CHAPTER 2測定を行う環境

測定値の評価

測定した値をどう評価するかは簡単なことではありません。測定値は真の値ではなく、必ず誤差が含まれることから、信頼性の評価困難がともないます。従来、信頼性の評価は真の値を基準に考えられ、測定値のかたより(系統誤差)とばらつき(偶然誤差)を合わせて評価していました。
しかし、真の値を求めるのが困難であり、測定値の評価が一様ではなかったことから、測定結果の信頼性を統計学の観点から判断する手法が考え出されました。これが「不確かさ」という考え方です。誤差を統計処理によって推測することで、真の値がどの範囲にあるかを割り出します。
たとえば、加工した金属棒の長さの測定値は寸法200mm、不確かさ±0.01mm、信頼度95%というように表記します。この場合、真の値が95%の信頼度で199.99〜200.01mmの間にあることを示しています。
この手法は、国際標準化機構(ISO)をはじめとする国際規格で採用されています。

95%の信頼度で199.99~200.01mmの間に真の値
  • 不正確さ ±0.01mm
  • 信頼度 95%
95%の信頼度で
199.99~200.01mmの間に真の値

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