STLデータの様々な活用方法

STLデータの様々な活用方法

3DCAD・3Dデータ活用やDX推進が加速する現代のものづくり。
データ活用によってこれまでのあらゆる不可能が可能となりました。
ここではその一例として、CADファイルの一種であるSTLデータの基礎知識、様々な活用事例、従来のデータ取得方法の課題、
そしてキーエンス『VL-700シリーズ』による課題解決ソリューションをお届けいたします。

STLデータとは

STL(Stereolithography)データは3D CADソフト用のファイルフォーマットの1つです。
3次元の立体形状を小さな三角形(ポリゴン)の集合体で表現しています。
そのためSTL形式では曲面を表現できないので、本来曲面になる部分ではモデルを形成する三角形を細くして曲面を生成しています。

STLデータの活用事例

3Dプリンタでの造形

3DプリンタにSTLデータを取り込むことで、立体モデルを製造・造形することができます。
商品設計を進めるうえで、造形物を手に取って情報共有が出来るようになるため、
設計上の見落としなどを減らし手戻りを防止することができます。
また、試作段階であればわざわざ金型を用意することなく試作品を手にできるため、
リードタイムの大幅な短縮にもつながります。

レーザーマーカーでの自由曲面への印字

自由曲面に対しての印字は、原理上困難でした。
印字したい曲面の情報をSTLデータ化し、レーザーマーカーに取り込むことで、
ゴルフクラブのような自由曲面にも思いのままに印字することができます。

ECサイトへのアップ

色付きのSTLデータ(OBJ,3MF)であれば、製品形状をそのままECサイト上で表示させることが可能になります。
移り変わりが多い商品でのCG作成などの時間短縮に活用できます。
画像と比べてよりユーザーに伝わりやすい情報の掲載が可能に。

現状の課題

上記の通り、STLデータは幅広い活用が可能ですが、一方でデータ取得までが難しく時間が掛かるものでした。
従来の3Dスキャナで現物からSTLデータを取得するためには以下のようなハードルがありました。

セッティングが大変

大きなアームを操作して位置を調整したり、データ合成のために目印となるシールを貼るなど、
スキャンを開始するまでに多くの手間が掛かります。

見た目がわからない

スキャン後のデータが1色3Dモデルになってしまうため、データ間の見分けがつきません。
スキャナによってはカラーデータを取得できないためです。

データ容量が大きい

STLデータをいざ出力しようとすると、かなり容量が大きく作業がスムーズに進まないことも。
またデータの一部を修正するにも、外部ソフトで実施する必要があり手間がかかりました。

3Dスキャナ型三次元測定機「VLシリーズ」での解決事例

データ取得が容易

3Dスキャナでは従来必要とされていた、サンプルに目印となるシールを貼る作業は一切不要に。
ステージにサンプルを置いてワンクリックするだけで全周データをスキャンし、STLデータで出力することができます。

データ編集で軽量化・穴埋めが自在

VL-700シリーズは、スキャンデータをボタン1つで自動穴埋め、また不要な凹凸形状除去も可能。
出力後に結局データがうまく活用できない、ということが起きないように事前にノイズを除去することができます。
また出力サイズを選択できるので、他設備で使いやすいように軽量化して状態でSTL出力が可能。

カラー3Dデータ出力

スキャンしたありのままのフルカラーデータをOBJ・3MF形式で出力。
見たままの情報を残すことが出来ます。
カラー3Dプリンターと連携すれば、色付きで造形することも可能です。

まとめ

VLシリーズはありのままの状態を丸ごと3Dスキャンし、そのままSTLデータとして出力可能。

3Dプリンタ・3DCAD・レーザーマーカーなどの外部機器とサンプルを繋ぐ架け橋になります。

こちらでご紹介した以外にも、STLデータを活用できるシーンはございますのでお気軽にお問い合わせください。