製剤です。
携行しやすく長期保存でき、用量もわかりやすいため、最もよく利用されています。

打錠機(だじょうき)

回転式成型機を一般的に打錠機と称しています。錠剤を製造するためのプレス機の一種です。粉末状の薬剤を自動的に計量して固定金型「臼(うす)」に入れ、プレス加工で言うところのポンチに相当する「杵(きね)」と呼ばれる金型が上下から加圧して錠剤の形状を作る機械です。「充填」、「圧縮」、「放出」の運動を連続的におこないます。

打錠機(だじょうき)
  1. (1)充填
  2. (2)圧縮
  3. (3)放出

メディカル業界の用途事例(錠剤)

打錠機の杵の形状検査
錠剤の表面粗さ検査